老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

なぜ君は総理大臣になれないのか

2020-08-24 20:33:15 | 政治
8月の初旬に大島新監督のドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見ました。

これは大島監督が17年間衆議院議員の小川淳也議員を追いかけ、32歳の国会議員立候補当時から現在までを描いた映画です。

小川淳也氏は立候補時32歳、イケメン、美しい奥様と可愛いお嬢さん、総務省官僚という、何もかも恵まれ、安定した身分を捨て、「この国を変えたい」という思いに突き動かされ「地盤」「カバン」「看板」無しの選挙戦を闘いぬきます。

殆ど人がいない農道で、田圃の向うにいる人に向かって、「本人」という旗を背負って自転車で声を張り上げ走ります。

小川議員の言葉で印象に残ったのは、「51対49」という言葉です。大島監督との会話の中で「何事も0か100じゃないんですよ。何事も51対49、勝った51は49の思いを背負っているのに、51のための政治しかやっていない。今は」という言葉でした。

インタビュー当時は小泉政権。正に勝った51のための政治真っ只中でした。

映画のなかで意外だったのは、小川議員、大島監督、秘書と、TVでお馴染みの田崎史郎氏が同席して会食する場面。一年に一回はあると云います。

映画では、小川議員が原議員の側近であるとか、玉木議員とのしがらみも語られます。そのしがらみを維持したまま、時代的は2009年の「政権交代」を迎えます。

小川議員は民主党の中で次世代のリーダーを目指すと自覚しますが、3年の後、民主党政権は崩壊し、民進党では前原議員の側近として動きます。「希望の党の」との合流事件がおき、小川議員は「希望の党」に所属し、苦しい、見方を変えれば滑稽な選挙戦を闘います。

比例復活を果たしたものの、カメラは小川議員の苦しむ姿を追いかけます。

「排除」発言で「希望の党」が崩壊した後、玉木代表の「国民民主」には所属せず小川議員は自分に落とし前をつけるために無所属で国会に立ちます。

小川議員は、「政策は下り坂のときは経済成長ではなく国民性の生活保証にターゲットを置くべきだ」と語っています。国民中心の政策に変えるべきだと。

熱く真っ直ぐに政策と経済を含めた日本のビジョンを語る姿をみて、私はこの人は政治家には向かないのではないか、と思いました。いや、そういう人だからこそ、総理大臣になって欲しい。政界を泳ぐ強かさだけで何もない小池百合子氏が総理になっても、国民は幸せになれるでしょうか。

小川議員は、今回「立憲」「国民」が合流する(玉木代表他は残りますが)新党に加わるそうです。新党の一員になってもその志を忘れずに、いつか小川新党を立ち上げ、「まさか、君が総理大臣になるなんて」という映画が実現するのを期待しています。

「護憲+コラム」より
パンドラ

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