行ってみませんか... こんな 素敵な世界へ

好奇心旺盛な長年の体験で、行って、見て、食べて、泊まった素敵な世界を、皆んなにちょっぴりお裾分け...

ポルトガルを食べよう <ポルトガルは 美味しい!>

2020-09-14 00:08:47 | 素晴らしき世界/ポルトガル/グルメ
OVOS MOLES(ウオヴォス・モレシュ)



ポルトガル伝来といえば
火縄銃とカルタと
カステラ

原型は『Pao de Lo』(パン・デ・ロ)という
16世紀には既にできていたそうな

名前の意味は「絹のようなパン」


ポルトガル全域で作られており
地方によって多少異なる

しかし材料はどこも同じ
小麦粉と卵と砂糖だけ
バターなどの油類は一切使わない





北部地方では
素焼きの型にクッキングペーパーを敷いてバターを塗ってタネを入れ
蓋にもペーパーを敷いてバターを塗り
上下から均一に加熱する

焦げ目が均一

イーストも膨らし粉も入れないので
材料の攪拌によって混入された空気だけで膨らむ

従って作る時は必死で掻き混ぜる


家庭で作ったものは
それぞれ手でちぎって食べるそうです




中部以南では
蓋はぜず加熱する
表面は焼けて中は半熟の見切りが難しいらしい


切るとこうなる



スプーンで食べることもあるほど
中はトロトロ


もっと極端なものになると


オヴァール地方のパン・デ・ロともなると
ここまで卵が半熟となる
スプーン無くしては食べられない

これの
どこがパンなんだぁー



ところで
ポルトガルといえば海洋国

従って
魚介の消費量が非常に多い

しかも
誰も彼もエビが大好き

旅行中のある日曜日の昼過ぎ
山岳地の小さな村で昼食の時間になってしまい
レストランがどこにあるやら

聞いてみようにも人っ子一人歩いていない
周りじゅうの家は全部閉まってる

そこに
なにやら匂いが
そこで顔を上に向けて鼻をヒクヒクしてみたら
エビの焼ける匂いがしてきたではないか

その匂いをたどっていくと
無事にレストランにたどり着いた

冗談ではなく実体験です



さて



これは『カタプラーナ』という名の銅鍋

ポルトガル最南端
海に面した『アルガルベ地方』の独特の鍋

通りのお土産やさんの外壁に
何十ものこのカタプラーナが飾ってある

これで
エビを中心に
いろんな魚介を煮るのです

上下が同じ形だが
蓋の取っ手の一つをパチンと上に引っ掛けて密閉固定して
蒸し煮にする

エビだけで作れば「エビのカタプラーナ」
各種の魚介を入れると「海鮮カタプラーナ」
食材によって呼び分けることもあるが
料理名も『カタプラーナ』


中身は



こんな感じだったり



こんなだったり


味のベースは魚貝の旨みですが

土地々々によっては
蟹のミソを入れたり
ヒラメのキモを裏ごしして入れたり

いやはや
旨いのなんのって



他の地方に行くと
カタプラーナ鍋がないこともある

そういう地方では「海鮮煮込み」等という料理名で
土鍋やアルミの鍋のまま出してくる事もあります

例えば




もしくは







ところで
ポルトガルは蛸をたくさん食べます


これは
蛸のリゾット『Arroz de Poulpo(アローシュ・デ・プールポ)』
アローシュがポルトガル語でお米

お米を使った料理をアローシュと言います
ツユダクのおじや風だったり
炊き込み御飯風だったり

北部の「鴨アローシュ」も大変に美味




蛸のロースト

ポルトガルの一部では
クリスマスに欠かせないのが「蛸のロースト」だと聞きました



蛸の炒め


ところで
ポルトガルというとタラ料理が世界的に有名です
何回か前に書いた通り
大航海時代のブラジル帰りに船を空で返したくなくて
南米沖で大量に採れたタラを塩鱈にして祖国へ運んだ

市場で必ず売ってます


アイスランド産と書いてある
塩加減や加工法で値段が違うらしい
キロあたり11ユーロ台から16ユーロ台




一枚60〜80㎝ほどもある
1キロから2キロ以上のものまで


何日間も水につけて完全に塩抜きすると
ぷるぷるの生みたいな状態にまで戻るのです



それを
茹でたり蒸したりして
オリーブオイルたっぷりかける

あるいは


ムニエルに


そこまで戻さずに
途中でほぐして
コロッケにしたりグラタンにしたり
ムサカ風にしたりラザニア風にしたり



これは
ほぐしたタラを
細切りのフライドポテトと玉ねぎとで炒める料理




タラのコロッケ風とピロシキ風



ついでに揚げ物の類のごく一部もご紹介

これらは
なんとお菓子屋さんのショーケースの
お菓子の隣に並んでいるのです







同じショーケースには

  



  


結構素朴な
あえて言えば昔風の
あるいは田舎風の
そんなお菓子がぎっしりと並んでいる



ところで
魚介をウリにしているレストランは
表にその日の仕入れが展示してある事も多い







言葉が通じなくても
指差して「アレ」といえば
一人前づつ料理してくれます



太刀魚は
ふた切れで一人前だった

お魚は
炭火で豪快に焼いてくる
レモンと塩だけで何もいらないほど旨い



ところで中央部よりやや北の海岸に
『ナザレ』という有名な漁師村があり
毎朝イワシを採りに行って帰ってきた船を
おかみさん達と牛とが総出で地引網のように浜に引き上げることが
かつては映画で有名になった

今では有名なリゾートになってしまっているが
未だに漁師たちは「干物」を作っている
なんと海水浴客のいる同じ海岸で









その日は
ハタハタみたいな白身の小型魚が多かった



さてさて
いよいよお菓子と参りましょう

カバーの写真にあるのは
中央部アヴェイロという街の名菓『ウエヴォシュ・モレシュ』
訳して「やわらか卵」


その名の通り
卵黄と砂糖だけで作られる
(ポルトガルのお菓子は卵黄の餡が多用されます)




卵黄のあま〜い餡をカリッカリサックサクの米粉の薄皮でくるむ
あえて言いますならば「卵黄最中」ですな

アヴェイロの修道院で作っていた
このお菓子は
非常に有名ながら普遍的に広がらないのです

日持ちがしないから

1日後には皮が湿気を含んでしんなりしてくるし
3日もすると
卵黄餡は痛み始める

EUが
『原産地保護法』で他所で同名の菓子を作れない保護対象にしています


では
ポルトガルの菓子の揃い踏み



CORNUCOPIA
直訳して「コーン・カップ」
クリームはお約束の卵黄
コーンはトウモロコシではありませんからね
ツノです




卵黄クリームとオレンジソースのクレープ
卵黄のクリーム餡が
オレンジのさっぱりしたシロップと相まって。。




TENTUGAL
コインブラの名菓
たまご春巻き?



TOCiNHO




コインブラ名菓『PASTEL SANTA CLARA 』
サンタ・クララ修道院で作っていた



最後に
スナックで閉めることにしよう



FRANCESINHA(フランセシーニャ)
「フランス女性」

実はこれ
フランスのカフェで気軽に食べるスナック
『Crock Madame(クロックマダム)』
のポルトガル流アレンジなのです

本家はというと
極めてシンプル



薄切りの四角い食パン二枚でハムを挟み
上にチーズを乗せてオーブンで焼くと『クロック・ムッシュー』

その上に
さらに目玉焼きを乗せると『クロック・マダム』


それをポルトガル人がアレンジすれば
間にハムと一緒に「非常に極めて厚切り」のチーズも挟み
甘辛いグレーヴィーソースを
これでもか!
とぶっかける


美味しそうでしょ

ポルトガルの食べ物は
極めて日本人によく合います

美味しくて
しかも
安い!


イザ行かむ! ポルトガルへ

= = = = = = = = = = = = = = = = = =
ご旅行にご興味がおありでしたら以下のサイトも御覧ください
https://veritas21.com  『こんな旅がしてみたい 誰も真似のできない 旅のプランナー』
写真も沢山あります
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ポルトガル 2 エキゾチックで懐かしい 遠くて近い国 <リスボン 2> リスボンを食べよう!

2020-09-02 00:41:00 | 素晴らしき世界/ポルトガル/グルメ
PASTEIS DE BELEM  <ベレム製菓店> の『PASTEL DE NATA(エッグ・タルト)』


リスボンと言えば...
一押しで『エッグタルト』

マカオではエッグタルトが普通に存在していて
その影響か
東南アジア各国にも日常に見ることができますね。

『マカオ』はポルトガルの植民地でした



ジェロニモシュ大修道院のすぐそばに
1831年創業というエッグタルトの「本家」で「元祖」みたいな
エッグタルト発祥(定かではない)の名店があります




『PASTEIS DE BELEM』(ベレム菓子店)という極めてシンプルな店名で
たまたまお店の前に誰もいない写真ですが
ここは営業時間中はいつも大行列で日本の人気ラーメン店もかくや
という感じです






もちろんその場で食べられる「サロン・ド・テ」(ティールーム)あり
結構大きな部屋ですが順番待ちの覚悟を持って訪れましょう



ところで
リスボンで一番「イケてる」食の殿堂をご紹介します

その名も『Time Out Market』といいます


もともとはその地区の市場でした
その建物を大改装して、若手の人気シェフの出店を募り
斬新なフードコートに変身したのです

外観はゲートなどが基本的に変わっていませんが
すっかりお化粧直しが行われて現代的な清潔感があります


  



そして内部は

もともと市場だった頃こうだったのが・・・




今や
こう



しかも
この写真では写しきれないほど広大なのです


内部に入ると、両側の各店舗のブースが並ぶことで
広大な長方形の建物の内側を
お店を見ながら一回り歩けるようになっています





両側のお店はカウンターに座れます

お店とお店の間のこのような長方形の歩ける部分の
さらに内側が
広大な飲食スペースがこんな風に




この写真は
スツール風の高い椅子に囲まれた細長いテーブルですが
普通の椅子に座る8人掛けから10人掛けのテーブルも整然と並び
もちろんどこのお店で買ったものでも
どの場所で食べてもいいわけです

この広いスペースの周りにも
各店舗が並んでいることになりますが



この写真のお店の奥の明るく見えるところが
先ほどのお店とお店の間の歩けるところ
カウンターに座ってるお客様が立ってる料理人のすぐ右に見えますか


お料理はというと
山岳地方の生ハムのサンドイッチ専門店から
フランス料理と見まごう繊細な一品料理
はたまたバーガー屋さんとより取り見取り


例えば
こんなのやら



エビとムール貝のアローシュ(リゾット)


または
こんなのだったり



エビのピルピル(アヒージョ)
はスペインのようにトマトペーストを入れないので
ポルトガル風はソースが白い(黄色ですが)のです


はたまた
このような



タコのサンドウイッチ
長あーいあんよが丸々一本


それから
このように



鱈とイカの天ぷら
糸フリット添え


さらには



これは他人の注文品なので正体不明



極め付けは



フランス料理のごとく繊細な鱈のナージュ(ひたひた)


ポルトガルは、日常的には鱈料理です
南米に進出したポルトガルが
植民地ブラジルに物資を運んだ船が、帰路カラで帰るのはもったいないからと
ブラジル沿岸で大量に採れた鱈を塩漬けにして持ち帰った

それ以後「干鱈」「塩鱈」を戻して食べ続け
国民食になりました
一年間365日鱈料理を続けても同じ料理は出さない
と言われるほどにレパートリーは豊かです


そしてそして
なんと



寿司屋も2軒ありました
左上の看板のお品書きの右端に「IKURA」という字が.....




フランスもそうですが
ヨーロッパ人は「サーモン」のとろりとした脂肪の味が大好き

この写真ではよくわかりませんが
冷蔵ケースの右のほうは「鯛」や「平目」も「すずき」もしっかりありました


ここでは、10〜13ユーロ位でしっかり手をかけた一品が食べられて
しかも
美味しいのです








空いてるお店なら
注文してその場で待ちますが

混んでる店は
注文を受け支払いをすませるとポケベルを渡されます
待つ間に
席を確保しに行けば良いのです

日本でもこのシステムはやっているようですが
便利ですね



2014年に開業以来大好評を収めて
そのまま北米に進出
『Time Out Market』という同じ名前と同じロゴとで
N.Y. やボストンなど5カ所くらいの大都市に展開し

ロンドン出店も決定している
らしいです


とにかく
リスボンに行ったら、なにはせずとも「タイム・アウト・マーケット」に
ぜひ行ってみましょう



では次回をお楽しみに!


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