過フッ化物の問題を取り上げている記事が久しぶりにあり、参考までに取り上げてみます。
どこにでも存在し、健康を害し、しかも自然には分解して解毒化していかないもの。
レインコート・ピザの箱・冷凍食品の包装・くっつかないフライパン、共通点はなに?
全てに共通しているのは過フッ素化アルキル化合物(PerfluorinatedAlkylatedSubstances:PFAS)を含んでいること。”永続性化合物(ForeverChemicals)”とも呼ばれる健康上有害なものである。
国連の環境コンサルタントのRoland Weber氏はこの一連の物質を人類が製造した最も危険なものの一つとしている。
PFASとして括られる4500種に及ぶこれらの化合物は、世界中いたるところ(土中・飲料水中・食品中・人間をも含めてすべての動物の体内中)に分布し存在している。
“私の体の中にもPFASはあるのか?”
米国人の98%程のひとが血液中にPFASを持っている。インド・インドネシア・フィリピンの研究では、ほぼすべて母乳中にその存在が確認されている。ドイツの子供にもこの有害化合物は確認されている。しかもその1/5の子供は、要注意濃度のレベルを超えてPFASを体内に持っているとされている。
代表的なPFASとしてPFOA(PerfluorinatedOctanoic Acid)とPFOS(PerfluorinatedOctaneSulfonic Acid)があり、肝臓や腎臓の損傷・男性生殖機能低下・新生児の体重・ワクチンの有効性に影響するとされている。
高濃度では発がんの恐れが指摘されており、最近の研究ではこれらの化合物とCOVID-19の重体化との間の関連性も取りざたされている。
因みに記事を書いた記者の血液を分析したところ、4ナノグラム(この量は要注意以下の量で平均的ドイツ人に見られる)のPFOAとPFOSが認められた。
“永続性化合物の自然界ならびに我々人体中での行く末”
PFASはその安定性のゆえに有用といえる。また水をはじく・油をはじく・泥をはじくという性質で、人工皮革・感光紙・農薬・消火用泡沫・染料や飛行機等広く使用されている。
通常の下水処理では除去できず環境中に拡散していく。遠くパタゴニアの山にも極地の雪の中にもアルタイ山脈にも北極クマや鳥・イルカの体内にも分布している。
高濃度のPFASはホルモンレベル・肝機能・甲状腺機能に変調をきたす。環境への影響の研究はいまだ不十分で、今後に残されている。
“原子爆弾から台所の棚まで”
1938年米DuPontはPFASの一つのPTFE(PolyTetraFluoroEthylene)を発明。その高温で金属の腐食性を抑える性質の故に、PTFEは始めに原子爆弾に利用された。
その後“Teflon”の商品名でフライパンに応用され世界的なヒット商品となった。
1998年Teflon製造工場に隣接する畜産業者から放牧牛が徐々に衰弱していき死に至るという報告がWest VirginiaのParkersburgでなされた。
環境問題の弁護士であり畜産業者の弁護活動を永年してきたRobert Bilott氏によると、業者は工場から白い泡を含んだ水の排出を認めていた。ついで付近の住民数千人がDuPontからの排水によりPFASに汚染されることに繋がって行った。
DuPont社はその有毒性を数十年前から知っていた文書が存在したが、環境中への排出を続けていたことになる。
高濃度のPFASが腎臓がんや精巣がんの増大に関係することを示す研究があり、2017年DuPontは6億7100万ドルの賠償を犠牲者に支払うことに同意した。
”産業界は合法的な抜け道探しに進む”
オランダ・ベルギー・イタリアを含む諸国はPFASを含む飲料水や環境の汚染問題を経験している。
永続性化合物の幾つかはEU・米・日本で徐々に市場から退場しており、それにより検出値も徐々に減少している。ドイツでは1990年以来、平均値が50%以下になっている。
使用停止に対応して産業界は次世代のPFASを製造しているが、現在使用はできるものの次世代化合物が先行物とそれほどの違いは無いのが実態である。
”如何に身を守るか?”
どうしたら良いか、若干困惑する所である。表示ラベルや包装に明記されているわけでない中、無数の品物から何を避けるべきかを知ることは不可能と思える。
今の所は、くっつかないフライパンを使わないと決めたことと、飲料水中のPFASを除去するフィルターを使うことを考え始めたこと、と記者は言う。
更に今までも余り利用しなかった持ち帰り食品やコンビニ食品の利用を更に減らすことでPFAS処理された包装容器の利用を避けることも考えている、と記者は言う。
一方、世界規模ではPFASを排除する動きが進められている。Greenpeaceのキャンペーンで野外衣料メーカーのVaude・Paramo&Rotaufは衣服の無毒化を宣言した。
スウェーデンの家具メーカーIkeaはPFASの使用を禁止するとしている。
さらにドイツ・デンマーク・ノルウェイ・スウェーデン等のEU各国が、EU域内でPFASの使用を2030年までに禁止することを推進している。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
どこにでも存在し、健康を害し、しかも自然には分解して解毒化していかないもの。
レインコート・ピザの箱・冷凍食品の包装・くっつかないフライパン、共通点はなに?
全てに共通しているのは過フッ素化アルキル化合物(PerfluorinatedAlkylatedSubstances:PFAS)を含んでいること。”永続性化合物(ForeverChemicals)”とも呼ばれる健康上有害なものである。
国連の環境コンサルタントのRoland Weber氏はこの一連の物質を人類が製造した最も危険なものの一つとしている。
PFASとして括られる4500種に及ぶこれらの化合物は、世界中いたるところ(土中・飲料水中・食品中・人間をも含めてすべての動物の体内中)に分布し存在している。
“私の体の中にもPFASはあるのか?”
米国人の98%程のひとが血液中にPFASを持っている。インド・インドネシア・フィリピンの研究では、ほぼすべて母乳中にその存在が確認されている。ドイツの子供にもこの有害化合物は確認されている。しかもその1/5の子供は、要注意濃度のレベルを超えてPFASを体内に持っているとされている。
代表的なPFASとしてPFOA(PerfluorinatedOctanoic Acid)とPFOS(PerfluorinatedOctaneSulfonic Acid)があり、肝臓や腎臓の損傷・男性生殖機能低下・新生児の体重・ワクチンの有効性に影響するとされている。
高濃度では発がんの恐れが指摘されており、最近の研究ではこれらの化合物とCOVID-19の重体化との間の関連性も取りざたされている。
因みに記事を書いた記者の血液を分析したところ、4ナノグラム(この量は要注意以下の量で平均的ドイツ人に見られる)のPFOAとPFOSが認められた。
“永続性化合物の自然界ならびに我々人体中での行く末”
PFASはその安定性のゆえに有用といえる。また水をはじく・油をはじく・泥をはじくという性質で、人工皮革・感光紙・農薬・消火用泡沫・染料や飛行機等広く使用されている。
通常の下水処理では除去できず環境中に拡散していく。遠くパタゴニアの山にも極地の雪の中にもアルタイ山脈にも北極クマや鳥・イルカの体内にも分布している。
高濃度のPFASはホルモンレベル・肝機能・甲状腺機能に変調をきたす。環境への影響の研究はいまだ不十分で、今後に残されている。
“原子爆弾から台所の棚まで”
1938年米DuPontはPFASの一つのPTFE(PolyTetraFluoroEthylene)を発明。その高温で金属の腐食性を抑える性質の故に、PTFEは始めに原子爆弾に利用された。
その後“Teflon”の商品名でフライパンに応用され世界的なヒット商品となった。
1998年Teflon製造工場に隣接する畜産業者から放牧牛が徐々に衰弱していき死に至るという報告がWest VirginiaのParkersburgでなされた。
環境問題の弁護士であり畜産業者の弁護活動を永年してきたRobert Bilott氏によると、業者は工場から白い泡を含んだ水の排出を認めていた。ついで付近の住民数千人がDuPontからの排水によりPFASに汚染されることに繋がって行った。
DuPont社はその有毒性を数十年前から知っていた文書が存在したが、環境中への排出を続けていたことになる。
高濃度のPFASが腎臓がんや精巣がんの増大に関係することを示す研究があり、2017年DuPontは6億7100万ドルの賠償を犠牲者に支払うことに同意した。
”産業界は合法的な抜け道探しに進む”
オランダ・ベルギー・イタリアを含む諸国はPFASを含む飲料水や環境の汚染問題を経験している。
永続性化合物の幾つかはEU・米・日本で徐々に市場から退場しており、それにより検出値も徐々に減少している。ドイツでは1990年以来、平均値が50%以下になっている。
使用停止に対応して産業界は次世代のPFASを製造しているが、現在使用はできるものの次世代化合物が先行物とそれほどの違いは無いのが実態である。
”如何に身を守るか?”
どうしたら良いか、若干困惑する所である。表示ラベルや包装に明記されているわけでない中、無数の品物から何を避けるべきかを知ることは不可能と思える。
今の所は、くっつかないフライパンを使わないと決めたことと、飲料水中のPFASを除去するフィルターを使うことを考え始めたこと、と記者は言う。
更に今までも余り利用しなかった持ち帰り食品やコンビニ食品の利用を更に減らすことでPFAS処理された包装容器の利用を避けることも考えている、と記者は言う。
一方、世界規模ではPFASを排除する動きが進められている。Greenpeaceのキャンペーンで野外衣料メーカーのVaude・Paramo&Rotaufは衣服の無毒化を宣言した。
スウェーデンの家具メーカーIkeaはPFASの使用を禁止するとしている。
さらにドイツ・デンマーク・ノルウェイ・スウェーデン等のEU各国が、EU域内でPFASの使用を2030年までに禁止することを推進している。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
