「わーっ、きれい~。すご~い。」御嶽山7合目を半分くらい過ぎた頃、ビューポイントで振り返ると、乳白色の雲海の向こうに、笠が岳、乗鞍岳、奥穂高岳、槍ヶ岳の特徴ある稜線がくっきりとみえた。正面には、八ヶ岳と南アルプスの山々。右手奥には恵那山。何という眺め。何という開放感。都会暮らしの日常では目にできない光景だ。空はどこまでも青く、雲ひとつない。
御嶽山は、巨大な独立峰。飛騨山脈からも木曽山脈からも少し離れて長野と岐阜の県境にどっしりと腰を据え、日本で14番目の高さ(3,067m)を誇っている。御嶽山のたたずまいは本当に気品がある。だからこそ、古くから人々の信仰を集めてきたのだろう。
途中何度も休憩をとりながら、そして雲海に浮かぶ山々を眺めながら三角点に到達し、お鉢めぐりに出発した。ぐるりと山の反対側に回ると、そこはまた別世界。穏やかな容姿とは裏腹にこの山は活火山であることを思い出させてくれる。
遠く遠くはるかかなたに浮かぶ山頂は白山だろうか。山並は深く穏やかで風もほとんどなく最高の山行だった。
都会の喧騒と忙しさから離れて、自然の懐に抱かれた秋の一日。
開田高原のススキも素敵だった。