二十世紀最大の悲劇アウシュビッツのユダヤ人大量虐殺。
創造を超えたあの極限状態の中から生き延びた一人の精神医学者
”フランクル”---氏の書いた本『夜と霧』は衝撃的だ。
ろくに食料も与えられず厳しい労働に従事し人間としての尊厳を
奪われた中でも、人間は自然や芸術に感動を覚えると。
現実の生に終止符を打たれていても、護送車の鉄格子の透き間から見る
ザルツブルグの山並み--------夕焼けの茜色に照り映える風景の自然に魅了される。
又、自分を見失わない為の魂の武器とユ-モアについても”フランクル”は言っている。
「悲惨な生活の中でもジョ-クを考え出す事が大切なのです」と。
感情豊かな人間こそが、苦難の中を生き延びることが出来るのでしょう。