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科学者が懸念する「果糖」の取りすぎが招くこと

2021-12-19 08:30:00 | 日記

下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

 

ジョナサン・シルバータウン氏の「進化」に対する見方は興味深い。食べ物から見た進化論であるが、料理だけではなく、その道具の1つである陶器の発明が進化の分岐点として重要であるというのだ。説明されてみると合点がいくが、われわれにとって当たり前のことが、進化に計り知れない影響を与えていると考えるだけでワクワクする。

遺伝子組み換え食品に対するわれわれの根拠なき恐怖心も氏の説明をきくと、その恐怖が瞬間に消えてしまう。健康に生きるアドバイスについては、デビット・シンクレア氏(「1日3食」食べる人に密かに迫る老化のリスク)とはいささか見解が異なる部分もあるが、食べ物から進化を見ると、いままでにない発見があることを改めて教えられる。

本稿ではシンクレア氏など世界の科学者8人のインタビューをまとめた『人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること』より、シルバータウン氏が考える「果糖の危険性」について紹介する。

 

科学者は「食と健康」をどう考えているか

―─“You are what you eat.”(健康は食べる物で決まる)とよくいわれます。あなたが普段の食事から心がけていることは何ですか?

もちろん、食べ物は健康に影響を与えますが、この格言については、いささか懐疑的です。地球上の人間の食事嗜好は多種多様だということ、植物しか食べない人もいるし、肉しか食べない人もいます。

そのあいだには無限の組み合わせがあり、みんな生存しており、料理文化を発達させています。個人的には好きなものを食べます。私自身はあまり脂肪をとりませんが、肉は食べます。でもたくさんは食べません。

―─野菜が嫌いで食べない人もいますね。

アメリカのジャーナリストで、食や農業に詳しいマイケル・ポーラン氏は、過度に加工されたものではなく植物を食べなさい、と指摘しています。私もこのテーマについて研究しましたが、そこから得られた結論は、ヘルシーな食べ物を楽しむ方法はたくさんあるが、料理は、あまり加工されていない、適度な量の植物を主体にするほうがよい、ということです。食物繊維が豊富な野菜は必要な栄養素をすべて与えてくれます。あと適度な運動が重要です。日常的に身体を動かして、食べる量を減らすのがヘルシーな生活だといえます。

1日3食食べる必要はあるのか?

―─日本では1日3食(朝、昼、晩)が健康に良いとされていますが、ハーバード大学医学部のデビッド・シンクレア教授は「3食も必要ない。2食で十分」と言っていました。あなたはどう思いますか?

この議論には2つの見方があります。1つは、日本人には肥満が少ないため、太ったかやせたかの影響が比較的少ないこと。アメリカやイギリスでは人口の3分の1が肥満です。だから食べる回数を減らしたとしても、もともとの量が多いため、必ずしも食事制限を意味しません。食事制限は、1日2000カロリーより少ない量を摂取し、事実上自分を飢えさせることです。動物ではそれが長生きのために効果がありますが、人間にはないと私は考えています。

「食べる量を減らせば長生きできるが、ではより長く生きる意味は何か?」というジョークがあります。ただ長生きするためなのか、心身ともに健康な状態を維持するためなのか、それらのバランスを考えなければなりません。シンクレア教授が健康寿命についてどう考えているのか知りたいですね。

─―あなたは、意識されにくい「フルクトース(果糖:果物に含まれる天然糖)の罠」を説いていますね。何が問題なのでしょうか。

フルクトースはグルコース(ブドウ糖)と同じ単糖の1つで、肝臓でしか分解されません。したがって、体内のフルクトースの消化はすべて肝臓で行なわれます。

一方、グルコースは私たちの体内の血液中を循環し、すべての細胞や組織のエネルギー源となります。フルクトースは、この点が大きく違います。もしフルクトースが体内に多いと、肝臓に悪影響を及ぼし、肥満になることがわかっています。

ある興味深い実験があります。1つのグループはグルコース主体のパンやパスタを食べ、もう1つのグループはフルクトースが含まれたオレンジジュースを飲みます。すると、両者の摂取したカロリーが同じでも、後者のほうが肥満になる傾向が強かったのです。

身体に必要なのは「グルコース」

─―フルクトースの害についてはあまり議論になりませんね。

われわれの食べ物の糖分が過剰であるという話はよく出ますが、それは加工食品についてです。じつはそれらには甘味料としてフルクトースが使われている。フルクトースの問題は、ショ糖やブドウ糖より甘く、美味しくて、しかも安いこと。だからついつい食べてしまいます。

『人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

─―身体の機能において、フルクトースは必要ありませんか?

そう思います。必要なのは、身体のエネルギー源となるグルコースのほうです。ただフルクトースのいいところは、リバーシブル(元の状態に戻せる)なことです。それが含まれている食料品を控えれば、肥満にならず元の体型と健康状態に戻れます。

─―フルクトースは人類の進化を妨げてきたのでしょうか。

その問いに結論を出すのは時期尚早でしょう。フルクトースをたくさん含んだ食料品を使いだしたのは、ここ50〜60年ほどのことですから。

ただし、肥満がわれわれの進化に何がしかの影響を及ぼすことはかなり明白です。まずいえるのは、かつてと比べて肥満の人が増えていること。2つ目は、肥満は寿命を縮め、生殖能力を衰えさせることです。健康に対する注意を怠ると進化に影響を及ぼすことは、疑う余地がありません。

大野 和基 : 国際ジャーナリスト

追記:フルクトースは、ハチミツ、木に成る果実、ベリー類、メロン、ある種の根菜に多量に含まれている。(ウィキペディアより)