先日のこと、携帯にメールが届いたことを知らせる音。
そんなことは日常茶飯事なことだが、その届いたメールを開いてみると・・・
行きつけの酒屋の奥さんから
「奇跡です!」というタイトルで、雪中梅の大吟醸が数本入荷するとの事。
何が奇跡かって、この雪中梅の大吟醸(ラベルは吟醸)というのは、非常に貴重なお酒で、
蔵元の製品が四合瓶で4000本。
この4000本には、蔵元自身のいわゆる家使いも含まれるらしいので、実際に流通される本数は少なくなる。
で、雪中梅の蔵元と直接取引をする酒屋が全国で200店舗程度らしい。
そうすると、全生産数から約一割を除いた本数が流通するとして3600÷200で一店舗あたり18本となる。
たとえ全部が流通しても一店舗あたり、たったの20本なのだ。
しかも、通常は雪中梅の取扱い年数が短い酒屋には降ろしてもらえないっていう不文律のようなルールがある。
以上により、昨年からようやく正規の取扱が出来るようになった行きつけの酒屋には、あと数年は入ってこない幻の酒で”あった”わけだが、ここの店主さんが、以前よりダメもとで「大吟醸が欲しい」と事あるごとに酒蔵にお願いをしていたところから、受発注ミスで「浮いた大吟醸があるが、要りますか?」と連絡が入り、一も二も無く快諾したため今回、奇跡のわずか6本の入荷となったわけである。
まぁ、そんな酒が入荷し、試飲もさせてくれるっていうので、早速駆けつける。
ここ数年で日本酒愛好家になった私が言うのもなんだが、雪中梅っていう酒は、普通酒、本醸造、特別本醸造。のどれも基本的な部分は一緒で、これも凄いことだと素人ながらに感じる。
で、この大吟醸はというと、香りは信州の一般的な吟醸酒のように強くない。
口に含むと、他の雪中梅と同じようなスッキリした味わいは一緒だな・・・っと思った瞬間、口の中で雪が解けていくように感じる。これは何?、喉で飲み込む前に舌に沁み込んで行くようなと言ったら良いだろうか・・・
そして、私の個人的な雪中梅の特徴である、飲み込む瞬間に雪中梅独特の香りが喉から鼻へ逆流する感触。。。
ガツンと来る酒、辛口の酒、もっさりした酒などが好きな人には、何か物足りなさを感じるかもしれないが、舌の上で酒が解ける感触って、今までに無い感覚で不思議であり、驚いている。
この先、来年また飲める(入手できる)かも分からないし、常温保存が利く吟醸酒なので、ちとお高いが奮発して”奇跡”を入手した。しかしながら、今日持ち帰ると我慢できず口にしてしまいそうなので、大晦日まで預かってもらうことにした(苦笑)

専用化粧箱と試飲用の大吟醸
ちなみに、6本のうち2本は県内の酒造会社の社長さんの予約品だそうである。
酒造りのプロたちが「凄い!」と認める雪中梅。
奇跡の酒は残り2本。