PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

退院・地域移行支援の夜間講座

2009年11月27日 02時08分25秒 | 専門職大学院

今日(もう昨日ですが)は夜、都心のキャンパスで夜間講座でした。
講座のタイトルは「退院・地域移行ソーシャルワーク」。
今日が最終回でした。

授業は2コマ連続で、夜6時半から9時40分まで。
リアクションペーパー書いてもらって、個別の質問に答えていたりすると、夜10時を回ります。
夕飯抜きで移動しての講義なので、さすがに疲れます。

でも、受講生は真剣に耳を傾けてくれています。
疲れて寝ている人がいてもおかしくないのに、しっかりメモしています。
テーマがテーマだけに、話す側も熱を帯びてきます。

この授業は公開講座にもなっているので、外部の人も受講しています。
病院や地域の機関のPSWやMSW、役所のCWやPHN、家族の立場の方…、色々です。
精神保健福祉は門外漢という人も、うなずきながら、聞いてくれています。

なので、こちらも手抜きできません。
先週も今週も、毎回70枚くらいのパワポスライドを用意して臨みました。
おかげで、昨夜も寝たのは未明3時半です。(∋_∈)

昨年もやった講座なので、ベースになるパワポはあるんですけどね。
他の講演で使ったパワポや、最近の資料なども盛り込んで。
結局、全面リニューアルになります。

今日は、30分だけ、ゲストスピーカーをお願いしました。
僕より職業歴の長い、いつも静岡から通って来ている専門職大学院生です。
自らの経験をもとに、病院と地域の両面から、とても説得力のある現場レポートをしてくれました。

僕の話しも、意図的に病院における実践と、地域の取り組みを対比して示しました。
病院での「退院促進」と、地域での「移行支援」の間には、様々な課題が浮かび上がってきます。
患者さん個人の能力や障害をあげつらうのではなく、環境からのアプローチが重要になります。

この事業について語る時、やはり病院と地域の「連携」ということが中心テーマになります。
両者を隔てる見えない壁は、未だに厚く高く…。
この国の精神保健福祉の暗部を、まざまざと見せつけられる感があります。

果たして、この国で、脱施設化は本当に可能なのでしょうか?
そのために、現場のPSWは、まず何をしていかなければならないのでしょうか?
重い現実と課題を、改めて受講生たちと再確認した夜間講座でした。


10時に授業を終えてから、駅前の居酒屋で、ささやかな打ち上げを行いました。
講義を通しての様々な想いを、一人ひとり語ってもらいました。
自分なりに、今の立場でやっていけることを発信していこうという想いを強くした夜でした。




※画像は、秋色に包まれたキャンパスの中庭。
相変わらず、授業時間中は学生の姿をほとんど見ることがない、不思議なキャンパスです。