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桃太郎のうた

2008-08-27 18:11:13 | 朗読あれこれ



とあるところで、鬼が島へ鬼を退治にゆく「桃太郎」のうたの歌詞を
改めて目にしました。

明治44年(1911年)に、尋常小學唱歌、第一学年用として
当時の音楽の教科書にのった文部省唱歌。
日本は日露戦争を経験し、第一次世界大戦の起こる直前でしたーーー。

そんな背景を知ると、勇ましく進軍(?)する桃太郎と家来たちの様子は
時代ゆえのものなのかと思います。

がしかし、かなり強烈な歌詞ですよ。
どうぞ歌ってみてください。



「桃太郎」   文部省唱歌


一、桃太郎さん 桃太郎さん
  お腰につけたきびだんご
  ひとつわたしに下さいな    (ここまではかわいらしい)

二、やりませう、やりませう
  これから鬼の征伐に
  ついて行くならやりませう   (すでに“上から目線”)

三、行きませう 行きませう
  あなたについてどこまでも
  家來になつて行きませう    (従順・・・というより卑屈に映る家来!?)

四、そりや進め、そりや進め
  一度に攻めて攻めやぶり
  つぶしてしまへ 鬼が島    (つぶしてしまえる権利はどこにあるのか?)

五、おもしろい おもしろい
  のこらず鬼を攻めふせて
  分捕物をえんやらや      (桃太郎たちは強盗か!?)

六、萬々歳 萬々歳
  お伴の犬や猿雉子は、
  勇んで車をえんやらや     (鬼が島のことなど後はどうでもよく、勝利に酔いしれてばかり)



・・・とまぁ、こんな突っ込みを入れたくなるようなんですもの(^^;
あぁ、びっくりした。

ところで、江口渙の『ある日の鬼が島』という作品があります。
雑誌「赤い鳥」(昭和2年10月、11月)に掲載されたものです。
この物語は、鬼が島に桃太郎たちがやってくる様子と戦いの模様を
鬼たちの側から書かれています。
面白いので読んでみてください、有名な「桃太郎」が違って見えますよ。

「赤い鳥」のバックナンバーは図書館などにありますが、
講談社文芸文庫の「日本の童話名作選 昭和編」にも載ってます。





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