愛媛県人なものですからみかんにはうるさいです。
やっぱりどこより愛媛のみかんが好きなのです。
この秋初めてスーパーでみつけたちっちゃな愛媛県産極早生みかん。
知らず知らず手がのびちゃいました。
みかんと云えば・・・前もブログに書いたでしょうか、
芥川龍之介の「蜜柑」。
主人公の鬱々とした心持ちを一瞬にして変える
蜜柑の色とその軌跡ーーー。
超短編なのでご存じなければ読んでみてください。
みかんと云えばこの物語が思い浮かぶのです。
心象と相まった映像が活き活きとみえてくる作品なのです。
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(頬の赤い三人の男の子が)汽車の通るのを仰ぎ見ながら、
一斉に手を挙げるが早いか、いたいけな喉を高く反らせて、
何とも意味の分からない喊声を一生懸命に迸らせた。
するとその瞬間である。
窓から半身を乗り出していた例の娘が、あの霜焼けの手をつとのばして、
勢いよく左右に振ったと思うと、忽ち心を躍らすばかり暖な日の色に染まっている
蜜柑が凡そ五つ六つ、
汽車を見送った子供たちの上へばらばらと空から降って来た。
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