作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

感想文 ~はじめに体験ありき~

2009-06-18 | 作文
 小学校中学年のころだったと思います。伝記を読んで感想文を書く宿題が出ました。私は野口英世の伝記の感想文を書きました。まず、考えたのは、感想文を読んでくれる人たちが野口英世の生涯を知らなければ、感想を書いてもわかってもらえないのではないかということです。そこで、まず、本のあらすじを書くことにしました。それだけで原稿用紙を4枚ぐらい使ったと記憶しています。そして、いよいよ感想。あらすじに比べたらほとんど書くことがありません。「もし私だったら……」と想像したことを書くのが精一杯で、感想文とは名ばかりの、大部分が本のあらすじという作品になってしまいました。

 今、振り返るとわかるのですが、私の失敗は、「感想文」という言葉を文字どおりに受け止めてしまったことにありました。素直すぎたのです(笑)。本の内容やそれを読んだ感想を書くことにこだわってはいけなかったのです。本の内容はきっかけにすぎません。自分が体験した、本の内容と似た話を作文として書いていくと考えた方がずっと書きやすくなります。もちろん、その方がユニークで興味深い内容のものが書けます。

 本の内容はきっかけにすぎないと書きましたが、もっと極端な言い方をすれば、感想文の本選びのポイントは、本の内容そのものではなく、自分の体験なのです。本が先にあるのではなく、自分の体験が先にあります。これまで自分の身に起きた出来事の中でいちばん感動的に書けそうなものをさがし、その体験を実例として挙げられそうな本を選ぶというわけです。ただし、この裏技に基づいて本を選ぶのは、子供にはむずかしいかもしれません。お父さんやお母さんが選んであげるとよいでしょう。

 感想文の書き方の流れは、下記のページにくわしく載っています。
読書感想文の書き方

にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へ
にほんブログ村
 ↑
よろしければクリックをお願いします。<(_ _)>
目標の3位まであと一歩!