前回のキャンプツーリングで大雨に打たれたテント。
帰宅して陰干ししているとシームテープが完全に剥離している箇所があった。
長年使用しているテントである。
経年劣化と先の大雨のせいでシームテープが剥げてしまったのだろう。
シームテープとは縫い目に貼って、縫い目の防水効果を狙うポリウレタン製のテープである。
どんなに防水圧の高い素材の生地であろうが、縫製してあれば、その縫い目から水は漏れてくる。それを防ぐのが役目のテープがベロリと剥げているのだから心穏やかではない。
◆劣化して剥がれたシームテープ。
仕方なくキャプテンスタッグのシームレステープなるものを購入した。
購入の決め手は20mで1500円前後、全国どこでも容易に入手できるからである。ただし幅が20mmと若干狭い。剥がれたシームテープの幅を計ると約22mm程であった。小川テントのシームテープは幅25mmと広く、作業性耐久性も評判が良いらしいが、2000円近くし長さが10mと短くて高い。
◆比較的安価で容易に入手でき十分な効果を得られるが、これが二個三個と必要な補修なら新しいテントを買った方がと思ってしまう。
正直、安いワンマンテントなら5000円も出せば十分使用に耐える立派な品物も今は容易に入手できる時代だ。こんなテープを二個三個と買ってのテント修理は、正直そのテントに愛が無ければとてもお勧めできるものではない。しかも、実際にシームテープを剥がして、新たに貼り付けるという作業はとんでもなく面倒で時間が掛かる。楽しいのは始めの一箇所程度だろう。貼り替えるとなれば、全箇所の補修となる。しかも、コンパクトツーリングテントといっても部屋に広げるとかなりデカイ。これを屋内で作業するのは大変で、ファミリーテントくらいの大きさだと足の踏み場もないだろう。
というわけで、購入したシームレステープの貼り付け作業に。
剥げてしまったテープを除去し、縫い目周辺のゴミなどを綺麗に取り除く。
そして、縫い目に沿ってテープを配置し、上にハンカチで当て布(これ重要!)をしてから、アイロン(温度設定は低)を当てて接着させていく。
一度に接着できる長さはアイロン面くらいと考えて良い。つまり、長くて20cm程度。これを何度も繰り返す作業となる。初めは綺麗に貼れた喜びで楽しいものだったが、直ぐに苦痛に変わる。
私の愛用しているテントは既に販売されていないコールマンのコンパクトツーリングテントDXというもので、発売当初は暫くキャンプ場で見たものだった。STとDXとあり、違いはFRPのポールかジュラルミンのポールかの違いで、総重量がそれにより大きく異なった。私のDXはジュラルミンポールで、カタログ値では2.9kgとこの価格帯(購入価格は確か1万8000円しなかった)では満足の軽さであり、仕舞い寸法も42cm×15cmと、これまた満足のコンパクトさである。ただし、出入り口が一箇所と今の前後二箇所と異なり、そのことから通気性が悪く夏場は暑いという短所もある。現在、同社の製品で同じようなテントとなるとツーリングテントSTとなるのだろうか。1万5000円前後という手ごろな価格であるが、仕舞い寸法54cm×23cm、重量4.4kgと大きく重い。正直、買い替えを考えた時にこのSTなるものは選ばないだろう。そういった関係で、シームテープが剥がれた位で手放す訳は無く、この愛着がありそれなりに軽量コンパクトなテントの補修をする理由となるのだ。
長くなったが、ただ古いのを剥がして、新しいのを貼るだけである。
熱で接着面が融けて張り付くが、綺麗な透明になってくっつけばOKだ。
薄いので重ね貼りもでき、不安な箇所はずらして幅を持たせ二重にしたりして補修した。
◆透明になっている箇所がアイロンで押さえ接着させた部分である。このように少しずつ作業を進めて行く。大きなテントだと大変だろう・・・。
どうせ一度剥がており、補修しなければ雨漏りがして使い物にならないのだ。
少々不細工に貼ってしまっても雨漏りしなければ問題ないし、しかもテント裏側の加工である。外から見えないのだから安心してよい。
リビングにフライを広げて、家族に手伝ってもらいながらの作業を約3時間。
ようやく終わって呑んだビールは旨かった。
これでまた当分は、このテントと共に旅を続けることになる。