大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

お昼の団欒

2011年12月25日 | 児童デイサービス
 これが今朝のブログ記事の続きです。

 廊下にできた「たまり場」=ホットカーペットのスペースです。

 元々Riくんのために作った「居場所」兼「逃げ場所」なのですが、この日のお弁当でRiくんは一番に場所取りできたので、退散しませんでした。ホントに久しぶりにこんなに大勢の人の中でお弁当を食べました。
 この写真は皆がRiくんに注目しているところですが、彼のおかずでも「ちょうだい」と言って、彼が「ベェ~」という返事をしているところなのでしょうか。

 
 一緒に写っているMaちゃんは超ご機嫌です。お弁当をあっという間に食べました。(最近、食べることに集中できるようになってきたように思いますが、昨日はバイトのMaさんと二人でマントをひるがえしながら廊下を走っていたからお腹がすいたことでしょう。)
 ですから、一緒に食べたFuくんもMaちゃんが「かしこ」すぎてウロウロできません。
 この頃、安全確保や危険回避のために名前や禁止語の連呼になりがちなので、お互いとにかく子どもたちとの会話を大事にしようと伝えています。

 この日も「たまり場」が「しゃべり場」になりました。
 「クリスマスのプレゼントは何をもらうの?」と聞くとFuくんは3つ玩具の名前をあげていましたが私にはちんぷんかんぷん。バイトのMaくんが横でざっと計算して「高いですよ~」と。Maちゃんは手話と話しことばでカセットと分かりました。(そういえば、以前コーナンに行ったときにビデオの前に座り込んで「買ってくれ」とせがんだことがありました…)
 「ねえねえ聞いてよ!」とFuくん。「なになに?聞いているよ」と応えると「あのな」とぽぽろ大東の近所のマンションで火事があったと話してくれました。

 そんなんでなかなか食事が進みません。しびれを切らしたRiくんが、Fuくんにすり寄って「ウ~」と言いながら早く食べろと催促します。何度も言っているのですが、当のFuくんは気がつきません。それで、「Riくん、Fuくんに食べさせてあげて!」と言うと、サッとスプーンやフォークを持っておかずを口に運びます。じゅうたんの上にこぼしたおかずまですくってどんどん口に運ぶもんだから、Fuくんはオエオエしながら「もうアカン…」と抵抗しようとするのですが、Riくんは頑固にやめようとはしません。いつもはお弁当が最後になるFuくんもアッと言う間に「ごちそうさま」でした。

 会話ややりとりが弾むと笑いが絶えません。何かの拍子にMaちゃんが私の髪の毛を流れとは反対側に5本櫛でかいているではありませんか!バーコードも乱れて大変なことになっております。それを見て大爆笑しているシーンです。(そういえば昔、Maちゃんはマジックで私の頭に線を描いたことがあったよなぁ…)


 これは「ペン立て」づくりの様子。「行って来まぁ~す」と朝から外に出ようとするFuくんを引き止め、「ペン立てを作る人はおいで」と呼びかけて集まった3人。のこぎりで窒リったところまではよかったのですが、途中でYoくんはチラシを丸めるのがめんどくさくなり、横で始まったジャンボすべり台に負けて脱落。Hくんと何とか最後まで頑張って作り上げました。


 他の子らの様子はごめんなさい、バタバタしていて分かりません。
 
 そうそう、のこぎり引きのときにやりたそうにしているTaちゃんに声をかけるとサッとやってきてのこぎりを引こうとしたのですが、Geちゃんが横取りしたんだ。そのあとでTaちゃんも最後まで引きました。結構力も時間もいるのです。

 もう一つ、ジャンボすべり台にMoくんをのせるときのアッと言う間の「介護」の様子を見ていて、「ちゃんと顔をのぞきこんで、滑ろうか?と聞いて意思を確かめてから、ゆっくりでいいから自分の足で歩かせ、彼の意思で足が台の上にのって自分からすべり台に挑戦するように介護しようよ!」と言いながら「手本」を示したのを覚えています。
 この頃、「小言」が増えてきたようで、反省しています。焦りがあるのでしょうか?忙しすぎるのでしょうか?何とかバトンを渡そうと必死なのですが…。

 風邪が流行って休みの多い冬休みですが、それでも「定員オーバー」です。二日も連続して学童に入るとこの頃はもうぐったりです。
 一番きついのが療育の「ねずみばあさん」と「ジェットコースター」です。しかし、小さい子らのつぶらな瞳に見つめられるとおっちゃんは馬力が出てしまうのです。
 もうすぐ(また)多動な一年が終わろうとしている…。


年末大聡恆烽ヘ?

2011年12月25日 | 児童デイサービス
 賑やかな声が聞こえるヤングたち中心の反省会。今日も楽しい学童だったね。
 しかし、ヤングアルバイト諸君は反省会が終わるやいなや早々に帰宅?の途についた。
 
 それもそのはず、昨日はクリスマスイブ。
 真っ暗なプレールームでちょっぴり寂しそうにチカチカ電飾がともっていた。
 
 これはモールでグルグル巻きのクリスマスツリー。
 
 一昨日は中学生たちがケーキ作りをしたようです。
 ケーキ職人たちの中から男性諸君3人がサンタさん役になって待機しているところです。
 この後でものすごい事件があったそうで、そのエピソードは後のTさんのブログを乞うご期待!
 


 年末ですね。
 年末と言えば大聡怩ナす。
 今日はぽぽろの聡恆蜷bRiくんのお話です。

 この頃のRiくんはなかなかプレールームに入ろうとしません。公園にも行かず、行ってもすぐに帰ってきます。しょっちゅう左手指で耳の後ろを押さえています。私はとても気になっています。
 日常的に小集団による学習と生活を送っている学校に通っているのですが、どう過ごしているのでしょう?他のデイや家庭では…?そして、ぽぽろではどう関わっていけばいいのでしょう?

 この赤い靴は還暦祝いに息子たちがくれた一品。骨折で長いこと腫れがひかず、靴箱の中で眠っていましたがこの日やっと日の目を見ました。久しぶりに子どもたちと公園にでも…と思って履いてきたのです。
 が、彼のために廊下に出した畳とホットカーペットの上でHiちゃんとバイトのMさんとでお弁当を食べていた私の前を走り去るRiくんを発見、赤い靴を履くまもなく追いかけたのです。(実はお弁当は静かなところで食べたいHiちゃんもこの“秘密の場所”にやってきました。するとRiくんはすぐに立ち上がって事務所に“避難”して食べていた。)


 信号などはおかまいなしなので横にぴったりついて走ると公園に到着。
 勢いよく水道水をしょんべん小僧のように流したものの冷たい水に手をすぐに引っ込め、長続きしません。
 いつもはブランコなのにこの日はすべり台へ。どうも追いかけっこをしたいようです。

 ものすごい風です。「早くRiくんのジャンバー持って来て!私は帽子がなくても我慢できるから早く~!!」と携帯で3回目のSOS。しびれを切らして帰り始めたところへジャンパーが届きました。
 そうすると、Riくんは今度は向いの公園へ。どうも子どもたちを避けているのかと思いたくなります。

 そちらの公園でもすべり台でしばらく遊びました。ホントに外は久しぶりだったし、久しぶりのいい笑顔でしたので、ハイ!チーズ。

 実はこの笑顔の前は追いかける私に対して、何度も口をとんがらせて腕を突き出し「バァー」「ヒュー」とか言ったり、足を振り上げたりして追い払おうとしていました。
 この「ヒュー」のところで凧さんのように「アレ~」と後方へ飛んでいったり、「ヒュ~」と言って追いかけたりするうちに「追いかけっこ遊び」になったのです。そんな中での笑顔です。
 
 30分も外遊びができたのでもう十分だ、そろそろ帰ろうかなというそぶりを見せ始めた彼ははサザンカのつぼみをむしりはじめ、3~4個胸の前で抱えて歩き出しました。

 ずいぶん長い前置きでした。ハイ、ここからが本題です。
 フ~ン、何をしているのでしょうね?

 金網の中のプラスチックの玩具に…手が届かない…。

 こんないいっぱいになった!!欲張りにどんどん抱え込むけどさすがにもう持てません。

 ここまで来ると愛読者の皆さんは彼がどこに行こうとしているのかもうお分かりですよね。そうです。ぽぽろの玄関の“秘密の場所”です。決してゴミの山だなんて言わないでね。宝の隠し場所なのです。

 いつもなら、ここでおしまいです。
 私も相当に頭が冷えてきたので「そろそろ帰ろうか?」と声をかけます。すると、またユーターン。
 どうやら心残りがあったようで、金網の外からは届かなかったタバコの空き箱を思い出したのか駐車場の中へ。この写真は夢中になってしまい、トラックの荷台に頭をぶつけたあとにうずくまっているRiくんです。(金網の外から見守っていたので、頭をぶつけてパニックになって頬をバンバン叩きはじめたので慌てて中に入って抱きかかえてヨシヨシしておさまった後です。痛かったよなぁ~。)



 という話なのですが、ここで終わらないというか、終わらせないのが我々の年代の仲間たち。
 この日、3往復も美化活動をした彼の話をぽぽろの環境大臣スタッフのBaさんに語りました。なんせ、Ri聡恆蜷bはこともあろうに環境大臣が育てたサボテンまで引っこ抜いて環境大臣の目が行き届かない裏世界(大人の目から見たらゴミの世界)を作っているのですから。すると、さすが子どものための環境大臣です。

 年末大聡怩ェ気になっていた大臣と意気投合。「28日の日には子どもたちと一緒に大聡怩オよう!プレールームもやろうよ!火バサミ(今はゴミバサミという)10個くらい買ってきて、子どもたちと公園と公園までの溝の大聡怩オよう!」という少々大げさな話に…。しかし、これをお楽しみ企画に変えてやっちゃうのが我々の年代なのですが、年末大聡怺驩謔鰍ーかけられた今の若い二人のスタッフにそれがどこまで追及できるか…?
 お楽しみ…

 追伸:今度から犬のラッキーのおっちゃんを見習って、公園散歩の時にはスーパーの袋を持参しようね。溝の砂ざらい用に買ったスコップも必携だよね。 
 Riくんとのお散歩にも袋かカゴを忘れないでね。
 この日、ホントに珍しくRiくんが1時間以上も外で遊んだよね。しかしながら反省会でスゴ~イ!という話にならなかったと聞きました。丁度年末大聡怺驩謔ェ持ち上がったので、このまま通り過ぎないようにRiくんの話を書いてみたのです。昨日のRiくんもすごかったよね。友だちとあそんだり、お弁当を友だちに食べさせてあげたり…一つ一つを心に刻みたいですね。


 この日に撮ったKoちゃんと学生バイトスタッフのMaさん。いつもニコニコ笑っていらして怒った顔を見たことがありません。この日も通行人の顔など見向きもせずに砂煙の中でひたすらニコニコとKoちゃんを見守る姿が。

 歩道に寝そべってまで角度・視点を変えてキックボードの埋まり具合をチェックするKoちゃん。トーマスは卒業して、砂場から歩道へ…。この大胆さと別世界のような二人の姿に心を動かされ思わずカシャ。

 自閉症の子どもたちのこうした世界への理解が広がれば、地域の皆さんも少しでも寛容になって見守っていただけるのになぁ…と、頭を下げながら社会的な常識やルールとこの子らの社会的認識の度合いとの矛盾、「特性」にも関わる世界(至福のひと時)に直面し、葛藤してきた毎日です。私たちも地域に向けて理解を広げる努力をあまりしてこなかったように思える。

 この一年間、スタッフやアルバイトの諸君が常に直面して悩んできたことの一つです。マンションのエレベーターのことなど一定割り切らざるを得ないときもあるけど、犬通りのラッキーのおっちゃんたちのように無理を聞いてくださる方たちもいらっしゃる。とても難しいことだけど、我々が割り切ってしまわないように、子どもたちと一緒に前向きに葛藤してしなやかに乗り越えていきたいものだと一年を振り返って見て思うことの一つです。

 この日も、アルバイト諸君がぽぽろの小学生の子らの性をめぐって問題を投げかけていました。大人の胸に「おっぱいちょうだい」と抱きつきにいったり、「私も好きやから触らしてあげて何で悪いの!?」と抱き合う女の子、男性スタッフに「おんぶして」「抱っこして」と身体をこすりつけてくる子、など等…。「幼児がおっぱいとかおちんちんとか言って周りの反応を楽しむようなもの」「僕(わたし)はダメと言って離している」「私は男の人とお話するときには少し離れてしようねと言っている」「お家の人に男の方となら腕一本離れて接するように言ってくださいと言われた」など。
 学童の中での思春期と性教育、これも1年越しのスタッフの課題です。

 実務に追われ、あれもこれもと課題の多さに振り回されながらも、「子どもをどう見るか?」「ものごとをどう見るか?」という哲学・「科学の目」を育て鍛えようと言い合っているこの頃です。