こもれび

悩み多き毎日。ストレス多き人生。でも、前向きに生きていきたい。だから、自然体で・・・

小樽

2009年09月13日 | Weblog

旅はいいものである。たとえ出張であっても、私は好きだ。

この夏、仕事で札幌を訪れる機会があった。夏の北海道は天国のようだから、仕事だけで帰京するのはもったいないと、翌日休みを取って小樽まで足を伸ばした。小樽は初めてである。

JR南小樽で下車し堺町通りを目指す。朝早かったせいか通りは閑散としていて、さびれた町並みを歩きながら、ちょっと来る場所を間違えたかな・・・と不安になった。ところがメルヘン交差点に差し掛かるや雰囲気は一変した。まさに観光地。右を見ても左を見ても、夏休みを楽しむ家族づれや団体客であふれていた。驚いたのは、韓国、中国からの観光客の多さだ。一瞬、「ここは日本?」と疑ってしまうほどだった。

さまざまな店が趣向を凝らして並んでいる中で、ダントツなのは北一硝子。明治後期に創業したガラス製造所が始まりで、今ではテーマ別に10店舗の販売店を展開している。クリスタル館からアウトレットまで、和風、洋風、日常品、芸術作品とそれはみごとにそろっている。眺め歩くだけでも飽きない。札幌の知り合いが、「北一硝子の醤油さしは液だれしない」と教えてくれたので、一つ購入してきた。本当に重宝している。陶器の醤油さしは、使用するたびに、どうしても外側にたれてくる。北一硝子は独自にイタリアワインも輸入しており、販売だけでなくレストラン経営まで手を広げている。小樽観光業は北一硝子でもっているのではないかと思えてしまう。

次の観光名所は小樽運河。2ブロックほどのところが、観光地用に整備されている。20世紀初頭には近代的な港として栄え、日本で3番目に鉄道が敷かれた小樽は、当時かなりの繁栄を誇っていたとガイドブックにある。なるほどその面影が残っている。最盛期には、日銀小樽支店の手形取扱高が札幌の9倍だったというからかなりのものだ。道理で「北のウォール街」に残っている日銀、拓殖銀行、三井銀行などの旧小樽支店の建物が立派なわけである。

小樽駅前からバスに乗り、少し北に行くと、「にしん御殿」と呼ばれる旧青山別邸がある。にしん漁で財を成した青山政吉とその娘政恵が6年半の歳月を費やし、金に糸目をつけずに建てた別荘である。使われている材木だけでなく、家具や襖絵、庭など、すべてに贅を尽くした豪邸である。便器さえも有田焼の特注で、見事な絵が施されていた。現在は小樽市指定歴史建造物第3号に指定されて一般に公開されているが、当時は青山家の住人が独占し、普通の漁師たちの生活はいかばかりだったかと想像するとせつない気持ちになる。が、とりあえず、ここで「にしんそば」を堪能して小樽のミニ観光は幕となった。

夏の北海道は素晴らしいが、地元の人に言わせると、やはり「冬が長い」ということだ。寒さに弱い私としては、観光客として訪れる程度がいいのかもしれない。

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