「イージー・ライダー」 1969年・米国・監督デニス・ホッパー
ハーレーダビッドソンとステッペンウルフの「ワイルドで行こう」が印象的なアメリカン・ニューシネマの代表作の一つと言われている作品。
こちらも未鑑賞ですとは言い難いが、女性は結構観てないみたい。
で、「バイク好き、バイク乗りならお好きなんでしょう?」と言われるが、私はそんなに好きじゃない。
初見は高校生だったが、あのハーレーもカッコいいと思わなかったし、二人の旅とその道中の出来事が、特別面白いとも思わなかった。
ハーレーがカッコいいかどうかと感じるのは各個人の感性と趣向なのでどうでも良いことだが、面白いと感じるかどうかはネットも何もない時代の日本の田舎に住む高校生じゃ無理だった。
周辺で評価していた当時の大人や学友なども、きっと雰囲気だけでカッコいいとか自由ガーーーとか言っていただけの気がする。
当時の映画雑誌なんかの解説や評論の受け売りとかね。
で、何十年ぶりにじっくりゆっくり鑑賞すると、面白いことが分かった。
ハーレーはやっぱりカッコいいとは思えないがw。
あのワイアット・アープとビリー・ザ・キッドから拝借しただろう名前の主人公二人が、馬ではなくバイクにまたがって60年代のアメリカを走る。
ここがミソで、そこら辺の知識や認識がないとどうしてあの結末に至るのかが分からない。
日本で例えると、見知らぬ田舎道を走っていると軽トラに乗った農家のおっちゃん二人が急に煽ってきて!ってなるが、ありえないでしょ!?
そのありえない事が、どうしてあの時代のアメリカでは“さもありなん”となるのか。
無知な田舎暮らしの日本の高校生が分かるはずもなく、見た目や楽曲のカッコよさ、周囲の評価で分かった風になっていただけだった。
未鑑賞なら後学のためとかで鑑賞しておくと、この時代前後のアメリカ映画の理解度が多少増すかもしれない。