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海外サイトのタイトルが「日本のスーパーナチュラルフェスティバル(超常現象祭り)」とされているあたりが文化の違いを物語っているのであろう。
フランスの写真家、シャルル・フレジェ(45)は、過去2年間に5回日本を訪れ58か所を取材し、日本固有の神や鬼などに仮装した人々の姿をYOKAI NO SHIMA (ヨウカイノシマ)という写真集に収めた。
我々日本人でも地域の祭りをすべて網羅しているわけではない。これらの写真で知られざる日本の魅力を再確認することとなるだろう。
1.カセ鳥(山形県上山市)
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山形県上山市で毎年2月11日に開催される旧暦小正月の祭事。祭りが始まると、数人の若者たちが「ケンダイ」とよばれる藁蓑を身にまとい、からかさ小僧にも似た妖怪「カセ鳥」に扮し、上山城前の焚き火を囲み「カッカッカーのカッカッカー」と歌いながら踊り回る。町の住民たちは踊っているカセ鳥たち目掛け、冷水を勢いよく浴びせる。
真冬の北国で冷水を浴び、ときにはその水が凍りつくこともあるという過酷な状態の中、カセ鳥はなおも踊り続け、町へ降りてさらに踊り続ける。踊り終えたカセ鳥たちは、住民たちから酒や祝儀を振舞われる。頭に手拭をくくりつけられることもあるが、これは商売繁盛の呪い(まじない)とされる。また水をかけられるのは、水商売の繁盛を祈る意味もあるといわれる。
2.八ツ鹿踊り(愛媛県宇和島市)
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最初同地方の牛鬼祭りと間違ってしまったが、コメント欄によると、こちらは八ツ鹿踊りと呼ばれるものらしい。特に三滝神社の境内で踊られる「八つ鹿踊り」は昭和49年に国選択無形文化財に指定された。八ツ鹿は、地方によって鹿の顔が違っていたり、鹿の数が5匹になった五ツ鹿だったりするという。
祭礼時には、12~13歳の少年8人が鹿の頭をつけ、その面から垂れた紅染の布で上半身を覆い、手甲、脚半(きゃはん)、草履ばきで、胸の太鼓をトントコトントコと打ちながら舞い踊る。
3.佐渡の小獅子舞
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佐渡の獅子舞が、東北地方の舞と大きく異る点は、舞の途中で仔獅子(こじし)が隠れる点にあるといわれている。
獅子は頭に太刀を頂き、桜の幕をつけた牡獅子、鹿の角に紅葉の幕をつけた牝獅子、頭に鏡のみを頂き、鶴亀の幕をつけた仔獅子よりなり、優雅な歌と笛、太鼓の囃(はや)しにつれて舞いはじめ、霧に仔獅子を見失い、狂気の如く仔獅子を探し求め、やがて仔獅子を探し出して親子の喜ぶ態を巧みに舞う。
4.宮城県仙台市の祭り
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5.鹿児島県南さつま市の祭り「ヨッカブイ」
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ヨッカブイは「夜着被り」のことで、ガラッパ(河童)相撲を取る子供たちのそばで、シュロの仮面を被った青年の大ガラッパが、笹の葉で観客をおはらいし、悪い子供たちを諭す、水神祭りの伝統行事である。相撲甚句18番を踊ることから「高橋十八度踊り」とも呼ばれている。
6.鷺舞(島根県津和野町)
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鷺舞の源流は八坂神社の祇園祭にて奉納されたもので、中国の七夕伝説を端緒にするものとされる。また、名前は鷺舞であるが、この鷺とは歌詞(後述)にもあるように、鵲であるともされる。鵲は七夕伝説に於いて、牽牛と織女のため、天の川に桟を渡した存在であり、歌詞もその伝承に因んだものである。しかしながら、京都では鵲は飛来してこないため鵲という存在を知らず、そのため鵲とは鷺の一種であろうと笠を被った白鷺をカササギに見立てたものとされている。鵲の姿が黒色(胴と風切羽の一部は白、翼の縁は青)であるのに対し、姿が白いのはそのためである。
これらの日本の祭りは海外人にとって目を引く者があるのであろう。外から見る日本を知りたければ、シャルル・フレジェの写真集、YOKAI NO SHIMA (ヨウカイノシマ)をチェックだ。
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