好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

「蒼紅の冒険者」第64話「消える猫ことスナタ猫」

2010-07-17 | ゲームブック二次創作
何だか分からなくなってきた。
エッジの体が炎に焼かれたなら、エッジが無事でいるはずがない。
逆にエッジが無事でいるなら、エッジの体が炎に焼かれたはずがない。
矛盾している。

当のエッジは、ぼくがいくら尋ねても、首を振るだけだった。
炎蛇を目の当たりにした時から記憶がないと言うばかり。

何度も確かめあっているうちに、ぼくの方が変な気分になってきた。
そう。ぼくが見間違えたとするなら、つじつまは合うんだ。
でも、あの時は確かに……。

「……ク? ニック? 聞いているか?」
「え? ……な、何?」
「本当にこちらの道で良かったのか?」

そう訊かれて気づいた。
今、森のどの辺にいるんだろうか。ぼく達。

とにかく一旦、落ちついて考えてみた方がいい。
ぼくは、近くの木の根元に腰をおろし、そのそばに荷物袋を置いた。
たどって来た道を思い出そうとするところに、
どさどさっ……という物音や、獣のようなうなり声が邪魔をしてくる。
その物音は次第にこちらに近づき、ついには荷物袋を倒して転がした。

何かがいる!?

目には見えないその何かに気づいた時には、既に冷たい痛みが腕に走っていた。
ぼくはもう片方の手で小剣を抜き、その何かに切りつけた。

ぼくに切られたせいで、その何かが一瞬姿を現す。
黒と黄色の体毛と鋭い牙をもつ、大きな猫科の獣――スナタ猫だ。
それも一匹や二匹じゃない。
集まったスナタ猫たちは、次々と現れては消えるのを繰り返している。
ぼくは水晶玉を両手でかざした。

「FAR――!」

コレは、「SUS」「HOW」より更に具体的な未来を知る事が出来る術。
それでぼく達は、スナタ猫の行き先を知り、その群れから離れたのだった。

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