作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

作文検定を受けてみよう ~7級~

2005-02-11 | 作文
 小学校6年生の人は7級に挑戦してみましょう。具体的なエピソードをもとに、テーマについて大きく考えてまとめていきます。

<第一段落>
 簡単な説明。「私の長所短所」なら、まず、自分の長所と短所について説明します。長所は意外と書きにくいものですが、「私の長所は、明るいところだとよく言われる。」というように他人から言われたことを思い出すといいでしょう。

<第二段落>
 自分の長所と短所があらわれた、実際の出来事を書いていきます。そそっかしくて、いつも忘れ物ばかりしている、一つのことに夢中になると時が経つのも忘れてしまうなどといった話です。

<第三段落>
 家族の長所や短所について、尊敬する人の長所についてなど、別の話を書きます。
 または、第二段落で長所をあらわすエピソード、第三段落で短所をあらわすエピソードを書くという構成でもいいです。

<第四段落>
 長所短所について、「人間」というキーワードを使ってまとめます。「人間にとって、長所と短所はいつも裏表の関係なのだと思う。」など。

 常体で書くことと段落をかえることを忘れずに。字数の目標は1200字です。

●一般化の主題

 出来事などの感想を書くだけでなく、課題となっているテーマについて大きく考えてまとめます。「人間にとって」「日本人にとって」などという言葉を使って書いてみましょう。

 【例】「人間にとって家族とは、どんなときでも心の支えとなる存在だ。」
    「人間にとって読書とは、人生を何倍にも広げてくれるものだ。」

 日本語作文小論文検定協会の勉強の仕方のページも参考にしてください。

作文検定を受けてみよう ~8級~

2005-02-11 | 作文
 小学校5年生の人は8級に挑戦してみましょう。題名は「私の友達」、「私の長所短所」などさまざまですが、それほど書きにくいテーマではありません。次のような順番で書いていくと書きやすいでしょう。
 また、段落を考えながら作文を書いていく必要があります。段落変えの練習は、最初は内容に関係なく、句点三つで段落を変えるという練習をしていくとよいでしょう。慣れてくると、意味の変わるところで自然に段落を変えられるようになります。

<第一段落>
 簡単な説明。「私の友達」なら、仲のいい友達について名前や性格、仲良くなったきっかけなどについて紹介します。

<第二段落>
 実際に出来事を書いていきます。できればおもしろいエピソードを書きましょう。「私の友達」なら、その友達と一緒に遊んだこと、けんかしたことなどについてたとえを使いながら書いてみましょう。

<第三段落>
 もう一つ別のエピソードを書きます。別の友達についての話でも構いません。また、おうちの人に聞いた話があればそれを書いてもいいです。

<第四段落>
 友達についてわかったことを書いてまとめます。「友達とは……ものだとわかった。」という形です。

 字数の目標は1000字です。

●わかったこと
 
 出来事などの感想だけで終わらせずに、課題となっているテーマについて学んだことを「わかった」という言葉を使ってまとめます。
 【例】「何事も見た目だけで判断してはいけないとわかった。」
    「自分が正しいと思ったことは、はっきりと主張することが大切だとわかった。」

 日本語作文小論文検定協会の、勉強の仕方のページも参考にしてください。

作文検定を受けてみよう ~9級・10級~

2005-02-11 | 作文
 小学校3年生の人は10級に、4年生の人は9級に挑戦してみましょう。字数の目標は、600字と800字です。学年の200倍が目標の字数になります。目標の字数に届かなくても受検する級に合格できないというわけではありませんが、作文の自動採点ソフト「森リン」の採点は字数が多い方が有利です。その「森リン」の採点で基準の点数に届かないと合格できませんから、なるべく目標字数は書くようにしましょう。
 また、会話のカギかっことたとえ(まるで)と思ったことを作文の中に盛り込むのを忘れないようにしましょう。

●たとえ

 「まるで~みたい」「まるで~よう」という言葉を使って、たとえを入れます。

 <たとえのない文>
  「ウサギは真っ白でした。」
 <たとえのある文>
  「ウサギはまるで雪のように真っ白でした。」

 <たとえのない文>
  「○○先生はおこると、とてもこわいです。」
 <たとえのある文>
  「○○先生はおこると、とてもこわくてまるで鬼のようです。」

 作文検定の各級の概要は、日本語作文小論文検定協会の、各級の概要をご覧ください。

作文検定を受けてみよう ~11級・12級~

2005-02-11 | 作文
 作文を書くことに少しでも自信を持てたら、日本語作文小論文検定協会の作文検定試験を受けてみましょう。(現在個人受験の受け付けはしていませんが、塾などを通せば1人でも受検することができます。)

 小学校1年生相当の12級と小学校2年生相当の11級は、自由な題名で作文を書きます。会話のカギかっこと思ったことを書いて、12級では200字、11級では400字が目標となります。(この字数が書けなければ合格できないというわけではありません。)

 小学校2年生までは自由な題名と決まっているので、あらかじめ書くことを決めておくといいですね。あとは、カギかっこを使って、だれかがお話ししたことを書くことと「思う」という言葉を使って自分の気持ちを書くことを忘れずに。そうすれば合格できるはずです。

●会話

 誰かとお話ししたことを思い出して、カギかっこを使って書きます。

 <会話のない文>
  「私は先生にあいさつをしました。」
 <会話のある文>
  「私は先生に、「おはようございます。」とあいさつをしました。」

 <会話のない文>
  「私が一位になったので、お母さんはとてもよろこんでくれました。」
 <会話のある文>
  「お母さんは、「一位なんてすごいね。よくがんばったね。」と言ってくれました。」

●思ったこと

 出来事だけではなく、そのとき、自分がどう思ったかを書きます。

 <思ったことのない文>
  「そうじが終わると、教室はとてもきれいになりました。」
 <思ったことのある文>
  「そうじが終わったとき、私は、みんなで力を合わせると、教室はこんなにきれいになるんだなあと思いました。」

 <思ったことのない文>
  「やっとピアノの練習が終わりました。」
 <思ったことのある文>
  「ピアノの練習が終わって、これでやっと遊べると思いました。」

感想文の書き方

2005-02-11 | 感想文
 作文は書けるけれど、感想文は苦手という人も多いと思います。でも、感想文もコツさえ覚えてしまえば作文と同じようにすらすら書けるようになります。最初のうちは、短くてもいいので、四つの段落に分けて書いてみましょう。

<第一段落>
 まず、元になる文章を要約します。要約と言ってもむずかしく考えずに誰のどういう話なのかを簡単に書けばOKです。どんな話なのかを書いた後は、その話を読んでいちばん強く印象に残ったことを書きます。

 【例】「この話は、ある男の子がさまざまな困難に負けることなく、最後には宝物をさがしあてるという冒険の物語です。私がいちばんすごいなあと思ったのは、主人公の男の子が最後まであきらめずに宝をさがし続けたことです。」

<第二段落>
 自分の体験から似た話をさがしてかきます。なるべく身近なところからさがして書くと、書きやすくて長く書けると思います。この部分は、普通の作文と同じように会話、たとえ、思ったことなどを入れながら書いていきます。

 【例】「私にも似た話があります。私も、あきらめずになくした宝物をさがし続けたことがあります。……」

<第三段落>
 もうひとつ別の似た話を書いてみましょう。自分の体験からもう一つの似た話をみつけるのがむずかしかったら、本で読んだ話や誰かから聞いた話を書いてもいいでしょう。
 また、似た話が見つからない場合は「もし……だったら」と、想像したことを書いてみましょう。

 【例】「もし私がこの男の子だったら、途中で来た道を引き返していたかもしれません。」

<第四段落>
 元の話に戻って感想を書いてまとめます。その話から学んだことを書いてもいいでしょう。

 【例】「私はこの話を読んで、何事もあきらめずに最後までやり遂げることが大切なのだと思いました。」

長く書くコツ(2)

2005-02-11 | 作文
●出来事だけではなく、そのときどきの自分の気持ちを書く。
  
  【例】「いよいよリレーが始まりました。自分の番を待っているとき、転ばないで走れるかどうかとても心配で、ドキドキしました。ついにぼくの番になりました。ぼくは無我夢中で走りました。ぼくの頭の中は真っ白で何も考えられませんでした。」

●自分の気持ちを書くときには、「思う」という言葉を使って書く。
  「楽しかったです。」「つまらなかったです。」と書くよりも「……と思いました。」という形で書くと、思ったことをくわしく書きやすくなります。

  【例】「私は、将棋ってなんておもしろいのだろうと思いました。」

●自分の気持ちだけではなく、ほかの人の気持ちも推測して書く。

 【例】「太郎君は、たぶん、とてもくやしい気持ちだったと思います。」

    「お母さんは、たぶん、本気で私のことを心配していたのだと思います。」

●「もし……だったら」と、想像したことを書く。

 【例】「もし、私がみきちゃんだったら、心細くて泣いているだろうなあと思います。」

    「もし、あのときあきらめていたら、この曲をひけるようにはならなかったはずです。」

長く書くコツ(1)

2005-02-11 | 作文
 がんばって書いても短くなってしまうという人へのアドバイス。字数を増やす方法です。

●数字や名前をくわしく書く。
  日時や時間を表わす数字や場所や人を表わす名前をくわしく書きます。

  【例】3月5日に、私はさやかちゃんとゆりちゃんとみいちゃんの4人で桂山公園で遊びました。

●会話をたくさん入れる。
  カギかっこは行をかえて書くので、ちょっと得した気分になります。(笑)
  ただ、短い会話のくりかえしではつまらないので、なるべく2行以上になるような長い会話を入れましょう。

●「どうしてかというと」という言葉を使って理由を説明する。
  この言葉はいろいろな場面で使えます。「うれしかった」「悲しかった」などの気持ちを書いた後に「どうしてかというと……だからです。」という説明を入れてみましょう。意外と簡単にできるはずです。

  【例】ぼくはとてもうれしかったです。どうしてかというと、シュートを決めることができたからです。

結び

2005-02-11 | 作文
 結びがうまく決まると印象的な作文になります。

<初級>
 感想を書いて結びます。
【例】小学校生活の最後を飾るいい運動会になったと思いました。
【例】僕は、もっともっと練習して強くなりたいと思いました。
【例】私は、親身になって教えてくださった先生に心から感謝しています。

<中級>
 動作か情景で結びます。
【例】私はそっとその石を宝箱にしまいました。
【例】弟は、もう寝息をたてながらすやすやと眠っている。
【例】夕焼けが真っ赤に空を染めていた。
【例】しんしんと雪はまだ降り続いていた。

<上級>
 書き出しを意識しながら、その書き出しをうまく使って結びます。
【例】(書き出し)「やったあ。」僕は思わず飛び上がった。
    (結び)「やったあ。」ぼくはもう一度心の中で叫んだ。
【例】(書き出し)リーンリンリン。コオロギの鳴き声が聞こえてきた。
    (結び)リーンリンリン。今もコオロギの声が庭いっぱいに響いている。
【例】(書き出し)「いただきます。」今日は私の大好きなカレーです。
    (結び)「ごちそうさまでした。」私は食器を台所に運びました。

感想

2005-02-11 | 作文
 出来事だけではなく、そのときの自分の気持ちや出来事から学んだことを書いてみましょう。

<初級>
「思います」「思いました」という言葉を使って、自分の思ったことを書きます。作文の最後だけでなく、作文の途中にも思ったことを入れてみましょう。
【例】「ぼくは、この絵は自分でもとても上手に描けたと思っています。」
【例】「私は、またかなちゃんといっしょにあそべたらいいなあと思いました。」

<中級>
「わかった」という言葉を使って、自分の体験から学んだことを書きます。
【例】「私は、みんなで力を合わせれば不可能なことは何もないとわかった。」
【例】「僕は、何事も最後までやりとげることが大切だとわかった。」

<上級>
 自分の体験に対する感想だけでなく、そこからさらに「人間にとって」という言葉を使って、大きな感想を書きます。
【例】「人間にとって読書とは、人生の幅を広げてくれる大切なものだ。」
【例】「人間にとって家族とは、お互いの短所を補い合い、長所を伸ばし合うものだ。」

会話

2005-02-11 | 作文
 誰かがお話ししたことを思い出して、作文の中に入れてみましょう。そのときのようすがよくわかる、生き生きとした作文になりますよ。

<初級>
カギかっこを使って、誰かが話したことを書きます。カギかっこの使い方に慣れてきたら、2行以上の長い会話を入れます。
【例】私は友達に「おはよう。」と言いました。
【例】先生は、「今度の運動会では、みんなでソーラン節をおどることになりました。練習は大変だけれど、がんばってください。」とおっしゃいました。

<中級>
カギかっこの前か後にそのときの声の様子や顔の様子を入れます。また、何をしながら言ったのか、動作を書いてもいいでしょう。
【例】弟は、大きな声で「やったあ。」と言いました。
【例】お母さんは、驚いた顔で「もう食べちゃったの。」と言いました。
【例】私は、走りながら「待って。」と言いました。

<上級>
会話を書く際に、「言う」という言葉を使わずに表情や動作を表す言葉だけを使います。
【例】先生は「よくがんばったね。」と笑いました。
【例】母は、「早く片づけなさい。」と怒りました。
【例】私は、「うそでしょう。」とゆみちゃんの顔をのぞきこみました。
【例】父は、「そろそろ行くか。」と立ち上がりました。

たとえ

2005-02-11 | 作文
 たとえってむずかしそうと思っている人もいるかもしれませんが、使ってみると意外と簡単。最初は簡単なたとえでいいから、どんどん挑戦してみましょう。

<初級>
 色や形などを「まるで~みたい」「まるで~のよう」というたとえを使って書きます。
【例】「私が育てたチューリップは、まるでモモのようなピンク色でした。」
【例】「小さな芽は、ハートみたいな形でした。」
【例】「さくらんぼは、まるで双子の兄弟のようでした。」

<中級>
 自分の気持ちや感覚を「まるで~みたい」「まるで~のよう」というたとえを使って書きます。
【例】「私は、まるで雲に乗っているような気分でした。」
【例】「うさぎにさわってみると、まるでふわふわの綿菓子のようでした。」
【例】「難しい算数の問題を解いているとき、僕の頭の中は、まるで迷路のようにどちらに進めばよいかわからなくなるのだ。」

<上級>
 「まるで」を使わずに比喩表現をします。
【例】「白い小人たちが次々と空から舞い降りてきた。」
【例】「私の妹は、この前初めて料理を作った。小さなお母さんはやる気満々で台所に立った。」

書き出し

2005-02-11 | 作文
 何から書き始めるか、迷ってしまったら……。

<初級>
 いつ、どこで何があったか、いつ、だれとどこへ行ったかなどがわかるように書き始めます。
【例】「私は、今日、学校でドッチボールをしました。」
【例】「私は、この前、お母さんと買い物に行きました。」

<中級>
 音や会話で書き始めます。
【例】「キンコーンカンコーン。鐘の音が鳴り響きました。待ちに待った休み時間です。」
【例】「「行ってまいります。」ぼくは元気に家を飛び出しました。」

<上級>
 情景で書き始めます。
【例】「一面に広がる銀世界。私は、思わず歓声を上げました。」
【例】「イチョウの葉がひらひらと舞い落ちてくる。季節は秋から冬へと変わりつつあった。」

構成

2005-02-11 | 作文
 作文は、ただなんとなく書き始めるのではなく、全体の構成を考えてから書きましょう。

<初級>
 出来事を順番に思い出しながら書いていきます。会話のカギかっこを入れるとき以外は、行を変えずに、文をどんどん続けて書いていきましょう。
【例】「わたしは、今日、6時に起きました。朝ごはんは、パンとたまごやきでした。8時に家を出て、学校に行きました。……。」
【例】「昨日、学校の運動会がありました。まず、校長先生の話を聞きました。次に、準備体操をしました。……。」

<中級>
 いつ、どこで何をしたかなどを説明した後、「いちばん」という言葉を使って、作文の中心を決め、そのことについてくわしく書いていきます。
【例】「私は、昨日、遠足に行きました。いちばん楽しかったのはアスレチックで遊んだことです。……。」
【例】「今日、僕は、図工の時間に写生をした。いちばん苦労したのは、本物そっくりの木の葉の色を出すことだった。……。」
 段落変えの練習をするときは、句点三つで行を変えて一マス空けて書くようにするといいでしょう。慣れてくると、話題が変わるところで自然に段落を変えることができるようになります。

<上級>
 第一段落は、作文に書く内容について簡単に説明します。
「この前、私の学校で運動会があった。私にとっては小学校最後の運動会だ。……。」
 第二段落は、実際の出来事についてくわしく書いていきます。
「騎馬戦の開戦を告げる笛の音が響いた。私の乗った騎馬はゆっくりと前に進んでいく。……。」
 第三段落は、第二段落で書いた出来事に関連する別の話を書いていきます。自分の思い出、または誰かに聞いた話、本で読んだ話などを書くといいです。
「父も小学校の運動会のときに騎馬戦に出場したと言っていた。体格のいい父は騎馬の役だったらしい。……。」
 第四段落は、前の三つの段落を受けて、全体の感想や自分の体験から学んだことを書きます。
「私たち赤組が勝つことができたのは、一つの目標に向かってみんなで力を合わせたからだと思う。私は、この運動会から、みんなの気持ちが一つになったとき、想像以上に大きな力が生まれるのだとわかった。」

題名

2005-02-11 | 作文
 題名より中身。確かにそうなのですが、題名のつけ方にもちょっとしたコツがあります。

<初級>
 「運動会」、「今日のこと」など、何についての作文かがわかるように題名をつけます。

<中級>
 「運動会でいちばんになったこと」「学校で泣いたこと」「おにぎりを作ったこと」など作文の中心がわかるような題名をつけます。

<上級>
 「楽しかった遠足」「大変なお手伝い」「かわいい妹」など、題名を工夫してつけます。題名から作文の中身が想像できるようなもの、また、題名を読むと作文を読みたくなるようなものがつけられれば成功です。
 また、「成功は失敗のもと」「早起きは三文の損」など、ことわざを加工したものを題名にしてもおもしろいです。