里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

狐の絶滅

2005年08月22日 | 動 物
植林地の下刈りを済ませたので久し振りに舅の所へ行った。
座り込んで話していると近所の人がやって来て、猪の話に発展した。
するとその近所の人曰く、
「わしゃあ猟師をしとったんで、よう知っとるが、猪が増えたのは猪子を喰う狐が
 居らんようになったからで」
「なんで居らんようになったか言うたら、そりゃあ狐の子を狸が喰うたからよ」…

私としては、その猟師の話は眉唾の感じがしたので、「へー、そうなんですか?」
と答えてごまかしてしまい、
つい
「なぜ肉食の狐が喰われ放しで狸の子を喰わないのか?」「狸の味が悪いのか?」
「狐はグルメで狸を喰いたくないのか?」 聞き漏らしてしまい残念であった。

考えてみると、
猪も狸も雑食性で、広葉樹が減ったせいで山に喰う物が無くなってしまっても、
里に下りてきて作物をくすねる事が出来るのに対し、肉食性の狐は山に鼠などの
小動物が減少すると、里に下りて来ても昔と違って農家が鶏や兎を全く飼育しなく
なったのでくすねる事も出来ず、飢え死にしてしまったのではないかという感じが
する。

人をだまして馬糞を食べさせたり、お風呂と偽って肥溜めに入らせたりするあの
太い尾を持って「ケーン」と啼く恐ろしげな狐が居なくなり、世のチビガキ共がその
怖さを知らずに成長してしまうのも、何か自然に対する懼れをなくす様で、本当に
残念な感じもする。