بسم الله الرحمن الرحيم
101章解説
1. 恐れ戦く日(最後の審判)
2. 恐れ戦く日とは何か。
3. 恐れ戦く日が、何であるかをあなたに理解させるものは何か。
4. (それは)人間が飛散する蛾のようになる日。
5. また山々が、梳かれた羊毛のようになる(日である)。
6. それで、彼の秤が(善行で)重い者は、
7. 幸福で満ち足りて暮らすであろう。
8. だが秤の軽い者は、
9. 奈落が、彼の里であろう。
10. それが何であるかを、あなたに理解させるものは何か。
11. (それは)焦熱(地獄)の火。
混迷の中をさまよう人たち。罪に溺れる人たち。主に背を向ける人たち。現世だけを唯一の関心事とする人たち。自分勝手な自我の欲望を満たそうとする人たち……アッラーはこのような人たちに、「現世の行いの報いを受ける世界があること」、「来世における人々の行く末は、幸福か不幸のどちらかであること」を知らせ給います。
審判とその恐ろしさを感じさせながらこの章(マッカ啓示)は述べられます:
「恐れ戦く日。恐れ戦く日とは何か。恐れ戦く日が、何であるかをあなたに理解させるものは何か。」
最後の審判の日に「القارعة アル=カーリア(強打するもの=恐れ戦く日)」という名前が付いている理由は、強烈さと恐ろしさをもって心を打つからです。「恐れ戦く日とは何か」つまりカーリアとは何なのか?こういったネーミングは、最後の審判の日が持つ重要性と恐怖を感じさせます。「恐れ戦く日が、何であるかをあなたに理解させるものは何か」この節が最後の審判の日の恐ろしさを強調しています。その日は被造物すべてが持ち得ている知識を超えた出来事になります。
続いてクルアーンは、「恐れ戦く日」に見られる二つの光景について述べていきます:一つは人々に関連して、二つ目は山に関連しています。人々はその日、恐怖に怯えながら、生きた状態で墓から出てきます:「人間が飛散する蛾のようになる日」つまり人々は混乱と当惑を原因に、飛ばされた弱く、虐げられた蛾のようになってしまう、ということです。蛾は怖い目にあうと、一つの方向に飛ぶことはなく、皆違う方向に飛んでいきます。
山々の光景:「また山々が、梳かれた羊毛のようになる」つまりさまざまな色を持った梳かれた羊毛のようになることを指しています。これは羊毛がばらばらになり、空気の中に散らばることを指しています。他にもその日の山を描写した御言葉があります:「山々が散る時」(81章3節)、「その日、大地と山々は震動し、山々は崩れ流れて、砂の固まりになるであろう」(73章14節)アッラーのみにしか分かりませんが、もしかすると、月や他の星の引力の影響でこのようになるのかもしれません。月やその他の惑星が―アッラーの命に応じて―地球に近づけば、引力によってこのような自然現象が起こると考えられるわけです。それは審判の日が近づいている徴とも取れるでしょう。この節では、しっかりと据えられた山に起こる変化ついて語られていますが、弱い人間が同じ時を迎える瞬間、一体どうなるのでしょうか。
このような恐ろしい審判の日の光景の描写の紹介後、クルアーンは人々の行く末と、彼らが不幸者と幸せ者に分けられることを教えてくれます。ここでは人々の善行と悪行が重みをもった物質として表現されます:「それで、彼の秤が(善行で)重い者は、幸福で満ち足りて暮らすであろう」つまり善行が悪行より多いと、天国で良い生活を送り、アッラーの満足を得られます。当の本人もアッラーに恵んでいただけた恩恵に満足するのです。
代わって善行の秤が軽く、悪行の方が重かった人の結末は、地獄です:「だが秤の軽い者は、 奈落が、彼の里(母)であろう」母親は子の逃げ場であり、最後に行くつくところであることから、ここでは「母」が使われたと言われています。هاويةハーウィヤ(ここでは奈落と訳されています)とは地獄の名称の一つで、深い場所にあるのでそのように名付けられています。こういった表現は不信仰者たちに対する脅迫とも言えるでしょう。または母親という存在は愛情で子を覆うように地獄も不信仰者たちを罰と火花散る業火で覆う、とも言われます。「それが何であるかを、あなたに理解させるものは何か」この疑問文の登場で意味と恐ろしさが強調されます。つまり、ムハンマドよ、ハーウィヤがどういったものであるのかを教えてくれるものは何なのか、となります。それは理解できる範囲外のことです。「(それは)焦熱(地獄)の火」燃料によって熱くなっている火のことです。
(参考文献:①ルーフ・アル=クルアーン タフスィール ジュズ アンマ/アフィーフ・アブドゥ=ル=ファッターフ・タッバーラ薯/ダール・アル=イルム リルマラーイーン(P159~161)
②アッ=タフスィール・アル=ワスィート/ワフバ・アッ=ズハイリー薯/ダール アル=フィクル(第3巻P2928~2930)