ある村に、およしという名の身持ちの堅い娘がおったげな。
村の若衆ガ何度夜ばいに行っても落ちなんだ、泊まり宿に勢ぞろいした若衆は、
「だれぞおらんかな、およしをくどいてみせるやつは…」
するとおよしの隣に住む大作が名乗り出た。
「いっちょ、おらがくどいてみせようかい」
大作の男前というたら、どうみてもさまにならん顔や、
若衆はゲラゲラ大笑いして、
「大作、おおきな口ばたたきよって、お前、首をかけても口説いてみせるか」
「おおさ、おれも男や、およしを落とさなんだらこの首をやる。」
大見得を切って出かけた。
およしの家に忍び込んだ大作、急に肩を落としておよしの寝間に這い寄った。
「あれ、大作さんじゃないかえ」
それは隣同士の気安さで声をかけたもんで
「へえ、大作が命がけの相談にきよりました」
「相談って、どんなこと?」
大作もじもじしながら訳を話すと、およしは床の上に座り、
「いやじゃ、勝手にそんなことを決めて、
なんぼ命にかかわるというても、
いやじゃ」
「そこんとこを、これも因果とあきらめて、」
「いやじゃ、あほらしい。お母を呼んでもええかね!」
なるほど身の堅い娘じゃと思いながら大作は泣きながら云った。
「まね事でええ、まね事だけでええから頼む」
「まね事ってどないことするの?」
「そらお前の大事なとこの、ふちを回すだけじゃ。中へ入れんでふち
を回すだけじゃ」
「ほんに入れたらいやじゃぞえ」
「入れやせん、入れやせん、まね事だけじゃ」
やっとこさでその気にさせたおよしを寝せつけおよしの前をひろげ、
大作も自分の一物をそろそろ出したが、
「あれ、あれ…そんな太いのを入れたら、いやじゃぞえ」
と身をよじるおよしを押さえ、
押しつけて、せっせとまね事を始めたが、
いくらまね事でも、
ふちを回すうちにおかしくなってくるし、
大作は我慢できずにグイと
「あれ…、約束が違うぞエ!」
およさいは身を堅くしてのけぞった。
大作はここぞとばかりに
「これは数取りというのや。ただ回しただけでは、
何べん回したか数がわからん。
十ぺん回して一つ入れれば、数がわかるがな、
ううな、十ぺん回して一つの数取りや」
「いやじゃそんなこと」
とおよしが云うてもここまでくればしめたもの。
大作は十ぺん回して一つ入れては、
「ひとーつ」また十ぺん回してグィー。」
「ふたーつ」
そのうちおかしくなって、十ぺんの一つが八ぺんに一つになり、
六ぺんに一つになって数取りの間がおかしくなってきた。
その頃およしはよがり声を上げ、しまいには大作にしがみつき、
うわごとのように…
「ああ、もう… 大作さん、数取りを早ようして」
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