goodhousekeeping.com
5歳になる孫息子と居間でスパイダーマン合戦(つまり孫息子も私もスパイダーマン)にいそしんでいると、末娘からテキストが入る。最初の子供がそろそろ現世デビューする準備万端整いつつあるらしく、その兆候が表れてきている、と言う。と言っても、まだそれほど進んでいるのではなく、最初の子供だし、結局予定日にしっかり陣痛もきて、めでたく登場するかもしれないのが、出産事情というもの。つまり一寸先にどう展開するのか経験者でも医師でもわからない。スパイダーマン孫息子が、しきりに「見えないけれどそこにある」蜘蛛の糸を手の先から私めがけて放つ(だろう)中、片手でそれと戦い、もう片手に携帯電話を持ちながら、娘にテキストをするのは母親・祖母の得意技の一つかもしれない。ここから運転して、交通渋滞がなければ早くて5時間、入院となっても、おそらく誕生までには着くはず、と伝え、それまでゴロゴロして休めるうちにたくさん休んでいたほうがいい、と先輩風を送る。
若手のスパイダーマンを両手で抱きすくめ、年長スパイダーマンは、「はい、今日はここまで。ご苦労さん。お互い世界を救うために今はまず一休みしましょう」と賄賂のスイート・ターツひと粒を渡す。それを口にほおりこみ、若手のスパイダーマンは、素直に今度はレゴのスターウォーズの世界に興じ始めた。
そうか、孫#7がいよいよお目見えする日が近いのか。結婚7年目の7番目の月に我が家の7番目の孫としてやってくる。なんだか語呂がいいと言うか、おめでたいと言うか。我が家のカブース(Caboose=日本語では車掌車。通常カブースは汽車・列車の最後尾に付く。個人的に我が家では末っ子と言う意味で使っている。)が、母親になる。
先月半ばには#6がドイツで生まれ、来月末にはヤング・スパイダーマンの弟になる#8が生まれる。今年生まれの孫は三人共男の子。つまり私にはあと他に4人スパイダーマン候補がいるというわけだ。クリスマスや夏休みに我が家へ子供たち5人が家族を連れてやってきたら、総勢18名プラス私達夫婦で20名になる。サンディ・ディナー用の食器は12人前で、普段使いの食器は8人前と5人前のセットがあるし、孫たちは子供用食器が9セットある。何を食べさせるか、は別の問題。それは明日考えたい。
私はしつこくまだフルタイムで大学院勤務をしているので、専業主婦や専業祖母は高嶺の花の存在。でも刻一刻(?)と迫りくる#7や#8の誕生はオフィス仲間も心に留めていて、孫の方が大切よ、お手伝いに行かなきゃ、と後押ししてくれる。ありがたい。というわけで、大方の仕事はすでに片付けて、いつでも南加へ行けるように用意はしている。それと3件抱えている系図調査の一つをなるたけこの2,3日中に仕上げ、留守にする前に、依頼者にレポートを手渡したく、睡眠時間を削って凌いでいる状態。人生のこの時期、休暇は仕事の別の言い方なんだと最近痛感することしきり。
それでは立つ鳥跡を濁さずのたとえをもって、身辺をすっきりさせ、出立に備えるとしよう。私の留守中ヤング・スパイダーマンに世界の安寧を委託しておこう。それにクリスマスと誕生日に貰ったプラスティックのライトセイバー*三本ある由、ヤング・スパイダーマンはこの上もなく、無敵の筈である。
*ライトセイバー(Lightsaber)とは、映画「Star Wars」(スターウォーズ)シリーズに出てくる「プラズマの光刃は何らかの物体に接触したときにのみ膨大な熱エネルギーを放出し、その物体を溶断。。。また光刃を覆う強力なアーク波の作用により、レーザーやビームの類に干渉して弾道をそらしたり、ライトセーバーの光刃同士で切り結ぶことも可能としている。」(Wiki)という怖ろしく光る剣である。この剣の一つや二つと、ピタゴラスイッチの「おとうさんスイッチ」や「お手伝いスイッチ」と併せて持てば、世界はきっと輝くし、おかあさんは助かるのだ。
pixabay.com
後記:先ほど陣痛は五分置きになり、娘が病院に電話するとあと一時間在宅したければ在宅で痛みに耐え、我慢できなくなったらいらっしゃい、とのこと。カリフォルニア州サンディエゴ校の大学病院、つまり娘の勤務する病院である。それでは夫と二人、これから夜にかけて渋滞の少なくなる高速を飛ばして行ってまいります。