ドイツで整備工として働く男性が、実は200万人を超えるガーナ・トーゴの民を統治するアフリカの部族の王だった、という内容をイギリスのニュースサイトDaily Mail Onlineが報じています。
Céphas Bansah is a full time German mechanic and part-time African king | Daily Mail Online
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3527951/King-road-African-ruler-German-mechanic-fixes-cars-not-ruling-people-Skype.html
トーゴでは霊長であり、最高位の立場でありながら、ドイツで整備工としてフルタイムで働き、国の統治はパートタイムでSkypeを使って行っているのがCe'phas Bansahさん。
王としての衣装に身を包んだ様子は以下のとおり。
Bansahさんが育ったのは東ガーナとトーゴ共和国の国境にあるGbiという場所です。67歳になるBansahさんがドイツに移り住んだのは1970年代のこと。後に王となった祖父のHohoeさんが整備工として技術を身につけるのをBansahさんに勧めたのが理由です。整備工としての勉強を終え、ドイツで市民権を得たBansahさんはドイツのルートヴィヒスハーフェンに仕事場を設けて働きだしました。
ドイツで穏やかな日々を送っていたBansahさんは、1987年のある日、人生を変えるファックスを受け取ります。王であった祖父のHohoeさんが亡くなったのですが、Bansahさんの父や兄はGbiで暮らすエウェ人が「不浄である」と考える左利きだったため、王位を継ぐのにふさわしくないと判断され、Bansahさんが後継者として選ばれたのです。
Bansahさんは2000年に10歳年下のGabriele Bansahさんと結婚し、現在は整備工としてフルタイムで働きながらパートタイムで王の仕事もこなしつつ、妻と2人の子どもともにドイツで暮らしています。
結婚式の様子はこんな感じ。
何百人もの人々が参列しました。
左からBansahさんの息子であるCarloさん、Bansahさん、娘のKatharinaさん、妻のGabrieleさん。
王国の統治は主にSkypeで行い、実際にガーナへ向かうのは年8回とのこと。
王としての仕事の中には学校を建設するプロジェクトの援助をしたり、女性用の刑務所を建設するための資金集めなどが含まれます。Bansahさんの仕事場には学校建設の資金援助を求める以下のポスターが貼られているとのこと。
資金を集めるため、Bansahさん自身は飲酒をしないのですが、「Akosombo」と呼ばれるオリジナルのビールを販売することも。ガーナは民主主義国家ですが、コミュニティの中では「王」という伝統的な存在がまだ重要な役割を果たしています。
Bansahさんの暮らしを撮影した写真家のChristina Czybikさんによると、ガーナの人々はみんな信心深く、ブードゥー教を信仰している人も多いそうです。Bansahさんの家にも小さなブードゥー教の神棚があり、「ミハエル・シューマッハができるだけ早く復帰しますように」という手作りの板も置かれているとのことです。
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