いつだって、手作りが最高の贅沢。：僕らのミライに逆回転(2008)

Be Kind Rewind(2008)

「エターナル・サンシャイン」「ヒューマンネイチャー」のマイケル・ゴンドレイ監督、ジャック・ブラックとモス・デフのコンビによるコメディ。ストーリーは単純ながら、アイデアの優秀さとちょっぴりほろ苦いエンディングが印象的な、映画好き＆音楽好きに贈るコメディです。

NYのハーレムに小さなレンタルビデオ店を持つフレッチャー（ダニー・グローヴァー）。留守の間、手伝いのマイク（モス・デフ）に店を任せるのですが、マイクの友人ジェリー（ジャック・ブラック）が変電所に忍び込み、磁気を帯びてしまったため店のビデオは全てダメになってしまいます。あせった彼らは店のお得意様の女性（ミア・ファロー）に「ゴーストバスター」を自分たちでリメイクしてそれを貸し出しますが、なぜがそれが大評判になり、店にはスゥエーディドと名付けられた彼らの自主制作版のビデオを借りに来るお客で満員に・・・

映画の中で、名画や有名映画を素人コピーで作ってしまおうというアイデア。何も無いところからひらめきとアイデアだけで「ああ、あれね！」って判る名シーンをそれこそ数えきれないほど見せてくれます。そして記憶に頼って造るので、「あれ？そうだったけ？」的な部分が・・・ナンシー関の「記憶スケッチアカデミー（記憶に頼って動物やなにかを描いた作品をあつめた爆笑サイト）映画版みたいな・・・そのチープなリメイクぶりが楽しいですね。映画を見ていないとその真似の面白さが判らないので、ちょっときついかなあ？２００１年宇宙の旅とか、笑っちゃいます。


ロボコップですね・・

ストーリーはまあまあ？真面目で優しいけれどちょっとトロいマイク役のモス・デフが好演。この映画の主人公は彼でしょう。変わり者でお調子者のジャック・ブラックはいつものキャラで目立つのですが、映画の核はモス。ダニー・グローバーやミア・ファロー、シガニー・ウィーバーなど脇役も豪華です。
映画のストーリーのベースとして、ハーレム出身のジャズ・シンガー、ファッツ・ウォーラーの人生が絡んでくるのですが、彼の歌が映画のあちこちに印象的に使われています。もちろんモス・デフも歌っています。


リーサル・ウェポンは無かったなあ・・・・

映画のサイトは最近どれも凝りまくりで面白いのですが、この映画のサイトでは各映画の「スゥエーディド版」が見られます！映画をみたらこちらもチェックしたくなりますね・・・映画では出ていなかった「ロード・オブ・ザ・リング」もあります（出ているのは知らない人ですが）。判りやすくアラゴンはA、ボロミアはBと大きく書かれた衣装を着てたりして・・・
Be Kind Rewind Youtube


ドライビング・ミス・デイジー。「あの映画はやるの嫌だ」というモスの言葉は頷ける・・ってジャックがミス・デイジーって無理がありすぎ！

Youtubeを筆頭にしたCGM（カスタマー・ジェネレイテッド・メディア）の発達で、誰でも自分の作品を世に発表する事が普通に出来る様になり、素人の撮った作品も簡単に見られる様になりました。そんな最近のYoutubeに溢れるいかにもチープな学芸会乗りの映画パロディの、演じる人が一番楽しんでいるというハッピー感溢れる雰囲気を上手くコメディにしたな、という感じ。コメディとしては映画ファンにはかなり面白いです。

映画予告編！