パリ9区オスマン大通り 『MUSEE JACQUEMART-ANDRE』
19世紀後半に裕福な銀行家のエドウアール・アンドレさんは
巨額の遺産を受け継いでパリに大邸宅を建て
若き画家ネリー・ジャックマールさんと結婚します。
これが
美術館の名前の由来
皇帝ナポレオン3世の衛兵の制服姿の
『エドウアール・アンドレ』(1857)
生来美術収集家であった彼は
妻ネリーの助言も受けて数多くの見事な作品を集め
エドウアール亡き後ネリーが引き継ぎ
それがフランス学士院に遺贈されて
20世紀初頭に建物ごと美術館になりました
大通りから
玄関を入るとそのまま中庭に抜けるような構造で
中庭にある正面玄関から館内に入ります
入って最初の「エントランス・ホール」には
壁全面に絵画
その他彫刻や工芸品がうじゃうじゃと飾られていて
左右の壁の上部に一枚ずつ
『フランソワ・ブーシェ』の珠玉の小品が二点
『ユノンの宝石を身に付けるヴィーナス』(1738)
『アモルに見守られて眠るヴィーナス』(1738)
『ターナー特別展』をご紹介する前に
常設展を一回りしてみよう
作品群もだが
内装自体が素晴らしい
次の部屋は『グラン・サロン』
レセプションなどはここで行われた
天井画も見事だが
大きすぎて写せない
ここから左に展示室が連なる
テーブルもチェストも
宮廷指物師の名品ばかり
そして
天井画が『ティエポロ』だったりする
『裁きと平和のアレゴリー』(1741/42)
もちろん
この邸宅の建設時に
ティエポロをイタリアから招いて書いてもらったわけではない
イタリアで
彼の天井用板絵を見つけて買い取って
この天井に使用した
別の部屋にも
『ヘラクレスのアポテオセス(神格化)』
個別の展示作品から
著名は画家の作品を幾つか挙げてみる
『検事の肖像』 アントン・ファン・ダイク (1620頃)
『老人の頭部』ジャン=オノレ・フラゴナール(1767〜69)
『エマイウスの巡礼』レンブラント(1628頃)
『男の肖像』フィリップ・ド・シャンペーニュ(1652)
『ヴェニスの空想的入り口』グアルディ(1778〜80)
上の回に上る階段が見事な造形なのです
その周辺にも
古代文明の彫刻やレリーフがいくつも飾られている
『ギリシアの大理石像』2世紀
『襞のある衣服の神像』紀元前4世紀
『翼のないニケ像』(ヘレニスム時代)
階段を登ろう
壁の上部に
またティエポロのフレスコが
『コンタリーニ家に迎えられるフランス王アンリ3世』(1745年頃)
上の階に細かな工芸品が飾られたケースがあり
中にヴェロッキオのブロンズ小品があった
あのレオナルド・ダ・ヴィンチの
唯一の師匠
当代一と言われた彫刻家にして画家
『聖ヨハネの洗礼』を描くとき
隅の天使の一人を10代の弟子レオナルドに任せたところ
自分の描いた天使と比べてあまりの見事な出来栄えに驚愕し
筆を折って二度と絵画の注文は引き受けず
ブロンズ彫刻だけに専念した
あの
ヴェロッキオ
そのまま二階の奥に進むと「特別展」の会場だが
そのご紹介は次回にして
一旦下にまた降りる
この邸宅が美術館になる前
上流階級の住居だったことを偲ばせる
当時の室内の幾つかが往時のままに
保存されている
ほとんどの家具調度は
ルイ15世か16世の時代のもの
つまり18世紀
ため息をつくだけ
では『ターナー特別展』は
次回にご案内します
お楽しみに
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