プエンテ・ラ・レーヌ『エル・ペレリーノ』
巡礼たちは
フランス国内5カ所の町に
7月末の『聖ヤコブ(サン・ティヤーゴ)大祭』に
間に合うように
逆算して全欧から集まり
スペイン最北西端
サンティアーゴ・デ・コンポステーラを目指して
歩き始める
85日間とか
115日間とか
かけて
古道は
現在は人の行き来には使われていない様なところもある
その際は
要所に巡礼者向けの標識が
『古道の道標』
黄色の矢印の中に『帆立貝(サティアーゴ)』
ちなみに
フランス側の矢印は青
ピレネーを超えて2日目か3日目
スペイン側バスクの大都会
牛追い祭り『サン・フェルミン祭』で名高い
「イルーネア(カタルーニア語でパンプローナ)」を超えて
20km程で
『プエンテ・ラ・レーナ』という村がある
直訳して
『女王の橋』村
原語には「の」もないので
『女王橋』村
古の時
橋は極めて戦略的重要な要素であり
住民が勝手にかける事は
許されていなかった
おそらく
ある時代(11世紀頃)の女王が
巡礼者たちがアルガ川を渡る事ができる様に
ここに橋を架けさせた事による
村の発祥とその名の由来であろう
ロマネスクの時代建造様式を伝える
美しい橋だ
村には
ビールとコーラとミネラル・ウォーター
ポテチとガム
パン
その他20種類ほどの食料品を商う小さな店が一軒
あとは「バール」が二軒あるだけの
文字どおり何もない村だ
しかし
この村を通り抜けるところに
快適そのもののホテルがあるのです
観光名物になりそうな物は橋以外に何も無く
巡礼だけで知られる
こんな小さな村のはずれに
巡礼者たちの宿とは比べ物にならない
贅沢な
罰当たりなホテルなのです
巡礼路に行ってみたいが
歩く気はない
高級車でゆったりと訪れれば良いという種類の
罰当たりなお客様専用の
何の看板も無く
「レストラン」という表示も
車を走らせていると見落とす可能性の方が高い
では
罰当たりになりきって
中を訪れることにしようか
せまあーい玄関を入ると
せまあーいロビーがあり
小さなレセプション・カウンターがある
その先の小さなくぐりを抜けたところ
その奥は廊下
さらに進むと
情緒満点の木製の階段あり
半分登ると
踊り場に当たるところが
小さなパブリック・スペース
テーブルやら
椅子やら
もう半分登ると
書棚やら
が
「自由にくつろいでおくれ」
と語りかけてきまする
その先には
ソファーも
こんな空間があちこちに配置されてます
二階建ての建物なので
客室も地上階と二階にしか無い
上の回がメイン
自分の部屋のドアを入ると
中廊下
梁など
ろくにカンナもかけてなさそうで
白塗り
中廊下
を抜けると
クローゼットにソファー
右端の黒い四角いのは金庫
その下は冷蔵庫
ベッドの側にも
別のデザインのソファー
そして
中廊下の内側がバスルームでした
ドアも白木
タイルは超カラフル
便器はレトロ
バスタブと
その周りの壁は
淡いクリーム色のタイルで
暖かみを感じとっても落ち着ける
レストランやバーは
当然地上階
バーは
酒棚があるだけで
レセプションからバーマンを読んでもらう
共通部分は
全てに狭い
しかしそれは
自分の家でくつろいでいるような
そんな雰囲気になるような配慮での設計なのでしょう
でも
レストランは割と広かった
右側にも広がってます
そして何と
まるで修道院のようなアーケードの中庭があり
その中庭に面しているのです
そして
朝食も同じ場所だった
外が明るいので
あえて朝食時間は中を暗くして
テーブルの一点だけ
スポットライトが当たってる
朝食を終えると
当然中庭に出てみたくなる
な な 何と
プールがあるぢゃないか!
朝食の時に見えてますけどね(^^)
左の屋根の下がレストラン
プールって
一体いつ利用するの?
広間は
巡礼路を歩いてるんと違うんかい!?
ね
罰当たりなホテルでしょ
建物も
内装も
あらゆる部分が素朴ですが
これ
先ほども触れたとおり
計算され尽くした配慮なのです
まあ
歩き始めてしばらく経って
くたくたになったところで
こんなホテルで1日寛ぐ完全休養日にあてて
また
翌日から頑張って歩きましょう
『サンティアーゴ・デ・コンポステーラ』
まで!
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