昨日は冬眠後の初乗りをしてきた。
GWから一気に迎えたオンシーズンで、道行く単車の多いこと多いこと。。。
メット越しのライダーの顔は何やらニンマリに見える。
それが、この季節の良いところでもある。
私のスポスタは883cc
03年式の旧フレームのキャブ車である。
ここ数年、Dラーで試乗する車両は当然インジェクション車。
簡単にエンジンはかかり、くしゃみもしない。
スポスタだって、かな~り速い足を持っている(特に1200)
これは、これで良し。
利点もあるし、環境時代では仕方が無い事である。
が、この先環境車を自分の愛車にする機会はあるだろうから、今は”味”を楽しみたい。
単車に乗るというのには、儀式的な楽しみも重要な要素だと思っている。
エンリッチナー(チョーク)ノブを引いてスターターを回す。
しばらくしたら、前側のフィンに手を当て温度を診る。
そして後ろ側のシリンダー
冷たい金属に命が宿ったようにぬくもりを感じたら、エンリッチナーノブを半分戻す。
ここからは、深呼吸3回位の時間を置いてやると、ノブを完全に戻したときの三拍子が一番しっくりくる気がする。
実はこの儀式に要する時間は、04年式キャブ車ではもっと時間がかかってしまう。
エンジンの型式が違うので、冷却効率にも差があって温まりにくいのかもしれない。
寒い時期だと走り出し直後にギクシャク感が出て、イマイチなのだ。
03年式に要する時間がちょうど良いのだ。
さて、クラッチを握りLowへガッチャンとギヤを入れる。
最近の国産車やBMWなどは、ほぼ足の感覚だけでカチッと入ったと判断できるだろうが、コイツはもっと激しい反応をする。
クラッチミートは実におおらかな感じで滑り出す。
アクセルを開けると股間の鼓動と足裏の振動にリンクするように加速を始める。
十分脳みそもリンクできる程度の加速である。
GPZ900Rの時の様な、脳みそが融けていくような刺激とは違う刺激で満たされていく。
04年式は、ここがウイークポイントだった。
初速時のトルクが細すぎた。気を使うから楽しめない。
インジェクション車はどうかというと、エンジンの回転も含めてスムーズ過ぎて刺激が無いのだ。
そうはいっても、重い車体に883ccだから、1200cc程の湧き上がるトルクは望めない。
だが、少し登り勾配のワインディングをアドレナリンが出るか出ないか位の速度域が楽しめる。
ギヤは3速ホールド。
あとはアクセルと体重移動のコントロールだ。
コーナー手前でアクセルを戻すとちょうど良いエンジンブレーキがかかる
少し後輪ブレーキを足して、後軸加重にしたほうが旋回しやすいかもしれない
そのままバンクをかけて、頂点付近でパーシャル中のアクセルを開きはじめる
過激ではないトルクが後輪へ伝わり車体が起き始める
さらにアクセルを開いて次のコーナーを目指す。
実に楽しく、実に気持ちよい。