国語塾長、情報集めて考えます・書きます的ブログ

国語塾詳細はkokugo.m@ozzio.jpへどうぞ。塾猫常駐。

短詩の作りかた

2021-05-14 10:00:47 | 国語的随想
先日も使用した画像ですが、桑の実です
6月には紫になって甘くなります





本日は、詩のつくりかた誌上講義です。


東海の磯の小嶋の磯の白砂に我泣きぬれて蟹とたはむる 石川啄木

中学の教科書にも出てくるチョーがつく有名短歌。
この短歌は、東海(太平洋)→小島→砂浜→目線は蟹・・「の」でつなぎながら、だんだんと対象が小規模というか、小さくなっていきます。

3行詩や4行詩も、作るときのコツは これ です。
つまり、自分の立ち位置は変えずに,視点を動かしていくということ。

即興で具体例を作ってみます。

空が広い
電線で 鳥がこちらを見ているぞ
そうか 
桑の実の実り具合を見に来たんだね

空→電線に止まる鳥→もへじのシンボルツリーの桑の実
大きな視点(空)・・・電線の鳥・・・桑の木,実(そばの小さな視点)



ちなみに 桑の実はじきに紫色に付きはじめますが、そうすると、猫に怯えつつも鳥たちがついばみに来てます。。

子どもたちに指導するときは、
1)まず題材を決める
2)視点を動かす
 遠く 少し近く すぐそば,あるいは下

さっそく即興して見ます。

題材(雲 桜の花びら アリンコ )・・集めました

視点動かします(作者は、公園で散り始めた桜の木を見ているという設定)

ぽっかり雲が浮かんでる
風が来た 
桜の花びら 舞っている
アリンコの行列 花びらの下で
トンネルごっこ

簡単でしょう?

時々塾生に例として上のような私の自作詩(短歌や俳句も)を提示しますが・・
苦しんでいる子には、少しくらいならパクりあり・・といいます。
なかなかじょうずにパクパクしている子もいますね。
他でやってはダメよ、と言います、もちろん(^0^)。


難しいのは、題材決めと自分の位置設定。
これは、イメージ力と深く関わります。
これができない子には、あれこれ話しながら、対話しながらイメージを作る、あるいはふくらませます。
詩を作るのに何の意味があるんだ?
といわれそうですが・・・
想像力や作文力の鍛錬になることは確かです。
それと、子どもの言葉の力が分かります。
あと何より、言葉を操る楽しさが味わえるのです。
こういう楽しさを知っている子どもは国語嫌いにはなりにくいですね。
尚、古文は別ですが。

以上、本日の誌上講義,終わります。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする