Photo:Matt Carino Design
照明デザインの学生、マット・カリノは、ニュージャージー州モントクレアの自宅にこのディスプレイを設置した。パンデミックでも「コミュニティに簡単で力強く前向きなメッセージを送りたかったのです」と彼は言った。「一緒に、離れて」とある。
主に高齢者施設の方々にクリスマスの気分を届けたいと、思うが、世界で一番Covid-19感染が酷い合衆国で、もっとも酷い状況の加州にあり、私の住む郡は、10万人につき51名感染者、つまり1日平均502名の患者が出る、と言う比較的良い方向にある。とは言え、隣接するいくつかの郡は、10万人につき100名や150名、200名以上という色の濃淡で言えば、限りなく黒に近い。
例年ならば、高齢者施設へ直接伺って、入居者の方々のお話を聞いたり、簡単な手芸や工作、ゲームなどを楽しめるのに、今年は、勿論無理だ。親しい知人が営業管理する老人ホームは32人の入居者中21人が感染、その中の何人かは亡くなったと言う。Covid-19など知らなかった頃とは違い、ウィルスを運んでしまったり、持ってきてしまったりすることが一番皆が懸念することで、だから家族さえ訪問は禁じられている。
そうした施設へ連絡をすると、「今は。。。」となるし、ウェッブサイトでも喘息の持病のある私がお役に立ちそうなことはない。もし私に看護士経験があれば、別の話だが。春には不織布を入れたマスクや防護服を高齢者施設関係者にたくさん縫製して寄付したが、そうした必要品はすでに十分にあると聞く。それは安心なことだが、入居者はどうなさっていらっしゃるのだろう。
どうしたものかと考えあぐねている私に、夫は「高齢者施設の方々だけが高齢者じゃないし、高齢者で一人住まいの方も近所にはいるでしょう?」と提案。そうだった、現にお隣のパッツイは今年初めに長い間介護していた母親を看取り、今は一人住まい。娘さんやお孫さんがしょっちゅう顔を出してはいるが、私たちとは隣組ではないか。
去年の暮れのことだったか、玄関周りの落ち葉掃除をしていた時、同じく前庭を掃除していた彼女は「最近やりだしたのよ、系図。」と話し始めた。系図?? それって私の世界の中心にあるんですが、とつい長話になってしまった。その時彼女は始めたばかりで色々質問があるのよ、と言っていた。いつでもお伺いします、と言って別れたが、そのほぼ直後に弟さんが癌で亡くなり、そして超高齢の母親も亡くなった。そしてパンデミック到来。そんなドタバタのうちについゆっくり話す機会を失ってしまっていた。土曜日の今日、午後にでもカンタロープ色のチューリップの花束を持って挨拶に行こう!
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高齢者のことを気に留める心優しい若者が世の中にはいて、そうした若い人々を見聞きすると、寒空に心は暖かくなる。下の記事は今年の4月のことだが、こうした方々を知ることは健康に良い気さえする。
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オハイオ州の郵便配達員は、最近、郵便以上のものを配達している。
「郵便屋さんのカイル」としても知られるカイル・ウェストは、牛乳やトイレットペーパーなどの生活必需品を好意から郵便ルートで高齢者に届けている。
ウェストは、彼のルートに沿った多くの人々が高齢者であり、人混みに出かけることを恐れていると述べた。
「僕の大好きなある方が家から出てきて、トイレットペーパーを買ってきてもらえないかと聞いてきたのです。その時、ご自分では(感染を恐れて)買い物ができない方もいらっしゃることに気づきました」と彼は語った。
それで、ウェストは彼の配達ルートの人々に次の手紙を送り始めた。
「感染危険にさらされていて、生活必需品を手に入れるのに助けが必要な場合は、私に知らせてください。私はできる限りのことをします」と書かれている。
彼は「郵便屋さんカイル」と手紙に署名し、電話番号を書いた。
「”投票率”は僕が予想していたよりもはるかに多かったんです」とウェスト氏。 「僕はそのメモを400弱ほど配信したのですが、ほとんどすべての人から返事がありました。」
彼は牛乳からトイレットペーパーまですべてを届けてきた。
しかし、ウェストは、彼の余分な努力の見返りに何も望んでいないと言う。
「切手を買いにきちんとした格好で行こうとする方が多いけれど、僕がすでにここにいるんです、彼らが必要とするものを持ってくることは僕にとってなんでもありませんから。」と彼は言った。
−2020年4月21日付サニースカイズから
パンデミックでも明日はやってくるし、終息に一日近づいているのは間違いない。
親切は言葉のいらない言葉である。