ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

フクロウ

2017-08-08 | 系図のこと

系図を長年やっていると、いろいろな人生模様や、人柄や、世情を見るので、人生について、英語でいうところの”know a thing or two” つまり、わかったようなつもりの気持がふと湧くことがある。まだまだ若輩であるのに、奢るなんて、千年は早い! 小さな時に、こんな詩を読んだ。


A wise old owl lived in an oak

The more he saw the less he spoke

The less he spoke the more he heard.

Why can't we all be like that wise old bird?

樫の祠に賢いフクロウが住んでいた

フクロウは世の中を見れば見るほど、寡黙になった

寡黙になればなるほど、よく耳を傾けた

そんな賢い、年老いたフクロウに私達みんながなれたらいいのに


私の訳はかなり適当だが、そんなことである。これは英語圏のわらべ歌で、作者不詳だが、1875年より以前に作られたと言われる。第二次大戦時は、合衆国陸軍のポスターにまでなった。諺のように短いが、的を得ている。昔長女が学校に上がった時、これを暗唱しているのを耳にして、ああ、懐かしく思い、忘れたくないものだと思った。


系図調査をしていて、ぶつかる壁について先日書いたが、壁を越えるには、このフクロウを見習うと、壁の向こうが見えてくることがある。目をつぶっても歩けるほど熟知していると思っている山道で、目を開けて歩いていても遭難することがある。慣れ、油断、奢りは、道を誤らせることが多い。系図の調査でも、容易に見つけられることが、目に膜がかかったようになって見えない。壁そのものが実はないのかもしれない。初心や謙遜を忘れているのではないか?と、調査を頼まれると、まず私は祈る。あの森の樫の木の祠に住む年取ったフクロウのように。

 


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