考えてみると、母の介護をするようになってから、どこかに遊びに出掛けるようなことは殆んどなくなってしまった。
本来私は外出好きで、放浪癖があるので、いったん家を出ると中々帰らない悪癖の持ち主なのだ。
なのに、介護のために家に居るようになって、毎日が何ひとつ変化のない生活をしていると、人間っていつの間にかそれが当たり前になってしまって、自分がどうしたいかも分からなくなってしまう。
少し悲しい。
でも、ああしたい、こうしたいと叶わぬ事を考えてみても仕方がない。
こうして縛られて体力のある時期を過ぎて行ってしまう。
母は、お腹の調子は落ち着いていきた。
しかし、落ちてしまった体力は回復しないようだ。手足が一段とおぼつかなくなり、歩くときは介助なしでは不安がある。
こんな調子だから益々私の刺激のない生活に拍車がかかる。