昨日は、山野草の野外講座に参加した。
場所は、
一昨日行った“毛無山”の南にある“毛無山”で、吾妻山の南に位置し“福田頭”
とも呼ばれている山だ。 どうも毛の無い山が多くて紛らわしい!
山麓にある“公共の宿、かさべるで”に到着。
正面に見える山の向こう側の谷を福田頭と井西山との鞍部にある大波峠を目指し、
山麓から中腹の“二の滝”まで探索した。
その結果、私が初めて出会ったのは次の3種。 花の少ない時だけに余計に珍しく
感じた。
その他にも特に珍しくは無いが、花や実の形の面白いものもあり、ツノハシバミ・
ヒメコウゾの実は熟すと食べられるという。
試しにヒメコウゾを食べてみたが、結構甘みが強くて美味しかった!
今回の野外講座では、特に珍しい植物も無くいささかガッカリしたが、面白い生き
物に初めて出会った。
サワフタギに群がって葉を食べるシロシタホタルガ(名古屋市のHPの映像参照)
の幼虫だ。
この幼虫、体長約2.5cmの黒い体の背中には黄白色の大きな斑点が2列並び、横
腹には赤い隆起が1列並んでいて、ちょっと見には美しい。
しかし、この連中が群がってうごめく様は如何にも気持ちが悪い! まして、幼虫
が出す体液に触れると炎症を起こす事があると聞いてはなおさらだ!
ところで、
「幼虫が食べた食草の毒がそのまま成虫に引き継がれ成虫の護身に役立っている」
と聞いた事があるが、本当なのだろうか?
蝶や蛾などは、人間のように何でも良いという訳にはいかず、夫々固有の食草にこ
だわっている。 何か理由があるのだろうが、考えてみると不思議な事だらけで面
白い!
サワフタギ(ハイノキ科、ハイノキ属)
全国で山地のやや湿った所や湿原の周辺に自生する落葉小高木。 樹高は2~4m。
葉は互生し、小さな鋸歯があり、表裏に毛が多い。
花期は5~6月。 白色で径が7~8mmの小さな花が総状に咲き、雄しべが長く
てよく目立つ。 実は秋に鮮やかな藍色になる。
(名前の由来)
枝が沢を塞ぐように横に広がる事から“サワフタギ”と名づけられた。
別名の“ルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)」”は、秋に稔る実が瑠璃色で、
硬い材を牛のはなぐりに用いた事から名づけられた。
尾崎沼湿原の入り口付近には、まるで水田のような区画の湿地があり、多少野生味
には欠けるが多くの花達が咲いていた。
先ず最初の区画には、主にスイレンが咲いていたが、いずれも園芸種らしいので少
しガッカリした。 出来るだけ自生種にとどめて欲しいと思うのだが残念だった。
次ぎの2区画には、主にカキツバタが非常にたくさん咲いており、そのほかにもサ
ワオグルマ・アサザ・コウホネなども咲いていた。
ただ残念な事に、ここにも奥まった所にハナショウブが植えてあるようだ。
カキツバタと言い、ハナショウブと言い、大変な努力をされているのは良く分かる
のだが…。
カキツバタの区画の次には、やや乾燥した湿地が続いているらしい。 足の踏み場
も無いほど繁っていて、遠目にレンゲツツジの花が見える程度だった。
最後に新川溜池周辺の木道を探索した。
ここでは主に潅木の花が多く、特にカンボクの数が多いのには感心した。
潅木の下の湿地では、ヒメザゼンソウの花は終わり、今はチャルメルソウやオオナ
ルコユリの花が咲いている程度だが、これからササユリ・バイケイソウ・ハンカイ
ソウなどの花が見られそうだ。
未だヤマコウバシの枯葉が落ちずに残っていた。
春まで葉が落ちずに残る事から受験生のお守りにされるそうだが、こんなものまでお守りにするとは…?
まあ、何にでも縋りたいという事で、刺々しいクスドイゲのような思いをさせたくない親達の
切ない思いは分からなくもない!
飯野山にはヒカンザクラとアオモジが咲いていた。
どうも植栽したものらしいが、長崎地方では春に咲くアオモジを“卒業花”とも呼
ぶそうなので、或いは目出たく桜の花を咲かせて卒業させてやりたいと言う事から
植えたものなのだろうか!?
ヤマコウバシ(クスノキ科、クロモジ属)
関東以西の山地の落葉樹林下で自生する落葉小高木。 樹高は2~7m。
雌雄異株で日本には雌株しか無く、4~5月頃葉が出る前、葉腋に花弁が6枚で淡
黄緑色の小さな花をつける。 枯れた葉は散らずに春まで残る。
(名前の由来)
枝や葉を折るとほのかな匂いがあるので“山香ばし”と名づけられた。
アオモジ(クスノキ科、クロモジ属)
近畿以西で山地の林縁などに自生する落葉小高木。 樹高は3~7m。
雌雄異株で、3~4月の葉が出る前に淡黄色の小さな花をつける。
材にクロモジ同様に芳香があるので妻楊子として使われる。
(名前の由来)
クロモジに対し、小枝が緑色をしている事から“アオモジ”と名づけられた。
※クロモジ属には、この他にシロモジ、クロモジ、アブラチャン、ダンコウバイ
もある。
クスドイゲ(イイギリ科、クスドイゲ属)
近畿以西で岩場などに自生する雌雄異株の常緑小高木。 樹高は3~5m。
8~9月に葉腋から短い総状花序を出し、径が2mmくらいの黄白色の花をつける
が、花弁はなく4~5個の萼片がある。
太い幹は樹皮が縦に割れて不規則に剥れ、枝分かれした刺がある。 小枝にも鋭い
刺がある。
(名前の由来)
ハリネズミの古名である“クサフ”と、トゲを意味する“イゲ”をくっつけた
“クサフノイゲ”が訛って“クスドイゲ”になったと言う説があるらしい。
ヒカンザクラ、緋寒桜(バラ科、サクラ属)別名:寒緋桜
原産地は中国などで、沖縄では桜といえば寒緋桜を指す。樹高5mの落葉小高木。
1~3月、葉より先に緋色で俯き加減の半開き花(径:2cm)をつける。
名前の由来は、読んで字の如し。
場所は、
一昨日行った“毛無山”の南にある“毛無山”で、吾妻山の南に位置し“福田頭”
とも呼ばれている山だ。 どうも毛の無い山が多くて紛らわしい!
山麓にある“公共の宿、かさべるで”に到着。
正面に見える山の向こう側の谷を福田頭と井西山との鞍部にある大波峠を目指し、
山麓から中腹の“二の滝”まで探索した。
![]() | ![]() |
![]() |
その結果、私が初めて出会ったのは次の3種。 花の少ない時だけに余計に珍しく
感じた。
![]() | コイケマ (ガガイモ科、カモメヅル属) 関東地方以西でやや湿った山地に 自生するつる性の多年草。 イケマよりやや小型なので、 “小イケマ”と名づけられた。 イケマはアイヌ語で大きな根の意。 花期は6~8月だが、画像は 未だ蕾。 アサギマダラの食草。 |
<![]() | ツクシガシワ (ガガイモ科、カモメヅル属) 中国地方以西でやや湿った林内に 自生する多年草。 茎は直立するが、先の方はつる状 になる。 花期は6~8月。 (→花) 名前は、筑紫に生育し柏に似た葉 を持つ事から名づけられた。 |
![]() | ミゾホオズキ (ゴマノハグサ科、ミゾホオズキ属) 全国で山地の湿地や溝に自生する 多年草。 花期は6~8月。 名前は、溝に生えホオズキに似た 実をつける事からなづけられた。 |
その他にも特に珍しくは無いが、花や実の形の面白いものもあり、ツノハシバミ・
ヒメコウゾの実は熟すと食べられるという。
試しにヒメコウゾを食べてみたが、結構甘みが強くて美味しかった!
<![]() | <![]() |
シオデの花(→葉) | ツノハシバミの実(→葉) |
<![]() | <![]() |
トチバニンジンの実(→葉) | ヒメコウゾの実(→葉) |
今回の野外講座では、特に珍しい植物も無くいささかガッカリしたが、面白い生き
物に初めて出会った。
サワフタギに群がって葉を食べるシロシタホタルガ(名古屋市のHPの映像参照)
の幼虫だ。
この幼虫、体長約2.5cmの黒い体の背中には黄白色の大きな斑点が2列並び、横
腹には赤い隆起が1列並んでいて、ちょっと見には美しい。
しかし、この連中が群がってうごめく様は如何にも気持ちが悪い! まして、幼虫
が出す体液に触れると炎症を起こす事があると聞いてはなおさらだ!
![]() |
ところで、
「幼虫が食べた食草の毒がそのまま成虫に引き継がれ成虫の護身に役立っている」
と聞いた事があるが、本当なのだろうか?
蝶や蛾などは、人間のように何でも良いという訳にはいかず、夫々固有の食草にこ
だわっている。 何か理由があるのだろうが、考えてみると不思議な事だらけで面
白い!
サワフタギ(ハイノキ科、ハイノキ属)
全国で山地のやや湿った所や湿原の周辺に自生する落葉小高木。 樹高は2~4m。
葉は互生し、小さな鋸歯があり、表裏に毛が多い。
花期は5~6月。 白色で径が7~8mmの小さな花が総状に咲き、雄しべが長く
てよく目立つ。 実は秋に鮮やかな藍色になる。
![]() | ![]() |
(名前の由来)
枝が沢を塞ぐように横に広がる事から“サワフタギ”と名づけられた。
別名の“ルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)」”は、秋に稔る実が瑠璃色で、
硬い材を牛のはなぐりに用いた事から名づけられた。
二番目に行ったのは“高原の自然館”の北東に広がる湿地。
この場所は昭和の末期まで牧場だったとかで、その後湿地に改造したらしい。
ここでは主に潅木を見学した。
潅木の下には数々の山野草も見受けられたが花は無し。 残念!
帰り際には“カキツバタの里”に寄った。 今回の本命だ!
ここも嘗ては休耕田だった場所で、H13年以降に多くの人の協力で1.7haに2万
株20万本ものカキツバタが植えつけられたそうだ。
何でも、昭和初期にこの地を訪れた牧野富太郎さんがカキツバタの群生を見ていた
く感激されたとかで、「その群生風景を再現しよう!」という運動が起きたらしい。
カキツバタの群生地は、元が休耕田だけに真四角でまるで業者が生産しているよう
な趣があり、その上にこれが減反政策や過疎化の産物だと思うと余計に素直には喜
べない。 我ながら嫌な性格だ!
しかし、20万本の迫力は圧巻である事は認めざるを得ない! 見事だった!
(“カキツバタの里”の大群落→花の拡大)
<
>
この場所は昭和の末期まで牧場だったとかで、その後湿地に改造したらしい。
ここでは主に潅木を見学した。
潅木の下には数々の山野草も見受けられたが花は無し。 残念!
<![]() | ![]() |
売店で売っていたヒメフウロ(→拡大) | カラコギカエデ |
![]() | ![]() |
ツルウメモドキ | ノリウツギ(蕾) |
![]() | ![]() |
ウワミズザクラ(実) | ズミ(実) |
帰り際には“カキツバタの里”に寄った。 今回の本命だ!
ここも嘗ては休耕田だった場所で、H13年以降に多くの人の協力で1.7haに2万
株20万本ものカキツバタが植えつけられたそうだ。
何でも、昭和初期にこの地を訪れた牧野富太郎さんがカキツバタの群生を見ていた
く感激されたとかで、「その群生風景を再現しよう!」という運動が起きたらしい。
カキツバタの群生地は、元が休耕田だけに真四角でまるで業者が生産しているよう
な趣があり、その上にこれが減反政策や過疎化の産物だと思うと余計に素直には喜
べない。 我ながら嫌な性格だ!
しかし、20万本の迫力は圧巻である事は認めざるを得ない! 見事だった!
(“カキツバタの里”の大群落→花の拡大)
<

尾崎沼湿原の入り口付近には、まるで水田のような区画の湿地があり、多少野生味
には欠けるが多くの花達が咲いていた。
![]() |
先ず最初の区画には、主にスイレンが咲いていたが、いずれも園芸種らしいので少
しガッカリした。 出来るだけ自生種にとどめて欲しいと思うのだが残念だった。
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
次ぎの2区画には、主にカキツバタが非常にたくさん咲いており、そのほかにもサ
ワオグルマ・アサザ・コウホネなども咲いていた。
ただ残念な事に、ここにも奥まった所にハナショウブが植えてあるようだ。
カキツバタと言い、ハナショウブと言い、大変な努力をされているのは良く分かる
のだが…。
![]() | ![]() |
サワオグルマ | カキツバタ |
![]() | ![]() |
アサザ | コウホネ |
カキツバタの区画の次には、やや乾燥した湿地が続いているらしい。 足の踏み場
も無いほど繁っていて、遠目にレンゲツツジの花が見える程度だった。
![]() |
最後に新川溜池周辺の木道を探索した。
ここでは主に潅木の花が多く、特にカンボクの数が多いのには感心した。
潅木の下の湿地では、ヒメザゼンソウの花は終わり、今はチャルメルソウやオオナ
ルコユリの花が咲いている程度だが、これからササユリ・バイケイソウ・ハンカイ
ソウなどの花が見られそうだ。
![]() | ![]() |
アラゲナツハゼ | オトコヨウゾメ |
![]() | ![]() |
カンボク | コマユミ |
![]() | ![]() |
サワフタギ | タンナサワフタギ |
![]() | ![]() |
オオナルコユリ | チャルメルソウ |
今回のターゲットは、県北西部・八幡湿原のカキツバタ。
八幡湿原は、周囲を鷹ノ巣山(943m)・掛頭山(1126m)・臥竜山(1223m)・
高岳(1054m)・聖山(1113m)などの1000m級の山々に囲まれた、標高約800m
の八幡高原と呼ばれる盆地の中にある。
この八幡高原は1万年以上前は湖だったそうで、現在は嘗て湖の底だった所へ大小
20箇所の湿原として僅かにその姿が残っていて、それらの湿原の総称を八幡湿原
と呼んでいる。
この八幡湿原は、日本の湿原分布のほぼ南限にあり学術的にも価値が高く、環境省
の「日本の重要湿地500」にも選定されていて、「西の尾瀬」とも呼ばれ有名だ。
しかし、この八幡湿原も嘗て昭和初期から水田や牧場などの開拓で減少した上に、
その開拓で地下水位が下がって湿原が干上がって随分減少したらしい。
その後農業の衰退が進み、嘗て水田や牧場であった所を元の湿原に戻す事業が進め
られ、ようやく現在の姿まで復元出来たのだそうだ。
昨今、「食料不足の時代が来る」「減反を止め食料を増産する」などの声も上がり
始めたが、湿原を埋めたり、掘ったりした次に又埋め戻す事になるのだろうか?
その度に多くの資金が必要になるのだが、時代の変化とは言えややこしい話だ!
八幡湿原は、周囲を鷹ノ巣山(943m)・掛頭山(1126m)・臥竜山(1223m)・
高岳(1054m)・聖山(1113m)などの1000m級の山々に囲まれた、標高約800m
の八幡高原と呼ばれる盆地の中にある。
![]() |
この八幡高原は1万年以上前は湖だったそうで、現在は嘗て湖の底だった所へ大小
20箇所の湿原として僅かにその姿が残っていて、それらの湿原の総称を八幡湿原
と呼んでいる。
この八幡湿原は、日本の湿原分布のほぼ南限にあり学術的にも価値が高く、環境省
の「日本の重要湿地500」にも選定されていて、「西の尾瀬」とも呼ばれ有名だ。
しかし、この八幡湿原も嘗て昭和初期から水田や牧場などの開拓で減少した上に、
その開拓で地下水位が下がって湿原が干上がって随分減少したらしい。
その後農業の衰退が進み、嘗て水田や牧場であった所を元の湿原に戻す事業が進め
られ、ようやく現在の姿まで復元出来たのだそうだ。
昨今、「食料不足の時代が来る」「減反を止め食料を増産する」などの声も上がり
始めたが、湿原を埋めたり、掘ったりした次に又埋め戻す事になるのだろうか?
その度に多くの資金が必要になるのだが、時代の変化とは言えややこしい話だ!
今月のテーマは、広島県東部に約10種類自生するナデシコ科の“ハコベの仲間”。
場所は山野の竜頭峡で景色は良かったが、テーマは極めて地味で、しかも小さな白
い花の撮影に苦労させられた!
それでも二つの収穫があった。
一つは、春の七草の“ハコベラ”がコハコベとミドリハコベを指す事が分かった事と
もう一つは、畑で蔓延る雑草がオランダミミナグサだと分かった事だ。
少し寂しい収穫だったが、次回は八幡湿原だと言うし、7月の特別講座は天狗高原
で1泊すると言うので、それらを楽しみにするとしよう!
(ハコベの種類の見分け方、特徴)
①先ず花弁の形を見る。
ハコベの花は全て5弁だが、その花弁の切れ込みの深さに注目する。
②次に葉の様子を見る。
葉柄の長さや毛の有無などに注目する。
それにしても、今回は最後も後味が悪かった。
駐車場近く迄戻った時、小鳥が鳴き叫ぶので樹上を見ると、何とカラスヘビがメジロ
の雛を正に飲み込もうとしている!
女性達は口々に「可哀想だ!」と言いながら、しきりに小石を投げつけるのだが一
向に効果が無い。
やがて親鳥も諦めたのか静かになってしまった。
蛇も生きて行かねばならない。 残酷ではあるがこれが自然と言うものだろう!

場所は山野の竜頭峡で景色は良かったが、テーマは極めて地味で、しかも小さな白
い花の撮影に苦労させられた!
それでも二つの収穫があった。
一つは、春の七草の“ハコベラ”がコハコベとミドリハコベを指す事が分かった事と
もう一つは、畑で蔓延る雑草がオランダミミナグサだと分かった事だ。
少し寂しい収穫だったが、次回は八幡湿原だと言うし、7月の特別講座は天狗高原
で1泊すると言うので、それらを楽しみにするとしよう!
<![]() | <![]() |
ハコベ属、ヤマハコベ(→花) | ウシハコベ属、ウシハコベ(→葉) |
<![]() | ![]() |
ミミナグサ属、オランダミミナグサ(→葉) | ミミナグサ属、ミミナグサ |
(ハコベの種類の見分け方、特徴)
①先ず花弁の形を見る。
ハコベの花は全て5弁だが、その花弁の切れ込みの深さに注目する。
②次に葉の様子を見る。
葉柄の長さや毛の有無などに注目する。
名 称 | 生育場所 | 花 期 | 花弁の形 | 葉 の 様 子 |
---|---|---|---|---|
ヤマハコベ | 山地の林内 | 4~6月 | 切れ込み大 | 無柄で毛が多い |
ウシハコベ | 山野 | 4~10月 | 切れ込み大 | 上部は茎を抱き下部は有柄 |
オランダミミナグサ | 畑や道端 | 4~5月 | 切れ込み中 | 無柄で毛が多い |
ミミナグサ | 畑や道端 | 4~6月 | 切れ込み小 | 無柄無毛で全体に紫色を帯びる |
それにしても、今回は最後も後味が悪かった。
駐車場近く迄戻った時、小鳥が鳴き叫ぶので樹上を見ると、何とカラスヘビがメジロ
の雛を正に飲み込もうとしている!
女性達は口々に「可哀想だ!」と言いながら、しきりに小石を投げつけるのだが一
向に効果が無い。
やがて親鳥も諦めたのか静かになってしまった。
蛇も生きて行かねばならない。 残酷ではあるがこれが自然と言うものだろう!

讃岐平野一帯は、次のような段階を経て色々な岩石の層が水平に積み重なり、やが
て一部が侵食されて山や台地が形造られたそうだ。
(色々な岩石の水平な層が出来る過程)
① 地下深くでマグマ(花崗岩)がゆっくり冷やされ、長時間かけて押し上げら
れて地表に出現
→侵食されてほぼ水平な層を生成。
② 火山灰や礫岩が積もり
→侵食されてほぼ水平な層を生成。
③ ①、②の層を突き破って地下からマグマ(高マグネシア安山岩)が噴出
→侵食されてほぼ水平な層を生成。
④ ①、②、③の層を突き破って地下からマグマ(サヌカイト)が噴出
→侵食されてほぼ水平な層を生成。
(侵食されて山や台地が出来る過程)
長い年月をかけて地表面から侵食が進み、富士山の形をした飯野山や、台形の
国府台・五色台・屋島などが出来上がった。
これらの山や台地は、標高が100~200mまでは花崗岩層で、その上に火山灰・
礫岩の層、頂上は高マグネシア安山岩又はサヌカイトの層が綺麗に積み上がっ
ている。
どうも“おじょも”という大男はいなくて、その正体は火山活動だという訳だ。
いささか夢が壊れたが、でも火山活動がこんな作品を残してくれた事も結構面白い。
て一部が侵食されて山や台地が形造られたそうだ。
(色々な岩石の水平な層が出来る過程)
① 地下深くでマグマ(花崗岩)がゆっくり冷やされ、長時間かけて押し上げら
れて地表に出現
→侵食されてほぼ水平な層を生成。
② 火山灰や礫岩が積もり
→侵食されてほぼ水平な層を生成。
③ ①、②の層を突き破って地下からマグマ(高マグネシア安山岩)が噴出
→侵食されてほぼ水平な層を生成。
④ ①、②、③の層を突き破って地下からマグマ(サヌカイト)が噴出
→侵食されてほぼ水平な層を生成。
(侵食されて山や台地が出来る過程)
長い年月をかけて地表面から侵食が進み、富士山の形をした飯野山や、台形の
国府台・五色台・屋島などが出来上がった。
これらの山や台地は、標高が100~200mまでは花崗岩層で、その上に火山灰・
礫岩の層、頂上は高マグネシア安山岩又はサヌカイトの層が綺麗に積み上がっ
ている。
どうも“おじょも”という大男はいなくて、その正体は火山活動だという訳だ。
いささか夢が壊れたが、でも火山活動がこんな作品を残してくれた事も結構面白い。
瀬戸大橋を坂出側に渡った所で、前方に“讃岐富士”と呼ばれる形の良い単独峰が
見えて来る。 標高422mの飯野山だ。
この山には“おじょも伝説”という、次のような面白い話が残っているそうだ。
「大昔“おじょも”という山を造るのが得意で日本中へ山を造っていた大男がいた
と言う」
「その“おじょも”がある日、讃岐の国へも山を造る気になり、ふごに土をいっぱ
い入れて瀬戸内海を一跨ぎしてやって来て、格好が良いおむすびのような形をし
た飯野山を造ったのだそうだ」
「そして、出来映えに感心して眺めているうちに小便をしたくなり、出来たばかり
の飯野山と琴平の象頭山に足をかけて用を足したところ、その間に大きな土器川
が出来、飯野山には足をかけた時の足跡が残っている…」
さて、
瀬戸内海を一跨ぎと言い、画像中央右上の飯野山と画像中央左下の象頭山(琴平山)
に足をかけたと言い、相当な巨人が居たらしい。何しろ、その距離は10km以上もある!
ところがだッ!
飯野山の山頂近くにあるその足跡を見ると全く小さく、長さが40cm強しかない!
「馬鹿の大足、まぬけの小足」と言うが、どうもこの“おじょも”は“超まぬけ”
だったらしい。
何しろ、伝説によれば
「飯野山を造る前に、丸亀の2箇所に土をこぼしてしまい双子山が出来た」
と言うそうだから、相当なドジだったのかもしれない!?
しかし、その“超間抜けさん”、相当な放尿をしたらしい。
殆ど水が流れていないとはいえ土器川の川幅はかなり広く、一帯には溢れた尿が溜
まった池が大小無数にあった!

見えて来る。 標高422mの飯野山だ。
この山には“おじょも伝説”という、次のような面白い話が残っているそうだ。
「大昔“おじょも”という山を造るのが得意で日本中へ山を造っていた大男がいた
と言う」
「その“おじょも”がある日、讃岐の国へも山を造る気になり、ふごに土をいっぱ
い入れて瀬戸内海を一跨ぎしてやって来て、格好が良いおむすびのような形をし
た飯野山を造ったのだそうだ」
「そして、出来映えに感心して眺めているうちに小便をしたくなり、出来たばかり
の飯野山と琴平の象頭山に足をかけて用を足したところ、その間に大きな土器川
が出来、飯野山には足をかけた時の足跡が残っている…」
さて、
瀬戸内海を一跨ぎと言い、画像中央右上の飯野山と画像中央左下の象頭山(琴平山)
に足をかけたと言い、相当な巨人が居たらしい。何しろ、その距離は10km以上もある!
ところがだッ!
飯野山の山頂近くにあるその足跡を見ると全く小さく、長さが40cm強しかない!
![]() | ![]() |
“おじょも”の足跡 | 拡 大 |
「馬鹿の大足、まぬけの小足」と言うが、どうもこの“おじょも”は“超まぬけ”
だったらしい。
何しろ、伝説によれば
「飯野山を造る前に、丸亀の2箇所に土をこぼしてしまい双子山が出来た」
と言うそうだから、相当なドジだったのかもしれない!?
しかし、その“超間抜けさん”、相当な放尿をしたらしい。
殆ど水が流れていないとはいえ土器川の川幅はかなり広く、一帯には溢れた尿が溜
まった池が大小無数にあった!

未だヤマコウバシの枯葉が落ちずに残っていた。
春まで葉が落ちずに残る事から受験生のお守りにされるそうだが、こんなものまでお守りにするとは…?
まあ、何にでも縋りたいという事で、刺々しいクスドイゲのような思いをさせたくない親達の
切ない思いは分からなくもない!
![]() | ![]() |
ヤマコウバシの緑葉 | クスドイゲの葉 |
![]() | ![]() |
ヤマコウバシの枯葉 | クスドイゲの幹 |
飯野山にはヒカンザクラとアオモジが咲いていた。
どうも植栽したものらしいが、長崎地方では春に咲くアオモジを“卒業花”とも呼
ぶそうなので、或いは目出たく桜の花を咲かせて卒業させてやりたいと言う事から
植えたものなのだろうか!?
![]() | ![]() |
ヒカンザクラ | アオモジの花 |
ヤマコウバシ(クスノキ科、クロモジ属)
関東以西の山地の落葉樹林下で自生する落葉小高木。 樹高は2~7m。
雌雄異株で日本には雌株しか無く、4~5月頃葉が出る前、葉腋に花弁が6枚で淡
黄緑色の小さな花をつける。 枯れた葉は散らずに春まで残る。
(名前の由来)
枝や葉を折るとほのかな匂いがあるので“山香ばし”と名づけられた。
アオモジ(クスノキ科、クロモジ属)
近畿以西で山地の林縁などに自生する落葉小高木。 樹高は3~7m。
雌雄異株で、3~4月の葉が出る前に淡黄色の小さな花をつける。
材にクロモジ同様に芳香があるので妻楊子として使われる。
(名前の由来)
クロモジに対し、小枝が緑色をしている事から“アオモジ”と名づけられた。
※クロモジ属には、この他にシロモジ、クロモジ、アブラチャン、ダンコウバイ
もある。
クスドイゲ(イイギリ科、クスドイゲ属)
近畿以西で岩場などに自生する雌雄異株の常緑小高木。 樹高は3~5m。
8~9月に葉腋から短い総状花序を出し、径が2mmくらいの黄白色の花をつける
が、花弁はなく4~5個の萼片がある。
太い幹は樹皮が縦に割れて不規則に剥れ、枝分かれした刺がある。 小枝にも鋭い
刺がある。
(名前の由来)
ハリネズミの古名である“クサフ”と、トゲを意味する“イゲ”をくっつけた
“クサフノイゲ”が訛って“クスドイゲ”になったと言う説があるらしい。
ヒカンザクラ、緋寒桜(バラ科、サクラ属)別名:寒緋桜
原産地は中国などで、沖縄では桜といえば寒緋桜を指す。樹高5mの落葉小高木。
1~3月、葉より先に緋色で俯き加減の半開き花(径:2cm)をつける。
名前の由来は、読んで字の如し。
昨日は飯野山のコクランの見学に行った。
ラン科の中でコクランに良く似た葉をつける仲間には、
・クモキリソウ属に、クモキリソウ・ジガバチソウ・スズムシソウ・ユウコクラン、
・ツレサギソウ属に、ジンバイソウ・ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ)
などがあるが、いずれも少し湿った場所に生育している。
それに対し、このコクランは讃岐平野の飯野山(単独峰、標高:422m)の頂上
付近の、暖地のどちらかと言えば乾いた場所に自生するという。
見るべき花も無い登山道を汗をかきながらひたすら登ると、8合目付近まで登った
所でアッタ! アッタ! なるほどクモキリソウなどに良く似た葉をしている。
これで花が咲いていれば最高なのだが…。 残念! 又改めて出直すとしよう!
コクラン、黒蘭(ラン科、クモキリソウ属)
茨城以西の常緑樹林内に自生する多年草で、霜に弱いと言われている。
広島県内では、倉橋島・大崎上島などの島嶼部や瀬戸内海沿岸部に点在する。
草丈は15~30cm。
冬でも緑色で、先が尖った広楕円形の葉を2~3枚つける。 長さ5~12cm。
花期は6~7月で、暗紫色の花を5~10個まばらにつける。
ラン科の中でコクランに良く似た葉をつける仲間には、
・クモキリソウ属に、クモキリソウ・ジガバチソウ・スズムシソウ・ユウコクラン、
・ツレサギソウ属に、ジンバイソウ・ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ)
などがあるが、いずれも少し湿った場所に生育している。
それに対し、このコクランは讃岐平野の飯野山(単独峰、標高:422m)の頂上
付近の、暖地のどちらかと言えば乾いた場所に自生するという。
花期は未だ
先で楽しみ
はイマイチ
と思いつつ
初めて見る
植物だけに
ワクワクし
ながら登り
始めた。
ところが、
何と標高が
僅か422m
だというの
に結構距離
があり、その上にとにかく暑かった! 侮るべからず、飯野山だった!
見るべき花も無い登山道を汗をかきながらひたすら登ると、8合目付近まで登った
所でアッタ! アッタ! なるほどクモキリソウなどに良く似た葉をしている。
これで花が咲いていれば最高なのだが…。 残念! 又改めて出直すとしよう!
![]() | ![]() |
コクラン(クモキリソウ属)の葉 | コクランの花穀 |
![]() | ![]() |
クモキリソウ(クモキリソウ属)の葉 | ジンバイソウ(ツレサギソウ属)の葉 |
コクラン、黒蘭(ラン科、クモキリソウ属)
茨城以西の常緑樹林内に自生する多年草で、霜に弱いと言われている。
広島県内では、倉橋島・大崎上島などの島嶼部や瀬戸内海沿岸部に点在する。
草丈は15~30cm。
冬でも緑色で、先が尖った広楕円形の葉を2~3枚つける。 長さ5~12cm。
花期は6~7月で、暗紫色の花を5~10個まばらにつける。