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エリック・シーガルの小説から作られた1970年のアメリカ映画、Love Story (邦題:ある愛の詩)をご存知の方は多くいらっしゃるだろう。当時かなり世界的に話題になった映画であり、多くの観客は滂沱の落涙を経験したのがニュースになった。1970年封切り当時、私はまだほんの子供であったので、たとえ映画のレイティングが、PG* であっても、劇中に飛び交うジェニーの言葉の悪さに閉口した両親や姉たちの判断で鑑賞は先送りとなった。私が実際に観たのは、ずっと後、確か深夜の居間のロッキングチェアで新生児の長女を腕に抱いて寝かしつけながらHBOでも見ていた時だと思う。もちろん弾丸のように飛び交う悪態に終いにはうんざりしたが、1970年当時「純愛」物語として人気があったのは、一応 うなづける。1970年はまだまだヴェトナム戦争が続いていて、アメリカの人々は荒れた気持ちを持ち、殺伐とした日常に現れたこの小説や映画に一息ついた気分だったのだろう。
PG*とは:米英での映画の格付けで、parental guidance suggested(保護者同伴が望まれる)という判断のひとつ。この映画がGの一般指定にならなかったのは、言葉遣いがカラフル(⁼悪い)であるのとラブ・シーンがあったため。)
どんな時代でも、純粋な愛は生きる意思や目的や意味や希望を持たせてくれ、それぞれの物語が生まれることであろう。最近読んだサイモン・ムワンギによるショート・ショートな愛の物語は、そんな愛の物語である。
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最初から、少女の家族は、彼女がこの男性とデートしていることに強く反対していたのは、彼の育った家族環境が好ましくない、というような理由だった。そしてそれによって彼女が彼と一緒になれば彼女は不幸になると思っていたのだった。
少女の家族のそんな圧力のために、当人二人は頻繁に口喧嘩をした。少女は彼を深く愛していて、いつも彼に尋ねた:「どのくらい深い愛を私に持っているの?」彼は口下手だったので、しばしば彼女を戸惑わさせた。それと家族の圧力とで、少女はよく怒りを吐き出した。彼はと言うと、それを黙って耐えていた。
数年後、その男はついに学校を卒業し、海外へ留学することを決心した。彼が去る前に、彼は彼女にプロポーズした。「口下手でスルスルと耳に心地よい言葉を言えません。でも、わかっているのはあなたを愛しているということです。あなたの家族についても、話し合うように最善を尽くします。あなたは私と結婚してくれますか?」
少女は同意し、二人の固い決意に、ついに彼女の家族は諦めて結婚を許すに至った。そして彼が去る前に、二人は婚約した。
少女は社会に出て働き始め、彼は海外で勉強を続けていた。二人はEメールや電話を通して愛を高めあった。それはたやすくはなかったが、二人とも決してあきらめようとは思わなかった。
ある日、少女が仕事に行く途中、制御の利かない車によってはねられた。彼女が目を覚ますと、両親が彼女の伏すベッドのそばにいるのを見て、自分がひどい怪我を負ったことに気付いた。母が泣いていて、彼女を慰めようと思った。しかし彼女の口から出るのは、ただのため息でしかなく、彼女は声を失ってしまっていた。
医師は事故による脳への影響が彼女の声を失わせる原因となったと述べた。彼女の両親の嘆きを耳にしても、彼女は一言も発せず、泣き崩れた。
入院中彼女は、沈黙のうちに泣くことがすべてであった。退院して帰宅すると、すべては何一つ変わっては見えなかった。 鳴る度に彼女の心に突き刺さるような電話の呼び出し音を除いて。 彼女は彼に知らせたくない。 そして、彼に負担をかけたくないと思い、彼女は、もう待つのを望まないと彼に手紙を書いた。 そして婚約指輪を彼に送り返した。 すると彼は、見た所、何百万にはなろうかという多くのメッセージと無数の電話を送ってきた。 彼女ができることは泣くことだけだった。 両親は、彼女がやがてすべてを忘れることができれば幸せになるだろうと願い、引っ越すことに決めた。
新しい環境で、彼女は手話を学び、新しい人生を歩き始めた。 彼女は彼を 忘れなければ、と毎日自分に言い聞かせた。 ある日、友人が尋ねて来て彼が戻ってきたと言った。 彼女は自分に何が起こったのか彼に知らせないようにと友人に頼んだ。それ以来、もう彼についてのニュースはなかった。
一年が経ち、彼女の友人は彼の結婚式の招待状の入っている封筒を持ってきた。 彼女は粉々に崩れそうだった。 その封筒を開けて、招待状を取り出すと、そこに自分の名前を見た。
彼女が友人にどういう意味か尋ねようと顔を上げると、彼が目の前に立っていた。 彼は手話を使い、「私は手話を学ぶのに1年の時間を費やしました。私たちの約束を忘れていないことを知らせるためだけに。 愛しています。」そして彼は指輪を彼女の指にはめた。ようやく彼女は微笑んだ。
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ブロードウェイのヒットミュージカル、Les Misérables (ああ無情)の中で主人公のひとり、ジャン・ヴァルジャンが、コセットの愛するマリウスが無事に彼女の許に帰還することを祈る歌”Bring Him Home"を歌う。それが記事を書いていて脳裏に浮かんだ。これは今や、軍隊や伝道で奉仕する、あるいは家族から離れている愛する人たちへの個人的な祈りとして多くの人々がこの歌に思いをあてはめている。今日はその曲を再びThe Piano Guysのピアノとチェロ演奏で。
願わくば皆さまの愛する方々が御無事に皆さまの許へお帰りになりますように。
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