PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

日本精神保健福祉士協会全国大会で「社会的入院を考える」

2021年08月15日 11時38分23秒 | イベント告知

日本精神保健福祉士協会相談役の古屋です。

昨年延期になった「第56回全国大会・第20回学術集会」が開催されます。

但し、厳しいコロナの蔓延状況もあり、やむなく全面オンライン大会となりました。

 

直接、札幌に行けないのは残念ですが、全国から気軽に参加が可能となりました。

対面参集では、同一時間帯に一つの企画・分科会にしか参加できませんが。

オンライン大会では、選択したプログラムのリアルタイム配信だけでなく、

すべてのプレ企画・分科会の視聴が、後日オンデマンドで可能になりました。

ここまで準備してくださっている、北海道の皆さんのご努力に感謝いたします。

 

今回、大会前日(9月9日)の「プレ企画」で、シンポジウムを開催します。

「当事者の声から社会的入院を考える」ために、精神国賠原告の伊藤さんが登場です。

サブタイトルは「いま精神保健福祉士にできること」としました。

専門職を名乗る精神保健福祉士に問われていることに、焦点を当てたいと思います。

社会的入院を、患者・弁護士・ソーシャルワーカーの立場から、皆で考えます。

多くの精神保健福祉士の方に参集いただき、一緒に考えてほしいと願っています。

 

シンポジスト・司会・開催趣旨、事前参加方法等の概要は、下記をご覧ください。

当日、パソコンもしくはスマホの画面上でお目にかかりましょう。

炎暑酷暑とコロナの爆発的な蔓延が続きますが、くれぐれもご自愛ください。

イベントの告知がてら、残暑のお見舞いとさせていただきます。

 

日本精神保健福祉士協会第56回全国大会・第20回学術集会(北海道大会)

■プレ企画8

当事者の声から社会的入院を考える~いま精神保健福祉士ができること

2021年9月9日(木)15:00~17:00(120分)ライブ配信

その後オンデマンド配信 10月11日まで

 

【シンポジスト】

古屋 龍太(東京・日本社会事業大学)

伊藤 時男(群馬・当事者)

東谷 幸政(長野・精神医療人権センター)

長谷川敬祐(東京・弁護士)

門屋 充郎(北海道・十勝障がい者支援センター)

【司会】

松本真由美(北海道・日本医療大学)

 

【趣旨】

私たち精神保健福祉士は、「社会的入院の解消」を使命として国家資格化されました。以来四半世紀が経ちますが、未だに精神科病院には多くの長期社会的入院者が存在し、高齢化した死亡退院者が増えています。世界でも特異な日本の状態を、どのように考えれば良いのでしょうか。

今回のプレ企画でお話しいただく当事者は、伊藤時男さん(70歳)です。入院期間は累計45年に及び、東日本大震災による福島第一原発事故を契機に、避難先の病院から退院したサバイバーです。これまでにドキュメンタリー番組等でも、長期社会的入院の経験者として取り上げられています(伊藤さんの細かな入退院経過については、『精神保健福祉』通巻125号92~94頁の報告をご覧下さい)。

伊藤さんは「これ以上自分のような人が生み出されてはいけない」「長期入院してる人たちが退院できるようになって欲しい」という思いで、精神医療国家賠償請求訴訟の原告に立つことを決意しました。退院を許されないまま無念を抱えて自死していった仲間たちの存在が、今も伊藤さんの背中を押しています。

今回の裁判は、長期社会的入院者を容易に生む構造を長年にわたって放置し、実効ある政策転換・法改正・予算措置を取らなかった国の不作為責任を問うものです。2021年3月から始まった裁判で、被告国は原告側の訴える内容について、「不知」もしくは「否認」を表明し、請求棄却を求めて全面的に争う姿勢を示しました。

しかし、今回の裁判で問われているのは国だけではありません。全国組織として「精神障害者の社会的復権」を掲げてきた精神保健福祉士自身も問われています。精神保健福祉士はそれぞれの現場で試行錯誤しながら、退院促進・地域移行支援に取り組んできました。一方で、諸外国にはない日本の現行の法制度を追認し、その担い手として「仕方がない」と諦めてしまってはいないでしょうか。日本の精神医療を本気で変えようと裁判に立った当事者たちに、精神保健福祉士はどのように応えていけるのでしょうか。

退院・地域移行支援を主要な業務として担ってきた精神保健福祉士の存在意義が、いま問われています。「不知」もしくは「否認」で済ますことはできません。

長期社会的入院を経験した伊藤さんの訴えをもとに、長年にわたる国策上の不作為責任を問う裁判の争点を踏まえて、私たち精神保健福祉士が果たすべき責任と使命を、参加者とともに考え共有できればと願っています。

 

■事前登録・参加申込が必要(当日参加は不可)

早割締切:2021年08月22日(日)まで

通常締切:2021年09月05日(日)まで

WEBの申込フォームから送信もしくはFAX申込書を東武トップツアーズ札幌支店へ送信

 

■参加費

○プレ企画のみ参加の場合:

構成員・非構成員ともに2,000円(学生は1,000円)

○プレ企画+全国大会参加の場合:

構成員は早割で8,000円、通常で10,000円

非構成員は早割で11,000円、通常で13,000円

 

■詳しいプログラム・申し込み方法等は、ホームページをご覧ください。

⇒ 第56回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第20回日本精神保健福祉士学会学術集会WEBサイト (jamhsw.or.jp)