2015年11月19日木曜日 雨のち曇り。
前日より降り続いていた冷たい雨は夜半過ぎには上がっていた。
雨さえ降らなければ、18日夜に出立できるように準備はしていたが、雨は止まず19日午前4時出発となる。
が、平地では雨が上がっていたものの標高を上げると見事に雨に会い結局合羽着用にあいなった。
久々のキャンプツーリングとなるので、どこに行こうかと考えていたが、結局昨年行った鹿児島の大泊野営場に何となく決めて南下する。
時間的にあまり余裕もなく、兎に角走って写真がないのは、それはそれで今回一生懸命に走った証でもあるだろう。
午前7時過ぎ、ようやく道の駅そよ風パークでトイレ休憩にありついた。
◆道の駅そよ風パークにて。
◆朝食のカロリーメートメイプル味。
三時間少々でここまで来たのだからペースは速いのだが、体力はかなり消耗していいる。
雨具を脱ぐついでにトイレ休憩にした。
装備を脱いでいると、60代くらいの紳士に話しかけられる。
広島ナンバーの乗用車で、ご夫婦2人で車中泊をここでしていたようだった。
奇しくも、私達夫婦も先日長崎で車中泊旅行をしたばかりだったのでなんとなく親近感が湧いた。
最近、歳を取ったせいか、体が動くうちにそれなりの経験、思い出作りがいかに重要であるかを思い知るようになった。
我がKLEとの旅路もそうであるし、我が愛妻との旅路もそうである。
若かりし頃の万能感は今やない。
無いが故に、今出来ることの大事さを思い知るようになった。
が、それが素直にできるか出来ないかは、まぁ、人それぞれだろう。
この後、雨で濡れた国道265号線を更に南下する。
椎葉を抜け険しい山岳路となる。
◆雨で濡れる国道265号とその山並み。
秋の荒しの後とあって、路面には落ち葉が一杯で走り難かった。
予想より大分遅れて人吉、えびのを通過し、霧島に入ったのは12時前だった。
◆また来てしまった黒豚の館。
今回の第一目的地である霧島の黒豚の館。
既に満席で、名前を書いて暫し待つ。
10分ほどでテーブル席に通され、ランチサービスのロースカツ定食を頼んだ。
前回の失敗を反省し、始めからライス大盛りを頼む。
程なくして黄金に輝かんばかりの黒豚とんかつが姿を現した。
さて、いただきます。
脂身が甘く、風味がとても良いお肉で衣のサクサク感と豚肉の風味と柔らかな食感はなんとも言い難い美味さである。
更に、豚汁が冷え切った体を温め解してくれる。
完食までホンの10分程度であるが、この10分の為に遥遥走ってきたのだ。
空腹を満たし、休憩を終え再び南進する。
県道60号から県道2号へ折れ、財部方面に走り広域農道「そうかい道」を経由して国道10号へ。
東九州自動車道の無料区間である末吉財部I.Cから鹿屋串良I.Cまでを走る。
約28kmくらいの無料区間で大変ありがたいく利用させていただいた。
鹿屋市まで来ると目指す佐多岬までは一時間少々で、目的地到着時刻が読める。
錦江湾を右手に望みながら国道269号を南へ。
スーパーで夕食とお酒を購入して本日の宿泊地である大泊野営場に到着したのは午後3時半前だった。
◆大泊野営場にて。
◆今晩の夕食。
◆夜も鹿児島県産豚の焼肉とウインナーをいただいた。
あ、今回持ってきて使おうと思っていたコールマンのフェザーストーブだけど、
どうにもパッキンに苦労して今回は持ってこなかった。
購入前から何となくそうなる予感がしながらも物欲に負けて購入してしまった自分が情けない。
まぁ、その内出動する機会もあるだろうさ。
食事を済ませ、程ほどの酔いでシュラフに潜り込んだ。
兎に角外に居られない程、11月下旬になろうかと言うのに物凄い数の蚊の襲撃にあったからだ。
昨年は、10月下旬にこのキャンプ場を使用したが蚊はまったく居なかった。
この季節であるので蚊対策用品を持ってきていなかったのが、油断してしまった。
こんな晩秋から冬になろうかと言うのにまだ蚊がいるのは、今年の秋が暖かかったせいだろうか。
シュラフの中で目を閉じると、波の音と、ポツポツを雨がフライシートを叩く音が子守唄になった。
夜半過ぎに目覚めテントから出ると、雲ひとつなく瞬く無数の星々で夜空は飾られていた。
海からの風が夕方より強く吹いているせいか、蚊が姿を見せない。
近年活動が活発でなくなったが、しし座流星群の極大日が18日だった。
二つ三つくらいの流れ星を見届けてやろうとオリオン座周辺を夜空を見上げる。
30分くらいで三つ流れ、内一つはかなり輝きの強いものだった。
2015年11月20日金曜日 快晴。
再びシュラフに潜り込み眠り、また目覚めたら5時過ぎだった。
ラジオのスイッチを入れ、NHKにチャンネルを合わせる。
ラジオ深夜便では、作詞家の松本隆さんが自身の半生をお話していた。
暗がりの中、ゆっくり撤収作業をする。
明るくなってくると、再び蚊の猛攻が始まり逃げるようにキャンプ場を後にした。
◆午前6時半過ぎ、キャンプ地を出発。
いつもなら朝食まで済ませて出発するが、そうも行かなかったので道の駅「根占」に一旦停止。
◆薩摩富士と呼ばれる開聞岳を錦江湾から望む。
◆今日の朝食。ゆでたまごとカロリーメイト。
◆アジシオを掛け、開聞岳と静かな錦江湾を眺めながらパクリ。
朝食を済ませると、一路北上開始。
ルートは昨年同様志布志から都井岬、日南海岸を北上する。
雲ひとつない快晴で、国道448号海岸沿いの日南フェニックスロードはもう素晴らしいの一言だった。
◆道の駅「なんごう」にて。
◆マンゴーソフトで一休み。
今年も道の駅「なんごう」へ立ち寄り、マンゴーソフトを戴いた。
因みに、JAF会員特典の割引対象がソフトからアイスに変更されていた。
カチカチに凍ったアイスを食べる時間的余裕はないのでソフトにしたが、
昨年はバニラミックスを食べたのでマンゴー単体を食したが、こちらの方が正解だった。
この後、日南市を抜け国道220号を北上。
再び素晴らしいシーサイドロードを堪能しつつ宮崎市へ。
今回は一ッ葉有料道路を使うが、南線と北線と分かれておりそれぞれ自動二輪150円の通行料金が掛かる。
どうして繋げられないのかは色々あるのだろうけど面倒であり利便性を欠く有料道路だが、
それでも宮崎市街地を一気に抜けることができるので時間短縮には有効だった。
国道10号線へ出ると暫くはひたすら北上するのみで、今日の目的地である延岡の「おぐら」に到着したのは午後1時半過ぎだった。
◆チキン南蛮で知られる「おぐら」旭ヶ丘店の駐車場にて。裏からの写真ですみません。
◆ダブル南蛮とランチサービスのアイスコーヒーを追加オーダー。
さて、ムネ肉モモ肉両方楽しみたい欲張りな私に打って付けのダブル南蛮を注文。
ランチタイムサービスでコーヒーが100円で追加できるのでアイスコーヒーを頼んだ。
写真のワンプレートと、平皿にライスというセットで、汁物が付いていない。
パッと見、少ないかな?と思ったが食べるとなかなかのボリュームでお腹いっぱいになった。
チキン南蛮の、あの味の鶏肉と濃厚なタルタルソースは食べ応え十分なので欲張らない方が吉のようだ。
これで、今回のツーリングの目的の一つであるチキン南蛮も食した。
もう、この後は一目散に帰るのみである。
店を出ると、日本一周中とホムセン箱に書いて貼ってあるホンダ車が駐車しているのに目が行った。
日本一周中と記している旅人を時々見かける。
私も、恥ずかしながらそんなのを書いた旗を荷に括りつけて挑戦したことがある。
今となっては若気の至りと恥じ入るばかりだ。
まぁ、しかし、ツーリングの記録をこうして記している行為もまた似たようなものかもしれない。
今、ふと、絶対矛盾的自己同一という言葉を思い出した。
酔っ払ったオッサンが、難しい言葉をこねくり回したところで、自己の行為の正当性は見出せない。
満腹でKLEに跨り難くなった。なんと幸せなことか。
国道10号線をこのまま北上後、国道326号へ。
国道10号線より入ったばかりで直ぐに対向車からパッシングでアレの合図を貰う。
一キロほど走ったところで露店が開いていた。
常日頃より安全運転の私には用事がないようで客引きには会わなかった。
国道502号へ至り、道の駅「きよかわ」でトイレ休憩。
バイクへ戻ると、私のKLEをマジマジを眺める初老の男性が話しかけてきた。
よくある「どこから来て、どこへ行くのか」を聞かれる。
ザックリとお話すると、「じゃぁ日田を抜けて嘉麻峠を越えて帰るの」かと、なんとこれから走ろうと思っているルートを的確に言い当てた。
下道でまだ200km以上も離れた他県のルートや峠名をパッと言える辺り、職業運転手さんか自分らのようなツーリストか、はたまた同郷人か。
へぇと感心しつつ丁寧にあいさつをして道の駅「きよかわ」を後にする。
もう、ここからはノンストップで走り続け、帰宅したのは午後6時半。
熱い湯船に浸かった時の「今、俺は生きている」という実感を、楽しむのである。
・今回の走行距離 1,014.8km
・今回の旅費 9,744円