3月11日(金)午後発生した東北関東大震災(東北地方太平洋沖地震)。
地震と津波の目を覆うような惨状に、テレビの前に釘付けです。
各地の被災地の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
また、自らが被災者でありながら、現場で格闘している皆様に、心より敬意を表します。
精神保健福祉関連施設での被災状況も、徐々に明らかになっています。
ここでは、今までに得られた、各地の被災状況情報をまとめてみました。
すべて、個人の名前で、被災地各地から発信されているものです。
情報伝達のための転載は許可されているようなので、僕なりに集約させて頂きました。
日本精神保健福祉士協会では、3月11日「東北地方太平洋沖地震災害対策本部」
(災害対策本部)を設置しています。
災害支援ガイドラインに則り、今後、支援活動を展開して行くことになります。
各地の被災情報等を収集し、関係者に情報提供するために、情報をお寄せ下さい。
PSW協会災害対策本部→ japsw2004@yahoo.co.jp
なお、今回の被災状況の情報は、以下のメーリングリストに寄るものです。
精神保健従事者団体懇談会(精従懇)のML
全国自治体病院協議会のML
社団法人日本精神保健福祉士協会・事務局設定のML
独立行政法人国立病院機構のML
地域精神保健福祉機構(コンボ)リカバリーフォーラムのML
雑誌「精神医療」編集委員会のML
※あくまでも個人ブログとして編集していることを、ご了解下さい。
※画像は、差し替えました。
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東日本大震災(東北関東大震災)各地の被災状況
【青森県】
●青森県県南(八戸、十和田地区)の状況
地震発生の11日、ライフラインは、全県でほとんどの部分で水道・ガスは使用可。
携帯電話、固定電話については全く使用できない状況。
現時点でも、携帯電話は電波があってもほとんど利用できない。
施設や病院関係は施設に職員が泊まり込んだいる。
発電機や必要物品を、各自で調達して対応している。
電気は、13日の昼の時点で、県南地方はほとんど復旧。
ただし、電気の復旧に時間がかかったため、情報は主にラジオやカーナビのTV。
現地で得る画像を通しての情報は、つい先ほどなので、詳細は他県のTV等を見れる環境の方のほうがよくご存じだろう。
県南では特に被害がひどかったのは八戸地区の海側で、一部津波の被害があり。
2階まで飲み込まれている個所もあります。
海側は避難勧告、指示が今も出ている。
高いところで5M越えの津波が来たものと思われる。
八戸地区でも海側でない所は、比較的落ち着いた生活ができている様子。
全体的に横揺れの地震であったため、建物への損害はあまり見られず。
室内も棚ごと倒れることはなく、本が散乱したり家具等の位置がずれるくらい。
怪我等の人的な被害もほぼみられません。
道路についても、大きなひび割れは見られず。
スーパーでの食材等の駆け込み需要、今後供給がないことを予測してのガソリンの確保でスタンドに長蛇の列ができている。
今のところ、ライフラインが復旧していること、食糧も数日分であれば何とかなりそうですので特に大きな混乱はない。
県内のPSWらと連絡を取ろうとしているが、メールは返信なし、電話は不通。
【岩手県】
●岩手県内の状況
盛岡では、12日昼前に電気が通った。
沿岸部は、未曾有の災害で、町が消えている。
内陸部は、大きな被害はなさそう。
県の沿岸北側は、人災被害は少ないとの報道だが、実情は把握できず。
現地にはガソリン確保も出来ないことと、交通規制があり動けないのが実情。
●国立病院機構花巻病院
13日夜半から 病院本体のみ電力会社からの電力供給を再開(宿舎等は未だ)。
電話・携帯も、あまり通じないため、全体の把握が困難。
高速道路・飛行場ともに救助優先になっており一般市民の使用は許可されていない。
新幹線も今のところ復旧のきざしはなし。
スタッフの一部は、実家や親が連絡つかず、津波にあったか安否もわからず勤務。
救助に行こうにも、道路や橋が分断され行けない状況。
震度2~3くらいの余震が持続しているが、一時よりは軽減。
●岩手中央病院
静岡のDMAT(災害時派遣医療チーム)は数日中に引き上げ、第二陣の派遣予定はなし。
津波被害は、被災者を健在か死かに二分するため、外科系の救援部隊の出番は少ない。
情報が欠如していて、任務の目標が定められないというのが実情のよう。
●岩手県立南光病院
一関市、岩手県内陸と宮城県内陸の県境の岩手側の都市、盛岡と仙台の中間に所在。
南光病院自体は大きな被害はない。
薬剤なども、なんとかなっている。
今現在は、やはり身体科救急の需要が大きく、精神はそれほどでもない。
岩手県自体が全県で停電のため、盛岡の県庁と連絡が取れない。
そのため他の地域の状況が、全く不明。
県庁からの指示なども詳細不明。
沿岸部がひどい状況ということだが、詳細はわからない。
岩手県沿岸部の精神医療は民間病院が担っていた部分が大きいが、それら
の病院の状況もつかめていない。
●久慈享和病院
久慈市市内にあるが、現状把握出来ていない。
●宮古山口病院
宮古市内の被害は甚大。
山手の方に建っており、大丈夫か?詳細不明。
●三陸病院
宮古市内、千徳駅近く。
海から少し離れており、大丈夫か?詳細不明。
●釜石厚生病院
釜石市。
被害状況は、不明。
●県立大船渡病院
大船渡市内は津波被害が甚大。
病院は高台の施設になっており、建物は大丈夫かと思われる。
●希望ヶ丘病院
陸前高田市内は津波被害は甚大。
高台で、指定の避難場所になっており、大丈夫か?
【宮城県】
●宮城県立精神医療センター
病院は津波の直接の被害はうけなかった。
3つの病棟が出水(水道管破裂?)で使用できず。
入院患者と職員は体育館に避難している。
ライフラインが遮断され、水や食料が13日分で底をつく。
出張していたスタッフが、山形空港から現地入りすることを考えが、そこから仙台に入れる保証がないため、航空会社から止められた。
●国立病院機構仙台医療センター
仙台医療センターは、県内1か所の基幹災害医療センター。
全国から災害時派遣医療チーム(DMAT)が続々と到着している。
職員が一度帰宅したところ、家の中の家具は全壊状態。
病院はライフラインが確保されているので、家にいるよりはいい。
●南浜中央病院
屋上に「SOS」と書いて救助を求めている映像が、流れている。
被害状況、詳細不明。
●東北福祉大学せんだんホスピタル
14日、はじめて電気が復旧した。
水とガスが止まったままで、診療を継続。
寒さと食料・ガソリン不足が深刻。
自宅は使えない状態になっている。
【秋田県】
●秋田県の状況
11日の午後の大きな揺れに続いて、広域で停電や断水が起こった。
13日の夕方にはかなりの地域で回復している。
携帯電話や一部の電話も使えない状況が続いており、メールの確認やこちらからの連絡は連絡できない状態でした。
鉄道は運転されていない。
病院では、自家発電の燃料が足りなくなったりしている。
総合病院の一部では、断水の影響で診療制限したり、人工透析が必要な患者さんを転院させたりしている。
【山形県】
●山形県内の状況
ガソリンスタンドに長蛇の列。
「売るガソリンがもうない」とスタンド店員。
公共交通機関もほぼ不通。
停電が復旧して開店はしたものの、スーパーにもコンビニにも空っぽの棚ばかり。
食材が枯渇し始めている。
とりわけ缶詰やカップラーメン等は皆無。
今後の推移によっては、一般市民の日常生活の困窮が予測される。
【福島県】
●新田目病院
いわき市内。
大きな揺れがあったが、病院の被害は少なく、アスファルトに亀裂入った程度。
我が家も津波などに巻き込まれることはなく
水道は止まっているが、他のライフラインは無事。
●福島学院大学
福島市。
駅前キャンパスから、学生の安否確認をメール等で行っている。
学院のホームページで随時速報を出している。
ドコモとソフトバンクの携帯を持つ学生からは返信があるが、半数以上のauの学生などからはまだ連絡待ち。
宮代キャンパス本館が倒壊したが、夜8時頃無事救出された。
相馬や名取地域からの学生、岩手の実家に戻っている学生などおり、心配。
●あさかホスピタル
郡山市。
病院で被災状況は、一部断水、水漏れなどがあるが無事。
患者の一部は、安全な場所や、ライフラインが確保されている病棟へ移動。
郡山や須賀川の南地区は4号線など主要道路は問題なく、流れている。
地域によっては道路の遮断や液状化、家や建物、壁の倒壊や屋根瓦が落ちるなど被害が多数でている。
郡山市内は、数多くの場所で市水断水が続いており、給水車なども出ている。
特に透析も必要とする患者は、断水の復旧の見通しと施設の水確保などの問題もあり、透析治療の再開の見通しが立っていない医療機関も少なくない状況がある。
●三春病院
三春町。
三春病院自体は建物被害はなく、水道・電気・空調も稼働中。
外来・入院患者も、地震でのけが人はでていない。
星総合病院からの患者を受け入れており、病床稼働率を200%を超えている状況。
●福島市内の状況
福島市内は、時々塀が崩れているところや陥没した道路あり。
信号機がついてなかったり、ガソリンスタンドに並ぶ車の列で、道路が混雑状況。
国道4号バイパスで土砂崩れがあったため、南に移動する車は渋滞。
福島駅周辺地区などは停電になったが、一部復旧されている。
水道の復旧はまだなので、当面はトイレと入浴が問題。
スーパーマーケットやコンビニでの買い物は、十分ではないができている。
停電のグループホームでは、指定された避難場所で職員と共に夜を過ごしたところも。
避難場所には、毛布や飲水、おにぎり、新聞などが支給されていた。
ぐったりと横になっている方も。
テレビやラジオで地震情報が流れていて、緊迫した状況ではない。
固定電話は復旧、携帯も時々通じることがある。
いまだに断続的に続く揺れがある。
グループホームには県保健所から被災状況の確認があり、民生委員の訪問もあり。
グループホームのメンバーは、不眠がちだが、自主的に支所に給水に出かけている。
●小高赤坂病院
福島県南相馬市。
福島第一原発から20キロ圏内にある関係で、避難指示が出た。
「どこに避難すればいいのか全く指示がない。100人の入院患者さんをどう移動させればいいのだろうか」と困惑。
●福島県立矢吹病院
全入院院患者・全職員の無事を確認。
建物の被害も一部病室での水漏れ(水道管の断裂?)程度で済んだ。
町中の状況と比べれば、驚くほど被害が少なくて済んだ。
ライフラインについては、水・電気・電話(一部)はOK。
ガスが使えないため調理ができず、入院患者には非常食の提供で何とかしのいでいる状況。職員の自宅の被害の方が甚大で、特に夜勤の人員確保が困難。
病院近くに居住する職員が、協力してくれている。
【新潟県】
●新潟県の状況
12日の震度6弱の地震による影響は、現段階では見られない。
新潟県PSW協会ネットワークを通じて、概ね状況確認が完了。
震源地に一番近い十日町(長野との県境)エリアでは、現地の精神保健福祉士や相談支援専門員によって、必要な安否状況確認がなされていた。
支援必要なし、今のところ県内対応で乗りきれると考えているので、大丈夫。
【茨城県】
●茨城県立友部病院
13日現在、ガス管使えず、電気は自家発電。
●茨城県立中央病院
建物被害あり、14(月)の外来は休診。
ひたちなか地区(勝田から東;太平洋方向、北;東海村 南;大洗、鉾田)も、ライフライン全滅。
訪問活動をしている人たちは、ガソリン補給に苦労している。
【栃木県】
●栃木県の状況
県内の全容はつかめていない。
茨城県と隣接する益子町の精神科病院の建物の一部に亀裂が入り病棟使用を制限。
それ以外に、精神保健福祉関係施設での大きな被害は今のところない様子。
通信障害が続き、メールも同様で十分な確認が行えていない。
栃木は県東地域、茨城県に近い地域の揺れが激しく一時50万世帯が停電した。
13日は7万世帯に減ったが、断水世帯は相当ある様子。
建物への被害は少なかったようだが、民家の石塀が崩れたり室内の散乱が激しい。
県都・宇都宮市では、市内での停電がほぼ解消。
ガソリンスタンドに給油のため並んでいる車や買い置き目的の車で日中道路は渋滞。
【長野県】
●長野県の状況
12日午前3時59分、長野県北部に震度6.7の地震あり。
負傷者は軽症者10名と報道されている。
但し、家屋の倒壊が激しく、7避難所に村民が避難。
栄村は豪雪地帯で、今でも雪に覆われており、道路も分断されている。
県PSW協会で状況確認をおこなっているが、未だ状況は不明。