「ロンバケ」と聞いて、キムタク主演のドラマを思い浮かべる人も居るだろうが、自分にとっての”ロンバケ”は、紛れも無く、大滝詠一氏の『A LONG VACATION』である。
多くの人が承知の通り、わが国の至宝的アルバムである。
自分はそれほど、大滝詠一氏に傾倒するほどのファンではないが、高校生の時に”コレ"を聞いたときは度肝を抜かれた。
ファンでもない、初めて聴いたアルバムですべての曲の完成度というか楽曲としての素晴らしさにである。
2010年9月号の『レコード・コレクターズ』の特集で「日本のロック・アルバム・ベスト100(1980年代編)」では第1位に選ばれていることからも、アルバムの凄さがわかる。
今思えば、今までに経験しないリズムや曲調も新鮮で刺激的だった。
使い古された言葉を使うなら「カルチャーショック」だ。
このショッキングな出来事は、人生に大きく刻まれたわけである。
で、、、
である。
発売はLPレコードだったのだが、確か兄から借りたテープの一本だったと記憶しているが、発売から1年半後に、このアルバムは世界初のCD化タイトル20枚の中に選ばれ発売された。
当時は1枚3500円もして、CDプレーヤー自身も高嶺の花のオーディオ機器なので、入手するのはCD化から10年以上経ってからであった。
CD化から20年経った2001年に、20thという記念としてのCDが、大滝氏本人の監修の元でリマスタリングされ話題になり、自分も購入した。
それは見事なデジタル化という感じで、初版のCDとは明らかに違う音にまた感激した。
そしてさらに10年の月日が流れ2011年に30th記念のCDが発売された。。。
が、自分は実は知らなかったのだ。
それを、先日知って、早速入手したんだが、30年も経って、本人監修でリマスタリングが行われる、このアルバムはやはり凄い事だと感心する。
さて、その30thアルバムは。というと、多くの人が評している通り、原点回帰。
レコーディング当時の音源をアナログらしさを残してデジタル化したという印象で、20thCDとは音像感に違いがあるように感じる。
また、20thの時にボーナストラックとして収録された、いわゆるカラオケ音源だが、20thアルバムではメロディラインも入れられているが、30thはオリジナルマスターから、ボーカルだけを抜いたカラオケ用ミックス・ダウンを行っている点と、そのマスターがレコーディング当時の新しい状態のマスターから作られたものなので、正真正銘のオリジナル音源と本人も言っている貴重音源が収録されている点も、所有する価値がある。
さて、手元にある3枚のCD。。。のはずが。初版CDが見つからないでいる。
お気に入りのCDで、それこそあっちこっちへ持ち出しているうちへどこかに紛れてしまったらしく、CDラックで見つからない。
何としても見つけて、聴き比べをしてみたい。
昔聴いたことがある人は、当時を振り返る意味でも、初めての人には、才能あるアーティストの名盤としてお勧めしておく。
ちなみに、見た目のイメージとヴォーカルはリンクしないのは笑えるかな。