巻頭写真 : 「ガブリエル・シャネル特別回顧展」
「ガリエラ宮」のモード美術館でロックダウンで公開できなかった
『ガブリエル・シャネル回顧展』が
予定期間を後倒しして5月19日から開催された
『Palais Galiera Musée de la Mode』
ガブリエル(通称「ココ」)は
男性が連れ歩くアクセサリーで家庭の中の花という女性のイメージで
ウエストを締め付け鯨の骨で膨らませたペチコートを重ねるような
体の自由な動きを封じるごとき女性服に対して
表に出て社会で活躍する女性をイメージし
体の動きと精神を開放するような女性服を世に送り出した
いわば女性開放主義者の元祖のようなデザイナーだった
1903年に叔母アドリエンヌの洋裁店のお針子さんとしてスタート
1909年マレゼルブ大通りに服飾帽子製造販売の店を持つ
1910年未だに本店を構えるカンボン通り21番地に
「シャネル=モード」というブティックを開店
その後「ドーヴィル」「ビアリッツ」というリゾートに進出
1913年から15年まで
黒の撚り糸と黒のシルク・サテンのリボンを使った帽子の作品が作り出された
黒の撚り糸と黒のシルク・サテンのリボンを使った帽子の作品が作り出された
豪華なデコレーション山盛りだった当時の女性の髪型と帽子に対し
抑えたシンプルさをモチーフとした新境地を開拓
その後「ドーヴィル」「ビアリッツ」というリゾートに進出
リゾートで休暇を過ごすという習慣が上流階級に広まった頃であり
時と場所が
海浜リゾートウエアーを生み出した
『セーラーブラウス』1916年夏 シルク・ジャージー
『ドレス』1917年から19年
ガラス管ビーズで刺繍した黒のシルク・テュール 黒のクレープ・ド・シーヌ
『イヴニング・ドレス』1918年から19年
鉄とガラス管ビーズで刺繍した黒シルク・テュール
『ドレス』1919年
シャンティイのレース 黒のシルク・クレープ
1918年今の本店の位置カンボン通り31番地に「メゾン・ド・クチュール」
を開き
「ガブリエル・シャネル」の名前が浸透し始めることとなる
『ジャン・コクトーも演出ノート』1924年
1920年代に入ると
詩人で画家で映画監督で舞台演出家であった「ジャン・コクトー」に見出され
行動を共にし
『ル・トラン・ブルー 青列車』の製作に関わって
衣装を担当した
その傍ら自分のブティックを持ち女性服の製作を本格的に始める
『コート』1933年 アイヴォリーと濃紫のぼかしツイード
20年台後半から30年代には
シルクの「クレープ・ド・シーン」や「オーガンジー」などのドレスと
ウールの「ツイード」を用いたアンサンブルが
並行して作り出されていった
『スカーフとドレスのアンサンブル』1929年春夏 多色プリントした白のシルク・レース
『アフタヌーン・ドレス』1930年夏 ホワイト・シルクのモスリンにプリント
『テーラード・スーツ』1927年から29年 茶と生成りのウールの撚り糸のツイード
『デイ・ドレスとジャケット、ベルトのアンサンブル』1928年と30年
ウエーヴをつけたシルク・ヴェルヴェット 多色のモスリン
生成りのキルト地天然シルク メタルと着色パット・ド・ヴェール
『ジャケット』1928年から30年
ベージュのフレック・ジャージー 多色のジャガード・ニット ベージュのクレープ
繊細なステッチがなされている
『ガントレット・グローブ(長手袋)』1933年 ブラウンのコットン天鵞絨と
錆び色のスエード
『デイ・ドレスとジャケットのアンサンブル』1925年から29年
黒のウール・ジャージー ステッチ 黒とベージュのジャガード
『ポシェット』1920年から29年
多色と鋼色のコットンの畝おりニット ステッチ入り白の鞣し革
この1920年から30年に向けて
彼女は浄化されたエレガントな「シルエット」の進歩を追い求め
シンプルさを追求し
実用性とエレガンスを兼ね備えた彼女の服は
当時のスポーツウエアーに着想を得て
ある種の男性の優美さと活動性すらも参考にしてテクニックと素材選びを行って
これらの微妙な共存の中で「シャネル」という「スタイル」を形作っていった
『イヴニング・ドレス』1924年
ゴールド・ラメ 玉磨きゴールドの刺繍レース
『ドレス』1924年から25年
黒のシルク・モスリン 黒のシルク・クレープ ガラス管ビーズの刺繍
1930年代になると
彼女は「ライン」の感覚だけを、最もハイレベルに表現する
ドレスは過剰にならずに体の線を明示するようになる
『フォーマル・ドレス』1920年から25年
黒のテュール 刺繍と黒真珠のフリンジ 黒の刺繍とシルク・クレープ・ド・シーン
『デイ・ドレスとコートのアンサンブル』1928年から30年
暗緑色のウール グリーンのカマユーにプリントされたシルク・モスリン
『スカーフとドレスのアンサンブル』1930年 アイヴォリーのクレープ・ド・シーン
黒のプリント柄
『イヴニング・ドレス』1930年から1935年
黒のシルク・テュール シルバー・スパンコールとシルバー及びシルバーラインドガラス管
『イヴニング・ドレス』1933年から34年
黒のレイヨン アイヴォリーのシルク・オーガンジー
『ドレスとケープのアンサンブル』1933年から35年
黒柄プリントのアイヴォリー色シルク・ジュレープ
『ドレス』1935年
アイヴォリー地に多色プリントのシルク・オーガンジー
少し変わったものもあった
『ロング・ドレスとジャケットのアンサンブル』1930年から31年
ゴールドのシルク・サテン
これなど現代にきても全く違和感なくとっても素敵です
『イヴニング・ドレス』1939年春夏
多色プリントされたコットンのヴェール ピンクに染めたオーステルリッツの羽
当時のゴーモン映画社のニュース映像 このドレス政策でお針子さんたちの作業中
裾部分の複雑な縫込みや貼り付けなどのデコルテは 実際にマヌカンに着せた状態で行われた
この頃から
ココ・シャネルの中では「軽やかさ」と「洗練さ」が
重要な要素になってゆく
「明白な機能性」と「究極の洗練」との融合という矛盾を最低限度に止めて
ファッシンを作り出すことに傾注した
『ドレス』1936年春夏
ベージュのレース
左『イヴニング・ドレス』1930年
コットンのモスリン 白レースのアントル・ドゥ
右『ドレス』1930年春夏
ホワイト・イギリス・レース
『ドレス』1930年
薄い水緑のテュール
『扇』1928年
ベークライト 薄水緑のコットン・オーガンジー
左『イヴニング・ドレス1937年』
黒シルクのレースとテュール シルク・シフォンのモスリン
右『イヴニング・ドレス』1933年春夏
プレープ仕様の黒シルク・モスリン 黒シルク・タフタのレース
(ガラスケースの表面に安泰側の映像が撮りこんでいました)
『イヴニング・ドレス』1937年から38年
シルク・ヴェルヴェット レースのアントル・ドゥ 赤のシルク・タフタとテュール
『イヴニング・ドレス』1938年
黒のシルク・テュール 黒シルク・サテンのリボンのアプリケ
「デッサン画」のオリジナルが5点展示されていた
1937年から38年秋冬コレクションのためのもの
いずれも
「メゾン・シャネル」のハウス・デザイナー『Christien Berard』画
水彩と水墨
ガブリエル(ココ)は更に前に進む
「私たちは夢のドレスを作ることから時始めるの」
「そして それを打ち倒さなければなりません」
「切り取らなければいけない」
「そして引き剥がす」
「決してそれらを加えないこと」
1957年9月3日 『エル』のインタヴュー
この項続きます
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