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インターネットが拡大、そしてデジタルファシズムも現われた、と専門家が指摘

2024-12-02 13:27:40 | 社会問題
「インターネットが拡大、そしてデジタルファシズムも現われた、と専門家が指摘」
Anadolu Ajansi 2022年6月6日 Zehra Nur Duz氏記す

先の投稿記事【優遇され、優先される階層や地域の為の再開発事業。置いてきぼりの階層や地域は放置され、格差は拡大する。こんなシステムを座視していて良いか?別の道も用意すべきだろう。11月24日】中に気になる言葉があった。

デジタル革新技術が作り出す『デジタルファシズム』という文言が、気に掛かった。

そこで、『デジタルファシズム』に関する情報を調べ、紹介することにしたい。

選んだ情報の原題は、『Digital fascism emerged with spread of internet, says social media expert』になります。では始めます。

「デジタルファシズム」が、開発の進んだ諸国および発展途上の国々の両方の社会にとっていま厄介な脅威になっている、とソーシャルメディア専門家のDeniz Unayさんは語る。

戦争は常に戦場で行われるもの、とは最早言えない時代に入り、人々の暮らしも徐々に変わり、そして我々の経験や体験も『仮想空間化』されたり、『拡張現実化』(augmented reality, 現実世界の物事に、デジタル技術を利用して情報を付け加えたり、合成したりして作りだされた「拡張化した現実モドキ」を我々の眼前に提示すること)されたりしてきている。

ファシズムは伝説化した過去のことであり、最早今の社会や今後の社会では、ファシズムの再来を懸念する必要はあり得ないとの考えに我々は安住してはならないと、ソーシァルメディアの専門家らは指摘している。

「デジタル社会は、一点集中型ではなく分散型が特徴である。市民・社会はデジタル的に巧みに操縦され、組織化される。そしてデジタル社会の脱集中型・分散型という特徴を携えて市民は、社会に参加することになる。この観点から、デジタルファシズムというものはインターネットの普及と共に生れ出た現象だと言える」とDeniz Unayさんは語る。

多くの政府や政府代表者らが近年デジタルファシズムやデジタル専制主義の問題を声高に発言しており、そしてデジタルファシズムが開発国と共に途上国でも極めて厄介な脅威になってきていると主張されている。

エルドガン・トルコ大統領は、5月イスタンブールで開かれたトルコ系諸国機構メディア・情報担当大臣・高官会議でこの問題に言及している。

「正確であり、偏りのない情報を数十億の人々は受け取ることが出来る、という人々が持つ権利を、デジタルファシズムは侵害するものであり、デジタルファシズムの恐れが醸成されつつある。
 自己規制やルールや倫理的価値観等がソーシァルメディア上に存在しないことで、デジタルファシズムに基因する甚大な脅威が全ての社会に醸成されることになる。ウソや誹謗中傷や歪曲が頻繁に起こるソーシァルメディア上においては、真実を探し出すことや真実に辿りつくことや真実を守るといった行動が極めて大切なことになる」とエルドガン大統領は指摘した。

今日、世界で40億人程がソーシァルメディアを利用しており、彼らは日に2時間半ほどを少数のソーシァルメディアのアプリ利用に費やしているという。人々にコンテンツを提供するソーシァルメディアの場では、より多くのオンライン接続を利用者に可能にするとともに、利用者を政治的に・商業的に、そして文化的に誘導していくことが出来るのである。人々の生活は楽になり、楽しいものになる、と騙す形で誘導していき、その上で『人工頭脳指向型アプリ』(Artificial intelligence-oriented application)というものは、人々の声や画像や位置情報を常に入手し記録化し、人々にとってベストなものとは何であるか、といったビックデータ情報を入手することを望む大企業や政府に、その情報入手の方策を提供することになる、とUnayさんは語る。

(ソーシァルメディアで社会の何が変わったのか?)

Unayさんはインターネットが初めて登場したWeb1.0と呼ばれる時代では、情報の通信は一方通行だったということを強調する。

当時はコンピュータ言語とコンテンツの作り方を心得ている人々が、インターネットへ情報を提供し、世界の大多数の人々は単にパンフレットを読むがごとくだけだといった関わり方をしていたのである。

Web 2.0と呼ぶ時代に入ると、ソーシァルメディア上のアプリにおいては以前の時代の特徴であったコンテンツの制作やデータの供給に関する難解さは基本的に取り除かれることになった。

電子情報伝達の拡大と共に、世界には「一つの世界村」といった意識が生れ、我々は今やその村に住んでいる。スマホの出現と利用によりソーシァルメディアの利用は拡大し、我々の社会や生活スタイルや文化や伝統や我々の使う言葉さえもが影響され変化してきている。

我々はお互いにほとんど同じで似ている、とする「人間共同体」の意識を今や、我々は「新たな世界秩序」の中に見出している、とUnayさんは指摘する。

過去には、例えば地域ごとの衣装がそれぞれの地域の特性を示していたが、今は世界のだれもが同じような衣装を着ており、地域性は無くなった、とUnay さんは指摘する。

食べ物についても、従来の地域ごとの特色が希薄化し、今やほとんどの人々が同じような食事をし、同じコーヒーを飲み、同じアイスクリームを食べているのである。即ち従来の『世界の料理』の幅や奥行きの広さの中に、『同じような料理』という分類が付け加えられた、とUnayさんは強調する。

昔は地域ごとで様々な特徴のある建物を見ることができたものだが、今は世界各地の様々な都市、そして例え小さな都市であっても同じような建物が建てられており、人々は判で押したような同じ形の都市に住み、同じようなショッピングモールで買い物をし、同じような娯楽施設で楽しんでいるのである。

人々が背景に持つ伝統や文化が、時とともにお互いに似てきており、結婚から葬儀に至る人々の生活のイベントに当たって人々の行動や振る舞いが徐々に近づき似てきている、とUnayさんは指摘する。

数百万人のソーシァルメディア利用者がメディア上で興味を引く流行・トレンドを短時間の内に皆が体験するということが起こっている。文化的背景が異なるにも拘らず、大半の人々が、そこでは同じような一般化・共通化した行動をとるようになる、とUnayさんは指摘する。

「ソーシァルメディアを用いていると、人々はあまり話したがらず、あまり書くことをしない。その一方、視る・聴くことは増える。そうこうしている内に、『人々は視聴しているものに影響されるようになり、スクリーン上の人々の行動を真似るようになる。スクリーン中毒と呼ばれる症状が現れる』ことになり、医学的に懸念される問題が発生する」とUnayさんは指摘する。

「ソーシァルメディアが我々の生活に踏み込んでくれば来るほど、これらすべての変化が生じてくる」とUnayさんは言う。

「人々の好みといったものは、視覚によって急速に変化する、という。よって人間の目に近い対話型装置(interactive devices)上のアプリには、生活に関する多くの物事を時間とともに変化させる力がある」とUnayさんは指摘する。

(デジタルファシズムとは一体どこに存在しているか?)

デジタルファシズムには、日常生活や社会の政治的選択に影響を及ぼすウソや虚偽や誤った情報やコンテンツが多く含まれている、とUnayさんは語る。

デジタルファシズムの推進を目指すグループの最大の目標は、偽情報や汚染された情報を作り出すことだ、とUnayさんは語る。

検索エンジンというものは、情報やコンテンツの結果をユーザーが望むように分類化することができ、そしてユーザーが望むようにウェブサイトをアクセスしやすいように移動させることができる。その一方で、検索エンジンはユーザーが望まないウェブサイトを検索結果から削除することができるとUnayさんは語る。

ロシアとウクライナとの戦争の期間に、最も典型的な例を最近私たちは確認している。即ち、ロシアの情報サイトが世界中の検索エンジンから削除されていたことがあり、ロシアの情報への我々のアクセスは制御されていた。

音声や画像を模倣し、望むままに編集して作られた『ディープフェイク』(deepfake:deep learning深層学習とfake偽物とを組み合わせた造語で、悪意を持って本物のように作られたものを指す)動画を使用して、望む内容に偽造した映像を市民に無制限に拡散し、提示することで、市民にその虚偽内容を信じ込ませることができるようになっている、とUnayさんは指摘する。

「現時点では、ヂープフェイク動画と本物の動画とを区別できるソフトはない。従って、動画の真贋を理解して識別することは非常に難しい」

『ハッシュタグ』(hashtags;メディア上の特定テーマに関する投稿を検索し一覧表化するのに便利な機能)や『シェアshares』といった機能を推進することが、ユーザー相互間の交流や閲覧の拡大に繋がり、ユーザーを望む方向へ誘導する上での優れた武器に、これらの機能がなっていると、Unayさんは指摘する。

国際的なメディアを利用して、情報や話題を望む方向に誘導するよう継続的に流す、といった情報源の単一化を行い、世界世論の流れ・方向性を望み通りに管理し、方向付けすることができるようになっている、とUnayさんは付け加えている。

(デジタルファシズムに対抗できる対応策は果たしてあるだろうか?)

デジタルファシズムに対抗して取り得る手段を実行することが、人間らしさを保持する上で重要な責任であり義務である、とUnayさんは語る。そしてそれに加えて社会を守るためには、国際協調・協力を制定する法律をデジタル的に実践すべきであると指摘している。

インターネットやソーシァルメディアの急速な進展の速さに比べて、国際協調・協力に基づく法律の制定やその実践は、大きく遅れを取っていると、Unayさんは警告する。そして制定された法律の実施方法は見直されるべきであり、法律のデジタル管理やそのデジタル的実践をできるだけ早く取り入れるべきだと述べている。

デジタルファシズムに対する最も有効な投資は、偽と思われる情報に対しての社会への周知を迅速化・効率化することである、とUnayさんは語る。

真贋に関する市民の判断に必要な適切な情報を公的機関が迅速に行わない場合、社会というものはソーシァルメディア上に流れる偽情報やある意思を持って流される誤誘導を目指した情報を信じるものである、とUnayさんは指摘する。それに加えて、公的な情報源からの情報提供が遅れる場合には、殊に人々は偽情報を余計に信じ込むものだと指摘する。

「フェイクニュースや虚偽ニュースに対抗するためには、参考となる情報源が必要になるのである。人々から多くの反響を得ているニュースや情報というものは、分析に掛けられる必要があり、真実と虚偽との違いを社会に示していかなければならない」とUnayさんは付け加えている。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
yo-chan

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