われわれ社会人は所得から
国民年金なり、厚生年金なりの
保険料を納める義務がある。
この場合、保険者は厚生労働大臣ってことでしょうが、
厚労大臣は直接運用しないわけで
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に運用寄託する
というのが
年金積立金の管理・運用の仕組み。
で昨年、
公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議
という名称が長ったらしくて分かりづらい
有識者のご意見が公表され、
これに関する一般報道はありました。
あったけど、
国民年金保険料を納める義務を負う、
われわれ庶民がその内容を知るうえで
果たして十分な内容と量だったんやろうか。
この2ヶ月くらい、わたしはずっと違和感を抱き続けてます。
有識者集団の提言の一つは
国債中心の現行ポートフォリオの見直しが必要
ということだけど、その理由が
“デフレからの脱却を図り、
適度なインフレ環境へと移行しつつある
我が国経済の状況を踏まえれば”
見直すべしとされてる。
前提が一本のみ
適度なインフレ環境を達成できなかったケース
を想定しとらんよ
また、
これから金利が上昇しようかってときだけに
大量の長期国債の評価損が出かねん
という懸念もあるみたいだが、
満期保有するケースで損を被ることがあんの?
経済優先なるセリフを
何度も目にも耳にもしてるけど
経済サイクルのターボチャージャー(?)として
公的年金積立に手をつけようとしてる感が拭えない
ただでさえ
中央銀行も巻き込んだ壮大な社会実験中だというのに。
公的年金制度は現役世代の保険料納付が
退職世代の年金給付を支える構図なので、
高齢化の進行は大変大きな課題である。
生産年齢層である現役世代の退職世代に対する
負担割合が増える傾向にあることは
いまや国民の共通認識だけに、
壮大な社会実験の成功のみを前提とした提言よりも、
公的年金資金の管理・運用について
リスクマネジメントの切り口から提言するなら
年金財政の検証に基づくのが先じゃないかな。
わが国の高齢化進行具合は今のところ世界一と言われるけど、
高齢化は特に先進国の共通課題。
他国に先駆けて高齢化に対処することができるなら
日本はその範となり得るはずであり、
これにまつわる商機が生まれる可能性や
国際社会における相対的地位向上にも資する、
かもよ。
国民全体に関わる重大事なので
誤解を生まない根気のある適切な一般報道を望む。