ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

殺伐とした世の中で

2022-03-23 | 人間性

BBC.com

 

 

 

三月もあと一週間余りを残すが、この月は誕生日を迎える人が多い。夫の姉、我が家の長男、そして三男の妻。 結婚記念日などの記念日もある。 夫の姉と三男の妻には、チョコレートの箱と花束それぞれ2打のバラを長い箱に入れて配達するサーヴィスを頼んだ。 古い映画の見過ぎと思うが、私は花の宅配には、必ず花の箱に入れて配達してもらうのが好きだ。 普通のガラス花瓶付きは、往々にしてローカルの花屋が店にある花を入れてくれても、注文した花と大分異なるものが配達される。 その点花問屋から直接箱入りで届けられるものは、注文通り、希望通りであるのに気がついたのである。 

オンラインで注文手配できる花屋は、いくつか気に入ったサイトがあるが、その一つのウエッブサイトには、気の利いた言葉のヒントをくれるような引用文を掲載している箇所がある。 著名な人々の遺した身近な文、言葉である。 その中でLady Gagaのものに行き当たった。 

Lady Gaga曰く:I've been searching for ways to heal myself, and I've found that kindness is the best way.  「私は自分自身を癒す方法を探していましたが、人への思いやりが最善の方法であるとわかりました。」 Lady Gagaは歌唱力や演技力があり、その才能と共に時折奇抜な言動がよく話題になる。それでも彼女は 例えば日本での東北大震災時には、前宣伝なく、密かに多額の寄付をしたり、自身の虐められた経験から、虐めの犠牲となる子供たちや人々を支援したりして、自分の言ったことを実行する人だ。

殺伐という言葉は、それ自体物騒だが、英語でも、sanguinary, inhuman, bloodthirsty, bloody-minded,などと恐ろしげで、不快なものである。 長引く疫病、勃発した侵略戦争、天井のない物価高、物不足、など、人々が砂を噛むようなあるいは薄氷の上を歩くような世情は、少し前までは、そんな状態があるとは多くが体験しなかったはずである。 日本では「平和ボケ」という言葉がそこらへんをしょっちゅう闊歩していたはずである。 

それはほんの2年ほどですっかり様変わりしてしまった。多くは、自分にできることから始めて、ワクチン接種、マスク装着や手指消毒を頻繁に行い、不要不急の外出や集まりを避け、ひっそりと自宅で仕事をしたり、学業をしたり、つまり忍従を強いられてきている。 もともと現代人の物事に対する注意持続時間は短く、それを2年続けているうちに、不平不満が噴出し始め、1年目にしても行き場のないやるせなさや鬱憤を晴らしたく、それは凄惨ないじめや人種問題・差別となって報道されている。 そのたるものが、ある国の隣国への侵攻やある閉鎖的な独裁者国のミサイル多発射である。 

17〜18世紀盛んだった宗教的な従来の権威を離れ、理性(悟性)による知によって世界を把握しようとした啓蒙思想運動のジョン・ロックやヴォルテール、ジャック・ルソー、モンテスキューなどなどの啓蒙界の重鎮たるヨーロッパ人の思想家たちは、今現在を見て、さぞかし嘆くのではなかろうか。 アメリカとて、18〜19世紀の思想家たるジョン・アダムズ、ジェームズ・マディソン、トーマス・ペイン、ジョージ・メイソン、ジェームズ・ウィルソン、イーサン・アレン、アレクサンダー・ハミルトン、そして博学者のベンジャミン・フランクリンとトーマス・ジェファーソンは、現代人が実はなにひとつそうした啓蒙から学ばず、進歩していないことを嘆くやしれない。

時には象牙の塔に籠もって研究し続けたり、あるいは実際に生きて生活して生まれただろう啓蒙思想は、現代人には何一つ役立たないのだろうか。 難しいなんとか論を振りかざしても、知によって世界を制覇しようとしても、やり遂げられることは数限りなくありそうで結局ないのかもしれない。 そうすると、Lady Gagaの言うところの「人への思いやりが最善の方法」であるような気がしてならない。 

昔から好きな短い子供の歌がある。 

”Kindness Begins With Me"

I want to be kind to ev’ryone,
For that is right, you see.
So I say to myself, “Remember this:
Kindness begins with me.”

「自分から始めよう」

誰にでも親切 大事なこと

自分から始めよう 人に親切

Words and music: Clara W. McMaster, 1904–1997. © 1969 IRI

 

 

この小さな歌の中に、人々が気に留め、行動したい大切なことがしっかりと詰まっている。 もしひとりひとりがこれを心掛け、行動したら、世界はどうなっていくだろうか。

robynbirkin.com

 


信じるということ

2022-03-14 | 人間性

millstonenews.com

 

 

 

「私の父は行商セールスマンでした。ある時は家具を、別の時はハードウェアを、時には革製品を販売しました。彼は毎年行商順路を変えていました。私は父が母に、それが文房具やベッドランプ、あるいはその時売ろうとしていたものがなんであれ、今回の旅で行商は最後になる、と言うのをよく耳にしたものでした。そして来年はすべてが変わり、売り付けようとしなくとも、ひとりでに売れる製品を自分は売るだろうから、生活はもっと楽になるはずだ、と言うのでした。

それを父はいつも繰り返し言っていました。父は『暗闇の中で口笛を吹くような人』(どんな恐ろしい状況でも勇気を呼び起こし、それを維持し、示す、と言う意味)でした。気の毒なことに、父は売れ筋の商品を扱ってはいませんでした。むしろ無能故にやらかす間違いに満ちていた、それでも愛すべき人だったのです。

そんなある日、仲間のセールスマンが父に三行の祈りの写しをくれました。彼は顧客を尋ねる直前にこの祈りを繰り返すといい、と言われました。主を信じていた父がそれを試してみたところ、素晴らしい結果が得られました。

これが祈りというものです。私は常に神聖なお方に導かれていると信じています。いつも正しい道を行くように導かれていると信じています。神は常に道なきところに道を開いてくださると信じています。」

—ノーマン ヴィンセント ピール

 

openlibrary.org

ノーマン・ヴィンセント・ピール博士

(1898年5月31日-1993年12月24日)

ノーマン・ヴィンセント・ピールは作家兼宗教家(特に前向きな思考家の先駆者として知られたが、メンタル・ヘルスの専門家には受け入れられなかった)であった。 彼のその考え方はメンタル・ヘルスの専門家には受け入れられなかったが。メソジスト教徒として育ち、1922年にメソジスト牧師として叙階されたピールは、1932年にアメリカの改革派教会に宗教を変更し、マンハッタンのマーブル協同教会の牧師として52年間の任期を果たした。その間、教会の会員数は600人から5,000人を超え、ニューヨーク市で最も有名な説教者の1人になった。

ピール博士と精神分析医のスマイリー・ブラントンは、教会の隣に宗教精神科外来クリニックを設立した。二人は一緒に共著した本をいくつか出版した。 やがてこの心理療法と宗教のクリニックは、アメリカ宗教精神医学財団に成長した。ブラントンは困難な精神医学的症例を扱い、メンタル・ヘルスの資格を持たないピールは宗教的問題を扱った。

ピールは1935年にラジオ番組を開始し、それは54年間続き、さらにテレビ番組も始め、雑誌「ガイディングポスト』を発行した。

ビリー・グラハム氏同様、ピール博士はケネディ以降の各合衆国大統領と交流があった。

 


偉大な作家に学ぶ

2021-11-30 | 人間性

Steinbeck House, Salinas, California

 

 

 

あなたは自分が好きですか? かつて、エドという名前の私の友人が私に言いました、「非常に長い間、私は自分自身が好きではなかったんです」。それは自己憐憫ではなく、単に不幸な事実として言われました。 「その時は、非常に困難な時期でした」と彼は言いました。「そして、心の痛むことでした。私はいくつかの理由で自分自身が好きではありませんでした。ある理由は、根拠が確実にあり、その他は純粋に妄想的です。私はそう言う理由について思い返すのが嫌だったものです。」と語りました。

「すると徐々に」と彼は言いました。「多くの人々が私を好きであることに、わたしは驚きと喜びをもって発見しました。そして、彼らが私を好きになれるのなら、なぜ私は自分を好きになれないのだろうと思いました。その答えがすぐに見つからなかったのですが、そのうちゆっくりと自分を好きになるようになりました。それで大丈夫でした。」これは、自己愛、その悪い意味ではなく、自己認識で語られたことです。エドは文字通り、人々に好まれていたので、「エド」という人をそのまま受け入れ、人々が好きになることを学んだということを意味しました。それは彼に大きな強みを与えました。

ほとんどの人は自分自身をまったく好きではありません。そう言う人々は自分自身を信用せず、偽りの仮面や尊大さを装うのです。彼らは喧嘩し、自慢し、ふりをし、自分が好きではないので嫉妬します。 しかし、ほとんどの場合、彼らは本当の好みを形成するのに十分なほど自分自身をよく知らないのです。そして、私たちは自動的に見知らぬ人を恐れて嫌うことがあるように、見知らぬ自分自身をも恐れて嫌うのです。

エドが自分を好きになることができると、彼は自己軽蔑の秘密の牢屋から解放されました。 私たち全員がそうなることを願っています。 少しでも自分を好きになることができれば、残酷さや怒りが消えてしまうかもしれません。 たぶん、自我という顎を沈ませずに水上に身を保つだけにすれば、お互いを傷つける必要はないでしょう。 

—ジョン・スタインベック

 

Photo by Hulton Archive/Getty Images)

ジョン・スタインベック (1902 – 1968) 

 

 

 


思いやりの強さ

2021-11-09 | 人間性

mi-psych.com.au

 

 

 

 

 

ある夜遅く、若い食料品店の店員が玄関のドアを閉め、片付けを始めた。突然、ドアがノックされた。ある年配の女性が外に立って窓を叩いていた。

店員は「もう閉店しました!」と叫んだ。

女性は「レタスが必要なだけです」と言った。

店員がしぶしぶ女性を店に入れると、彼女は野菜売り場に向かい、そこで数分かけてレタスをいくつか調べていた。彼女は、「実際、私はレタスの半分だけが必要なんです。」と言った。

店員は「上司に確認しなきゃ」と言い、オフィスに行った。上司に「信じられないかもしれませんが、ばかげたことに、気難しいお年寄り婦人がレタスの半分だけを欲しがっています」と言った。話を終えた途端、後ろに女性が立っているのに気づいたので、上司を振り返り、直ちに言った,「幸い、この立派な御婦人が残り半分をお買いになられるそうです」と言った。

この青年は、良好な人間関係の重要性を知っていた。婦人の気持を汲むことで、彼は彼女が顧客として再び戻ってくることを知っていた。

人はほとんど何でも失敗する可能性があっても、別のチャンスを得るものである。しかし、人間関係をスムーズにするスキルを少しでも台無しにすれば、通常物事はうまく行かない。

カーネギー財団の調査によると、成功するビジネスマンの15%だけが、仕事の知識と技術的スキルに起因している可能性があるそうだ。それは、つまり成功者の85%が、彼らが「人に対処する能力」と「態度」と呼ぶものによって決定されることを示した。

ここ数ヶ月は、私たちが他者をどのように扱うかに新たな重点を置かれてきたようである。集まったり、直接仕事に行くことができなかった数か月間、近所の人や友人がどうしているかをチェックしてきた。連絡を取り合うことは新たな緊急性を帯びた。私たちは人間の相互作用を逃してきたからだ。その人類の精神がずっと未来に続くとしたら、それは驚くべきことではないだろうか。

人生がゆっくりと正常に戻るにつれて、私たちはお互いの考えや懸念を尊重する方法を考えている。これは確かにビジネスが再開するときに当てはまることだ。

これはビジネスのどこに当てはまるのか?とお尋ねになるかも知れない。思いやりと収益性は相互に排他的ではなく, それどころか、人を重視し、善良な企業市民として認識されている企業は、利益を人よりも優先する企業よりも成功する可能性がはるかに高くなるのである。

その主な利点は、思いやりが私たちを幸せにし、他の人をも幸せにするのに役立つことである。思いやりのある人もより前向きだ。だからこそ、私たちは日常生活の中で思いやりを実践する必要がある。

人々が幸せではない、または必ずしもより成功しているわけではないことを示唆する証拠はたくさんあり, 信じられない場合は、TwitterまたはFacebookで数分過ごしてしてみることだ。コメントはあまりにも頻繁に残酷または極端であり、さらに余計なものになっている。それが「反社会的メディア」の定義である。

インターネットを上手に利用すれば、親切にする機会がたくさんある。肯定的な結果をもたらす建設的な批判を提供することは可能である。それは素晴らしいTikTokチャレンジになりさえする!

出典不詳の以下のリストは、素晴らしい出発点を提供する。

英語で最も重要な6つの単語は次のとおりである。

「私は間違いを犯したことを認めます。」

英語で最も重要な5つの言葉:“You did a great job.”「あなたは素晴らしい仕事をしました。」

英語で最も重要な4つの言葉: “What is your opinion?”「あなたの意見は何ですか?」

英語で最も重要な3つの言葉:“If you please.”「よろしければ」。

英語で最も重要な2つの言葉: “Thank you.”「ありがとう」。

英語で最も重要な言葉: “We.” 「私たち」。

英語で最も重要でない単語:“I.”「私」。

これらのフレーズを覚えて、直接またはオンラインで他の人に返信するときに使用する。可能な限り, とりあえずは信じてみる利益を他の人に与える。それはやがて市民社会への多大な貢献となることだろう。

マッケイの教訓:人間性は人間であることと人道的であることの違いある。

(参考:ハーヴェイ・マッケイ氏コラム2021年10月31日付け)

 


リント・フィルターのサプライズ

2021-11-06 | 人間性

rentecdirect.com

 

 

 

 

アメリカ合衆国には、個人を対象にしたコミュニティ広告(物品の売買など)Craiglist(クレイグリスト)が1995年クレイグ・ニューマークによってカリフォルニア州サンフランシスコで運営開始して以来、他都市や他国へも進出し、多くの人々に利用されている。その反面このクレイグリスト使用で、犯罪に巻き込まれたり、殺人事件にまで発展したりすることが起こり、最近は不法行為や不適切な投稿を識別する機能がある。

このクレイグリストは、長姉も彼女の夫の遺品整理時におおいに利用し、ただし、ここはアメリカだから、用心をして、実際には物品の売買及び引き取りを友人の男性が管理して、即座に、安全にビジネスを終えることができた。特に大型のRecreational Vehicle(=休暇・楽しみのための車=キャンピングトレイラー車)は、即売につながり、三回使用しただけだったので、希望する価格で売却でき、おおいに助かった。

 

msn.com

あっという間に売買成立したRV

 

さて、この話はこの9月に友人のトレイシーから聞いたことだが、彼女のケースは、むしろ心温まる経験であった。

トレイシーと彼女の夫には最近初子が誕生し、それまではランドリーマットへ夫婦の洗濯をしていたのだが、新生児がいることから、自宅で気軽にいつでも洗濯できるようにと、クレイグリストを利用して、なるべく新品に近い洗濯機と乾燥機を探すことにした。

まもなくサムスンの比較的新品な洗濯機と乾燥機を売りたいと言う男性を見つけ、早速売買の交渉に入った。男性はその2つで500ドルではどうかと言ったが、トレイシーは、生まれたばかりの子供がいて、400ドルにまけてくだされば助かるのですが、と言ってみた。実際彼女は400ドルしか持っていなかった。男性は、承諾し、その400ドルを受け取った。そしてトレイシーのピックアップトラックに洗濯機と乾燥機を荷台に載せてくれた。

彼女が家に帰って2つを接続すると、すべてがうまく機能した。乾燥機を開いてリント・フィルターをチェックすると、そこに支払ったばかりの現金400ドルが入っていた。トレイシーはそれを見てショックを受けた。

帰り際に売ってくれた男性が、「新しい赤ちゃんへのプレゼント、ドライヤーをチェックしてくださいね」と言ったのを思い出した。

その彼の言葉を聞いていても深く考えなかったトレイシーは、どれほど感激し、感謝したことか。

早速彼女はSNSに、投稿した。「私は今、とても恵まれていると感じています。これを共有せずにはいられないと感じました。デビッドさん、ありがとう!と大声で叫びます!どうもありがとう!」

 

KEYT