巻頭写真 : ファヴァレッロの「昇天の聖母教会」のフレスコの一部
地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた
先回の「フィリトーザ遺跡」から『タラヴォー川』を挟んで西側に
『ファヴァレッロ』という小村があり
Map by ⒸCorsica-geographic_map-fr
『Favallelo』
その村にロマネスク時代の古刹がある
『被昇天の聖母教会』
『Capella Santa Maria Assunta / Chapelle Sainte-Marie de l'Assomption』
正面
南側側面
後陣
西側正面扉口
南側側面扉口
祭壇奥の後陣部のフレスコと
左奥にある礼拝堂のフレスコが国の重文
祭壇右に側面の扉口が開いている
祭壇前から振り返ると正面扉口
この教会のフレスコは15世紀のもの
コルシカには山里の小さな教会にこの種のフレスコが多々残っている
『聖ヤコブ』
『聖ペテロ』
『聖シモン』
『聖フィリッポス』
左右に『聖マタイと聖ヨハネ』を従えた「全能の神イエス」
『聖マルコ』
『聖ヨハネ』
村は山の斜面にへばりついて上下の高度差が結構ある
中心部は結構開けた感じもあるが
古の「フォンテーヌ(水場)」もしっかり残っている
※ ※
ではいよいよ「アジャクシオ」に向かって北上しよう
ヴァランコ湾の「プロプリアーノ」から島都「アジャクシオ」まで
山中を畝る国道196号線で65kmほど
その途中22km地点で国道を東側へ降りて山中の間道をうねうね進むと
『モセ・エ・クローチ』という村がありチャーミングな古刹がある
『Macà è Croci / Moca-Croce』
この村名は旧来あった「マカ村」と「クローチ村」が合併したことからきている
遠目にも教会の鐘楼が見える
『Santa Maria Assunta / Sainte-Marie de l'Assomption』
この村の教区教会『サンタ・マリア・アッスンタ(被昇天の聖母教会)』
村の一番高いところから村全体を見守っている
内部は天井や壁の部分的に描かれたフレスコで飾られているが
かなり傷んでいるのが残念なところ
後陣種祭壇を望む
主祭壇と四分の1円蓋
円蓋
身廊の天井
天井中央部の「聖母昇天図」
しかし上に記述した「チャーミング」な古い教会とはこれのことではない
もっと小さな礼拝堂『サンタ・マリア、言う所のアッバディア礼拝堂』の事
『Oratoire Santa-Maria Assunta di Cruscaglia / Ste-Marie de l'Assomption dite Abbadia』
10世紀後半に村近郊の字「アッバディア」に建てられた礼拝堂で
12世紀に今の位置に2km移設された
自然の中に立つ奥行き12mほどの小さな規模
正面ファサード
南側側面
鐘楼は前後から見ると塔に見えるが
側面から見ると平たい壁の様な造りになっている
外陣
外陣 真後ろより
鐘楼の下部が躯体の重量を支える控え壁の構造になっている
北側側面
こちら側の側面に予備の扉口がある
西側正面扉口
内部は白い
身廊より後陣の祭壇を望む
祭壇が置かれる後陣の半円形の突出部の上部の切妻壁に十字架の形の開口部がある
祭壇の位置から西側正面の方向を見る
扉口の左右に四角い小さな窓がある
壁の厚みの分だけ「壁龕」の様になっていて小物が置かれていた
石積みの壁全体を漆喰で白く固めてあるのは
創建期の10から12世紀という
形式上ヴィザンチン帝国に領有されていた時代的影響か
この「モカ・クローチェ」村にはもう一つ古い教会がある
『聖アンドレ教会』
『Eglise Saint-André』
村自体は実にのどかで時計が止まっているかのようだ
『Fontaine』
水場な現役で清水をたたえている
そして
家々も
フランス人達が好んで使う言葉「Vieilles pierres (英: Old stones 古い石)」とは
このような数世紀を経てきた石の家やその周りの石畳の小径などを指すのですが
まさに
実に美しい「古い石」であります
村を別の角度で外から見ると
こんな風なのどかな光景になる
この辺りには今回一番最初に記述した「タラヴォー川」が流れており
古くからの橋も架かっている
村を一歩出るとはるか山々が連なり
背後のてっぺんに村の名前の一部「クローチ(十字架)」が立っています
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