ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

分かっちゃいるけど止められねぇ:コーヒー&シガレッツ(2003)

2007-09-28 23:38:23 | 映画:ミニシアター系
Coffee and Cigarettes (2003)

朝起きたらヘッダーがイギーになってました。驚愕。たぶんこの映画を見たからです(んなわけないだろ)・・・ジム・ジャームッシュ監督2003年のモノクロ作品。様々なカフェを舞台に、いくつもの短いストーリーをオニムバス形式で見せてくれます。そしてどのシーンにも必ずコーヒー(一部紅茶)とタバコ。


↑GZA、RZA、そしてなぜか身分を隠してカフェで働くビル・マーレィ。

なんだか話がかみ合っていないのに面白い。そんな微妙なユーモアです。どことなく噛み合ないシニカルでユーモラスな独特の雰囲気は全編に共通。双子の兄弟ジョーイとチンクェ・リーがおしゃべりなウエイター(スティーヴ・ベシャミ)に捕まって「どっちが悪い双子の方(イーヴィル・ツイン)だ?」とか質問される話や、ケイト・ブランシェットが2役(本人と従姉妹、の設定)で会話する話等、ストーリーらしいストーリーはなく、この監督の作品に落ちを期待したり、ドラマを求めたりしてはいけません。何気ない兄弟の会話や、付き合いの長い友人同士の意味の無い会話、そして初めて合う人たちのやや緊張した会話などが、けだるい静けさと、いつものスタイリッシュな白黒映像で綴られます。


↑イギー・ポップと偉そうにタバコを吸うトム・ウェイツ。

主役はコーヒー、そしてタバコ。印象に残ったのはイギー・ポップとトム・ウェイツが初めて会ったという設定の「カリフォルニアのどこかで」。結構いい人っぽいイギーと、かなりひねくれていて変わり者っぽいトムの、変な会話が笑えました。イギーは話のきっかけを作ろうとするのですが、いちいちトムにケチつけられてしかられた犬みたいな表情になる。タバコを止めたんだから「堂々と吸える」というへ理屈こねてタバコを吸うトム・ウェイツ。本当にあんな人かなって思ちゃったです。


↑スティーヴ・クーガン(右)とアルフレッド・モレナ(左)。

もう一つはスティーヴ・クーガンとアルフレッド・モレナの会話。明るく陽気なモレナに対して、これまた嫌な奴のクーガン。この2人の牽制のし合いというか、本当に微妙な心境の変化を表情で見せるところ、やっぱり凄いなあと。思わずモレナに同情しますよねぇぇ。最後はざまあみろ、と。

ジャームッシュ監督っていったら「ストレンジャー・ザン・パラダイス」や「ダウン・バイ・ロウ」等評価は高いけどストーリーが難解イメージで、いまいち良く分からないのであまり見ない様にしている(笑)方ですが、この作品はなかなか楽しめました。コーヒーとタバコっていう日常の何でも無い「一服」の瞬間を切り取って、スナップ写真の様に壁に貼付けたような、ゆるゆるの映画。私もコーヒー好きだし。(タバコは吸わないけど)。

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8 コメント

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だって、寝ちゃうんだもん (nbm)
2007-09-30 10:22:04
ジム・ジャームッシュね。私もちょっと苦手です。
だってモノクロが多くて、寝ちゃうんだもん(笑)
でも、これはオモシロそうですね。
「ナイト・オン・ザ・プラネット」は、けっこうオモシロかったな。カラー作品だったからか?ウィノナ・ライダーのくわえタバゴがキュートだった。
「ブロークン・フラワーズ」は観ようと思っていたのですが、こちらにもビル・マーレイが出てるのですね。
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誰だ!? (ぷりぷり)
2007-09-30 10:40:51
こちらにお邪魔して『おおっ!!誰だ』と息を呑んでしまいましたわ。

そうそうI・ポップ先生は不必要にいい筋肉だったりしてたのでしたね(笑)

私トム・ウェイツ好きなのですよぅ。
あの声がたまらない・・・

あの歌声をBGMニベニトロと・・・・

はっいかんいかんこないだからの妄想がまだ続いているわ!!


で、この映画はまだ見ていません。
見たくなってきました。チェックチェック

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眠くなる。 (ptd)
2007-09-30 17:39:19
nbmさまこんにには。

>ジム・ジャームッシュね。私もちょっと苦手です。
>だってモノクロが多くて、寝ちゃうんだもん(笑)
同感!「ストレンジャー・・」では、睡魔と戦った記憶があります。そして必死で戦ったのに、結局ストーリーが分からなくて「おりゃぁぁぁ!なんじゃこれはぁぁぁ」と机をひっくり返したくなったんですよね・・・
モノクロだから眠いのか?確かにモノクロ映画は眠いの多いかも。

でもこの映画は短編集だから、おすすめです。ほら、難解な小説家の本でも短編集て読みやすくないですか?
返信する
ベニトロは油が乗ってて美味そうだし (ptd)
2007-09-30 17:49:13
会長いらっしゃいまし。

>I・ポップ先生は不必要にいい筋肉だったりしてたのでしたね(笑)
このひと60歳だっていうのに、いまだすごい鍛えてますよね。そしていまだ見せたがり屋。
なんだか筋張って血管浮いてて壮絶な感じですが、それもまたパンク。

>私トム・ウェイツ好きなのですよぅ。
私はトム・ウェイツはそんなに詳しくないです・・・
でもトム・ウェイツてあんな人なんですかね!
この映画では、凄くひねくれていて、面白いですよ!

>あの歌声をBGMニベニトロと・・・・
ベニトロっていうと油のってて非常に美味しそうな響きでありませんこと?じゅるじゅるーーー。
実際そんな感じですし?
でも彼日比野克彦に似てません?
す、すみません妄想の邪魔をしてしまったかなあ
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Unknown (c.mama)
2007-09-30 23:41:09
ジム・ジャームッシュの映画って、女性受けしませんよね。もう昔過ぎて、内容あまり覚えていないですけど、「ダウン・バイ・ロー」だけは「いいな~」と思った記憶があります。
割りに評判の良い「ブロークン・フラワーズ」がダメでした。あの監督特有の「間」が、すでに新しくもないので、白けちゃって。「ここ笑うところですよ~」と、合図出されながら観てる気分になりました。

この映画、イギーとトム・ウェイツのシーンしか覚えてません!(笑)インパクトあり過ぎですよ。あのイギーが、ウェイツに対して下手に出てるというか、一生懸命、気を使ってるのが泣ける(笑える)んですよね!二人とも可愛くて~。愛すべき変人ですよね。
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同感ーーー! (ptd)
2007-10-01 01:14:09
C.mamaさまこんばんは。

>ジム・ジャームッシュの映画って、女性受けしませんよね。
そうなんですね?男の人の方が評判いいのでしょうか。てことは私は女っぽい訳だ(違うような・・・)。「ブロークン・フラワーズ」は見ていないのですが、白けましたか。まあ、彼の作品はBSでやったら見てみよう、くらいの乗りです。

>イギーとトム・ウェイツのシーンしか覚えてません!
そうなんです!あの2人がもう笑えましたよね!
イギーがんばれぇぇ!って。トム・ウェイツの毒舌に一生懸命反論したり、気を使ったりしてましたね。あのキャラクタ設定が反対だったら、面白くなかったに違いありません。
トム・ウェイツ、せこくて嫌な奴好演でした。
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今晩はw (ラルフ)
2007-10-01 23:23:07
何度来てもほへと占いだと思ったら、
あの記事をお気に入りに入れてました(^^;)
リンクさせてもらっていいですか!?

この映画観た時点で、ジャック・ホワイトを
知らなかったアホです…
そんなやつは音楽記事書く資格ないですよね~笑
今は大好きですよw
ジム・ジャームッシュがPV作ったっていうのも
最近知りました~
ゆる~い映画でしたね、コレw
ジム作品は「デッドマン」が好きです!
返信する
私もでえす (ptd)
2007-10-02 00:05:44
ラルフさまこんばんは。

>何度来てもほへと占いだと思ったら、
>あの記事をお気に入りに入れてました(^^;)
私も良くやってました。
今はRSSにしたので便利ですわんーー!

>この映画観た時点で、ジャック・ホワイトを
>知らなかったアホです…
私、この映画先週見たのですが、こいつあのジャック・ホワイトなのかなあ?なんだか若いし、メグって奥さんじゃなかったっけぇ?・・って考えてました。
やっぱりあの2人組ですか。
>そんなやつは音楽記事書く資格ないですよね~笑
っってそりゃそのまま私の事です。
クラムボンと和三盆は同じか?
とか言ってますからねえ。

>リンクさせてもらっていいですか!?
どおぞどおぞ。
こちらもブックマークしときますゆえ♪
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