日本でも薬物が若者に広がっている、自宅で大麻を栽培したりして逮捕される
というものである。
薬物使用は、十八歳以下の青少年にも急激なスピードで広がっている。
国連薬物犯罪事務所(Unodc、本部ウィーン)が二十四日発表した「二〇〇九年版世界薬物報告書」によると、コカインや合成薬物の使用は世界的に減少傾向にあるのに対し、伯国では増加傾向にあることがわかった。国内のコカイン消費量は過去三年間でほぼ倍増、最新統計(〇七年)による中毒者は八十九万人(〇・七%)と、〇一年調査(〇・四%)から〇・三ポイント上昇した。若者の間では、安価な合成ドラッグ「クラック」が流行し、社会問題となっている。
《12歳から65歳まで中毒89万人》
報告書によると、「五百億ドル」とされる世界のコカイン市場は近年、各国連携による取締りの強化などが奏功し、生産量が一五%下落。欧米諸国における消費の落ち込みも後押しし、停滞気味。
ところがブラジルは、この流れに逆行し増加傾向。Unodocの最新統計(〇七年)によると、十二歳から六十五歳までのコカイン中毒者は八十九万人と、過去六年間で〇・三%の上昇が見られた。
その理由としてまず、近年の経済成長により中産階級が増えたたことが挙げられる。ジェツリオ・バルガス財団調査によると、過去六年間の同階級増加率は五一%。これにより、薬物に使用するための金銭的な余裕が出来たことが増加の原因と見られる。
もう一つはシステム的なもの。薬物を南米諸国から欧州などに密輸する際、伯国を経由するため、押収されたものも統計に加算される。〇七年の押収麻薬の四五%は南米産、このため高い数字となって現れているようだ。