
翔が、神職の資格である階位を取得して京都から家族で奥多摩の水川神社に一家で引っ越してきた頃。
光は5才、海斗は3才。翔は27才。
奥多摩の山奥にある水川は、裕福ではない。不便で貧しく家の手入れと家事子育てだけが陽の全て。
光と海斗の語彙力は時に中学生のように話す。光が、祖父の晃に「大人のおじいちゃんがいれば、お母さんを守ってくれると思ってるんだ」と言う。晃は、「それは、どう言う意味だ?」と聞くと「お母さんの服を脱がせればわかる」と言う。
「陽、服を脱ぎなさい」と晃が厳しく言うと桃色のトレーナーを脱ぐ。陽の身体を見て「翔にやられたのか?」と尋ねると「悪いのは私だから」と陽は泣き崩れる。
翔の言い分は「アイツは頭が弱いから躾だ」と開き直る。
陽の地獄の7年は、光が「火の力」に目覚めることによって終わる。
陽の40年にも満たない人生は、贅沢も知らず、お化粧もオシャレも縁がなく会社勤めもする事もなく終わる。
でも、2人の子供と葵に愛されて、とても幸せだったと最後に思う。
昨日、書いた実果は海斗の息子のガールフレンド。
その時、陽(あかり)は、陽(よう)として、戻ってきています。5才の時、50代半ばの葵に会いに行きます。「仕事が済んだら、また来るね」と言って「10年の仕事だよ。待っていて。」と言われた葵は、毎年人間ドック。。。と思いながら待っていて良かったと泣きます。
あかりの最後の言葉は
「帰ってくるから、待っていて。帰るのは5年、10年、それ以上先かも知れない。」でした。