巻頭写真 : シャンゼリゼ大通りのイリュミネーション
2021年も余すところあと6日
コロナ禍で2度目のクリスマスを迎えました
連載中断中ですが
パリのクリスマスの様子を点描でご紹介しようと思います
11月21日
昨年より1週間早く点灯された『シャン・ゼリゼ大通り』のイルミネーションは
2018年以来同じライティングの使い回し
中央分離帯1車線分の両側が片側4車線+自転車レーン
その車道の両端と左右の歩道の真ん中と計4列の並木に赤いLED
ネオンサインすら規制のあるパリの電飾に「赤」と
最初の年はびっくり仰天したものでした
両側とも歩道自体が4車線分はありそうですがその真ん中の並木だけは電飾が一本置き
気づきにくいところで節約が図られています
お隣の『モンテーニュ大通り』の電飾は昔ながらの「電球の色」で落ち着きます
普通の通りの電飾はこんなもの
今年はイリュミネーションされている通り自体が非常に少なく感じます
とある広場は周りの並木に渋い電飾がつけられていて
まるで金箔を散らしたような美しさがありました
「Rue des Bulles 泡通り」
という通りの名前にちなんで「風船」を飾った変わりダネもあった
ところで
クリスマスといえばツリー
それも今年は例年に比べると飾ってあるケースが見るからに減っています
飾ってあっても規模が小さいような気がするのです
『大統領府エリゼー宮』中庭
ツリーといえば花屋さん
街中の花屋さんは店の前の歩道を最大限使って
時には左右の別のお店や事務所の前も使わせてもらって
大量のツリーを販売しています
しかし昨今は
すでに飾り付けをして販売するタイプの店も以前に増して増えているよう
それらのツリーは
一般家庭は当然のこととして
ホテルのロビーやレストランのエントランス
街中の広場や各種商店の中に飾られる
もちろんツリーは「木」だけではありません
ミニチュアのツリーもあります
ほとんどクリスマスらしい飾りはなく
展示のほんの一部にちょっとしたクリスマスアイテムをそれとなく飾っている
粋なお店もい結構あります
このグレイのサンタさんも粋です
きわめつけは「紙製」のツリー
某高級ブランドです
削った白木の腕を積み木状に組み合わせたツリーも
商店や事務所もデコレーションしてないところも今年は目立ちますが
ツリーだけがデコレーションではないのも当たり前
ここは照明器屋さんですがいかにもなベタな飾りが
と思ったら赤いテントが張ってあって
子供連れが並んでいて
中で衣装を着せてもらって
サンタさんと写真を撮るサービスをやっていた
とあるモールの通路にも「それ用」の椅子があった
後日行ってみたらこんなことになっていたのでありました
この「サンタさんとお写真」は昔からの定番で
かつてはデパートの前のアーケードの歩道に必ずサンタさんがいて
怖がって泣き叫ぶ子供を抱いてもらって写真撮影を頼む親たちがたくさんいました
今ではほとんど見かけなくなってしまった
デパートと言えば
歩道に面したウインドーには機械仕掛けでお人形を動かして
子供たちが群がるのが今も変わらぬ光景です
動画のアップの仕方はややこしいので静止画でご紹介
アルザスの名物「プティ・ボン・ノム」の形の大きな「ボン・ノム」が踊る
小さなパティシエたちが働き回る
元来「クリスマス」はキリスト教にとって最も大切なお祝いの日で
待降節と呼ばれる「イエスが生まれる日まで」の4週間は
何か努力目標を決めて神様に誓い頑張るのです
「コーヒーを断つ」とか「学校から帰ったらまず宿題をすませる」とか
24日のミサが終わると
その努力を祝って家族でご馳走を食べる
そして24時をまたぐ「降誕のミサ」に臨む
20年以上前は12月24日と31日のレストランは通常のメニューはなく
フォワ・グラやらトリュフやら
オマールエビやら鴨やらジビエ(鹿や猪やキジ等の野鳥やら)など
高価な食材を使いシェフが腕によりをかけたコースを設定して
高価な食事を楽しむ家族が多かったものですが
ここ20年ほどは
ほとんどその習慣がなくなり
皆が自宅で過ごすようになってその日は営業しないレストランも多くなった昨今です
そのフランスのクリスマス「Nöel ノエル」を象徴するのが
『Bûche ビュッシュ』というケーキ
暖炉の「マキ」という言葉でそのものズバリなマキの姿形をしていました
近年多くの菓子職人さんたちが創意工夫を凝らして
マキに似せることなく
「円筒形の横長」というだけで素敵なビュッシュを作り始めて
今では田舎のパン屋さんか大型量販店ハイパーにでも行かないと目にしなくなってきた
今の時代の主流は
こんな風にマキには見えなくなってきて
名だたる有名パティシエの店になると
以上4点『アンドレ・ル=ノートル』
以上3点『ピエール・エルメ』
以上2点『ル・パティスリィエ』
以上2点『メゾン・ド・ショコラ』
『パスカル・カフェ Pascal Caffet』のリンゴット型
ブッシュは食事の最後です
肝心のクリスマスディナーはミサの後ですが
場所と教区によって24日のミサが後で夕食にするには遅すぎるような場合は
クリスマス当日
つまり12月25日の夕食をそれに当てる家庭も少なくない
日常には頻繁に食べない「ごちそう」をこの時ばかりはと
ある日のハイパー・マーケット「カルフール」の売り場をお見せしましょう
生カキ24個入りの箱が山積み
茹でたオマールエビや伊勢海老
活けの伊勢海老
スモーク・サーモン
フォワ・グラ
地鶏
オペラ座裏
ヴァンドーム広場
デパート『サマリテーヌ』
デパート『オ・ボンマルシェ」
バザールが出るチュイルリー公園
皆様方どなたにも平和な日常が訪れますように!