中学時代はビートルズにはまった。
確か、NHKの30分ドラマで狙われた学園を放送していて、ストーリーの中であの「Yesterday」が使われていたのがきっかけだった。
まだ、アニメソングくらいしか興味が無かった小僧が、いきなり洋楽に興味を持ったのだから、人生においてセンセーショナルでショッキングな出来事と記憶している。
明けても暮れてもビートルズ三昧の日々だったな~
そんな時、クラスメイトの女子達がよく聞いていたのが、フォークソング。
吉田拓郎、井上用水、かぐや姫、NSPなど、リアルタイムではないものも含めていろいろ聞かされた(^^; が正直、さほど強く興味を持っていたわけではなかったと思う。
ある日、一人の女子から聞かされた「Bye Bye」という風の曲に強烈に惹かれた。
なんだよ~オイ なんてお洒落な曲なんだ!? と
そこから風、特に伊勢正三の曲にはまり込み、ギターを始めるきっかけにもなっていったんだなぁ
世代的にはレコード世代である。
風のレコードもアルバム、シングルを数枚は持っていたが、何を持っていたのか正確に覚えが無い。
やはり青春時代に聞いた曲を手元に置いておきたくて、以前から機会があれば風のCDを思い出したように購入していたが、数ヶ月前から気になって入手したいと思っていた、オールドカレンダー(古暦)というアルバムは、Amazonでも入荷の予定は無いらしく、オークションでも1万円後半のビックリする値段が付いたものを見かけるだけで、半ば諦めかけていた。
ところが、先日、何気にオークションを漁っていたらオールドカレンダー(古暦)が、いわゆる定価で出品されているのを見つけた。
やはり、同じように探している人が居たわけで、多少競って定価の倍くらいで落札できた。
このオールドカレンダー(古暦)は風の最初で最後のベストアルバムである。
解散後にレコード会社の都合商法で「風ベスト」というアルバムは売られたが、そっちは過去の音源の寄せ集めベストで、当時から欲しくはなかったことも覚えている。
(近年2008年に、キープという所が販売したBestBEST「風 22歳の別れ」というアルバムCDの方が、シングルバージョンの「あの唄はもう唄わないのですか」と「ささやかなこの人生」が収録されていて貴重な存在といえると思う)
風のレコードは「22歳の別れ」のシングルから始まるが、この「22歳の別れ」もかぐや姫時代とはアレンジが違い、シングル曲でまんまアルバムに収録された曲、シングルのみの曲、アルバムとシングルではアレンジが違う曲と実に多様で面白く、興味深いのだ。
話は戻るが、このアルバム「オールドカレンダー(古暦)」は、正やん版と久保やん版の2枚組みなんだが、正やん版は全曲、新アレンジとなっており、正やんの音楽性の変化を感じることができる。特に1曲目の「雨の物語」はかぐや姫時代の曲で、イルカにも提供された名曲だが、風のラストに新アレンジで唯一収録された「雨の物語」は、正やんの音楽センス、ここに極まり的な出来栄えの楽曲に仕上がっていると勝手に思っている。2曲目の「月が射す夜」も非常に良い。
終わりに、今現在所有のアルバムと、その収録曲を掲載しよう。
1975.06.05 風ファーストアルバム
THE!風フォークという感じの楽曲が多いが、海岸通りなどの名曲も多い
01.ダンシングドール
02.海岸通
03.なんとなく
04.星空
05.でいどりーむ
06.ロンリネス
07.あいつ
08.桜の道
09.東京 1975
10.はずれくじ
11.男は明日はくためだけの靴を磨く
12.お前だけが
1976.01.25 時は流れて
風がフォークからニューミュージックへ変化していく発展期アルバムと評される。個人的には、正やんのしっとり感と久保やんのほのぼの感が織り交ざった一番のお気に入りアルバムで、
中でも「あの唄はもう唄わないのですか」はシングルバージョンより、こっちの方が好みである。
01.北国列車
02.時の流れ
03.古都
04.何かいいことありそうな明日
05.忘れゆく歴史
06.三丁目の夕焼け
07.あの唄はもう唄わないのですか
08.ふるさとの町は今も
09.まぶしすぎる街
10.あなたへ
11.暦の上では
12.終わりのない唄
1976.11.25 WINDLESS BLUE
エレキギター、エレキピアノを積極的に使い、完全にポップスへと変化を遂げた楽曲集という感じ。多くのアーティストがカバーする名曲「君と歩いた青春」も収録される。
01.ほおづえをつく女
02.夜の国道
03.3号線を左に折れ
04.旅の午後
05.通り雨
06.アフタヌーン通り25
07.小さな手
08.地平線の見える街
09.君と歩いた青春
10.ふっと気がつきゃ
11.少しだけの荷物
1977.10.25 海風
L.Aで収録され、アルバム全体からも、ロックやジャズなどの要素を取り込んだ、何か異文化的な変化を感じる作り。
01.海風
02.冬京
03.デッキに佇む女(ひと)
04.酔いしれた男がひとり
05.おそかれはやかれ
06.歴史と季節の国
07.トパーズ色の街
08.そんな暮らしの中で
09.あの娘の素顔
10.あいつが生まれた朝
11.防波堤
1978.10.05 MOONY NIGHT
今現在、唯一CDを所有していないアルバム。全体的にビートの利いた、乗りの良さが特徴で、のっけの「月が射す夜」から乗せられる。
01.月が射す夜
02.あとがき
03.すれちがった肩ごしに
04.曙(あけぼの)
05.漂う
06.男物のシャツ
07.流れる
08.Bye Bye
09.やさしさに気づかないまま
10.夕凪
1979.04.25 Old Calendar(古暦)
風の最初で最後のベストアルバム。多くの曲が新しいアレンジを取り入れているセルフカバーアルバムでもある。1枚目が正やん、2枚目が久保やんという構成で、結局は2人でひとつのものを作り続けることの難しさが結局,こういう形になって表れた。
01.雨の物語
02.月が射す夜
03.忘れゆく歴史
04.冬京
05.海風
06.海岸通
07.暦の上では
08.北国列車
09.ささやかなこの人生
10.お前だけが
11.おそかれはやかれ
12.ロンリネス
13.古都
14.あとがき
15.トパーズ色の街
16.漂う
17.男物のシャツ
18.あなたへ
19.夜の国道
20.デッキに佇む女(ひと)