まるこの「時事和訳ブログ」

英文記事を訳したり雑感を書いたりします
まるこの「写真ブログ」にもどうぞ
@リンク先へはブックマークからどうぞ

トリポリの刑務所から集団脱獄

2012-10-16 | Weblog

 

(写真)囚人の虐待疑惑の中心と言われているアル‐ジュダイダ刑務所

リビアの首都トリポリのアル‐ジュダイダ刑務所から100人以上の収容者が脱獄しました。

収容者は多国籍からなり、今までにおよそ60人が再逮捕されたと当局筋は言っています。脱獄の様子などははっきりしていません。

アル‐ジュダイダは、トリポリの刑務所の中で最大規模の刑務所の一つです。人権団体は刑務職員が収容者を虐待していると非難しています。

集団脱走は、カダフィの死後最初の記念日の1週間前に起こりました。

リビアの国家警備隊のアル‐シャリフ隊長は、これまでに脱走した120人の収容者のうち少なくとも半分が再逮捕されたとBBCに語りました。

移民法違反のアフリカ人不法移民もいれば、リビア人の有罪犯罪者もいると彼は言いました。

脱走の状況は未確認だが、今調査が行われていると当局は言います。

国家警備隊は、地域に検問所を設けて脱走者を探していると言います。

リビアの刑務所は、現在、異なる軍事協議会と旅団の配備の監督下にあります。

首都の刑務所は、法務省の管轄下にあり、理論的には省の警察に守られているとトリポリのBBC記者は伝えます。

しかし、リビアには去年の紛争以来、まだ包括的・組織的な公的治安力がありません。

今年初めには、首都の別の刑務所から脱走しようとして刑務所の一部が燃やされました。

アムネスティ・インターナショナルは、カダフィ追放後のアル‐ジュダイダ刑務所で広範囲にわたる虐待があると語りました。

前リビアの指導者は、昨年10月20日に生まれ故郷のスルトで捕らえられ殺されました。

              ************

リビアではまだまだ治安が悪く、政府の管理・監視も行き届かず危険なようです。人権団体は刑務所の収容者に対する虐待行為があると言っていますし、集団脱走を許す程刑務所の管理も不十分のようです。制度が民主化して治安がよくなるまでにはまだまだ時間が必要のようです。


巡洋艦が米東海岸沖合で原子力潜水艦と衝突

2012-10-15 | Weblog

 

(写真)ロスアンゼルスクラスの原子力潜水艦モントピリア

米国の巡洋艦が、大西洋岸沖合で海軍演習中に原子力潜水艦と衝突してソナー器機を壊したと報告されました。

事故による負傷者はいないし両艦共自力で作動できると海軍が伝えました。

報道官は、そのような衝突は非常に稀で調査を始めたと言いました。

匿名の海軍筋は衝突により巡洋艦のソナー・ドームが壊れたとロイター通信に語りました。

ドームは、水面下の船首にある丸いゴム製の装置です。

海軍は、巡洋艦をイージス艦クラスの USS San Jacintoとなづけ命名し、潜水艦をロスアンゼルスクラスのUSS Montpelierと命名しました。

ロイター通信によると、San Jacinto艦上の監視チームは艦船の前100~200メートルの辺りで潜望鏡が海面から上がるのを見ました。巡洋艦は後退するように命じましたが、遅すぎて衝突が避けられませんでした。

       *************

原子力潜水艦が巡洋艦と衝突するなんて怖い話です。衝突で巡洋艦のソナー器機が壊れた程度の衝突でよかったものの、衝突程度によっては…それが日本の近くだったら…と思うと本当にぞっとします。


中国の作家の莫言氏が劉暁波氏の釈放を願う

2012-10-13 | Weblog

(写真)花束が見えます

中国のノーベル文学賞の受賞者の莫言氏は、ノーベル平和賞の受賞者劉暁波氏の早期の釈放を望んでいると言いました。

莫言氏の受賞は、国営メディアやオンラインで称賛されています。

しかし、何人かのコメンテーターは、彼の受賞を2年前の劉暁波氏の受賞に対する政府の怒りと対比させています。一方、莫言氏は彼が政府寄り過ぎると反体制派から非難されています。

劉暁波氏は、民主改革を呼びかけているとして政府の転覆罪で服役中です。

57才の莫言氏は、多くの短編を発行しています。中国の田園生活を中心に汚職や強制中絶のような敏感な問題を扱っています。

多作の著者の莫言氏は、陰険で破壊的なスタイル‐特に彼の初期の作品において‐には多くの愛読者がいると北京のBBC記者は伝えます。

しかし、彼の仲間の何人かは彼が政府寄り過ぎると非難しています。

莫言氏は、国立中国作家協会の副会長です。彼の受賞は国営メディアで多く報道されマイクロブログサイトで称賛されています。

共産党トップの宣伝担当の李長春氏は彼に手紙を送って、彼の受賞は「中国文学の発展を反映している」と伝えました。

しかし、反体制派の芸術家アイ・ウエイウエイ氏は、常に権力側に立っているとして彼を批判しました。

山東省の実家で、莫言氏は批判に反論して「自分は著作によって大きなリスクに晒されている」と話しました。

彼は、劉暁波氏について、劉氏の初期の文学書を読んだが彼のその後の政治的な作品は理解できないと言いました。

「彼ができるだけ早く自由になれるように願っています」と彼は報道陣に語りました。

莫言氏のペンネームは中国語で「言うなかれ」という意味です。

彼は文学賞を受賞した中国在住の初めての中国人です。2000年に文学賞を得た中国人の高行健氏はフランス国籍になっていました。

        ************

ノーベル文学賞を受賞した中国の莫言氏の国内の反応の記事です。彼の受賞に関しては賛否両論あるようです。2年前のノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏は中国政府に犯罪者扱いにされ服役していますが、莫言氏は政府の恥部を晒している内容の著作もあるのに政府は称賛しています。政府の複雑な事情が分るような気がします。


中国の作家莫言氏にノーベル文学賞

2012-10-11 | Weblog

 

(写真)莫言氏

中国の作家莫言氏に2012年ノーベル文学賞が贈られることになりました。

多作の作家莫言氏は、数多くの短編小説を発行しています。初版は1981年です。

スエーデン・アカデミーは、「幻覚を引き起こすリアリズムによって民話、歴史、現代を融合させている」として彼の作品を称賛しました。

57才の莫言氏は、中国で初めての文学賞の受賞者です。2000年に高行健氏が受賞しましたがフランスに亡命しています。

莫言氏は、109人目の名誉ある受賞者です。昨年はスエーデンの詩人Tomas Transtroemer氏が受賞しました。

賞金は800万クローナ(約9300万円)。授賞式は12月10日にストックホルムで行われます。

本名は管謨業で、莫言は作家のペンネームで、中国語で「言うなかれ」を意味します。

彼は、人民解放軍の兵士時代に執筆活動を開始し、1987年に映画にもなった「赤い高粱」で国際的名声を得ました。

              ***************

村上春樹さんは残念でしたね。中国の国営放送は彼の受賞を称賛しています。おめでとう!


パキスタンがユサフザイさんの弾丸摘出手術に成功

2012-10-10 | Weblog

スワット渓谷でタリバン武装勢力に頭を撃たれた14才の少女の弾丸を摘出したとパキスタンの外科医が言っています。

少女の人権のための活動家のマラヤ・ユサフザイさんは、手術のあと症状が安定していると報じられています。

武装勢力は、火曜日に、学校を出たユサフザイさんを銃撃し、他の2人の少女に怪我をさせ、国際非難を浴びています。

武装勢力は、彼女が「世俗主義を進めている」ので標的にしたと言いました。

イスラム武装集団のエフサン代表は、ユサフザイさんは生き延びたとしても標的から免れられないとBBCウルドー語に語りました。

当局はこれから少女をどのようにして守るか考えなければならないだろうとイスラマバードの記者は言います。

彼女の家族は武装勢力が彼女を標的にすることを控えることはないと思っているので治安が改善することはないと思っていると記者は言います。

医者は、銃撃された少女の一人は危篤状態で、もう一人はひどい傷は負っていないと言いました。

ユサフザイさんは、渓谷を支配下に置いたタリバン武装勢力の下で生活についてウルドー語BBCに日記を書いて2009年に世間に注目されました。

武装集団は、2007年後半にスワット渓谷を占領して、2009年のパキスタン政府軍の攻撃により退去させられるまで事実上の支配を続けていました。

支配下において、彼らは女学校を閉鎖し、イスラム法を公布して車の中で音楽を聴くことを禁じるというような禁止令を発行しました。

ユサフザイさんの兄のフサインさんは、武装勢力は残忍で残酷な人間だとBBCに語り全てのパキスタン人が彼らを強く非難するように促しました。

パキスタンの政治家は銃撃事件を批難し、米国国務省は野蛮で卑怯と非難しました。

ザルダリ大統領は、銃撃がパキスタンのイスラム武装勢力との闘いの決意も、女性の教育を支持する政府の決定も揺るがすことはないと言いました。

声明で、カヤニ軍司令官は、タリバンは彼女が一人の人間であるだけでなく勇気のシンボルでもあることを理解していないと言いました。

世界中の多くの人々がソーシャル・メディアを通して十代の活動家にメッセージを送りました。

スワット渓谷の学校は、水曜日に、彼女の銃撃に抗議して閉鎖しました。国内の他の地域の生徒は少女の回復を祈りました。

抗議運動がいろいろな地域で行われました。

ユサフザイさんは、火曜日の午後、攻撃されたミンゴラから150キロ離れたペシャワールに手術のために飛行機で運ばれました。

ペシャワールの医師は、弾丸を除去するために数時間手術を続けました。

医療専門家が、更なる手術のために彼女を国から他国に運ぶ必要があるかどうかを決定する間、医療用の飛行機がペシャワールに待機しています。

警察は、渓谷で40人以上を逮捕したと言いましたが、全てがその後、釈放されました。

逮捕は日常任務の一部ですが、警察さえ実行犯を逮捕したとは思っていないと記者は伝えます。

ユサフザイさんはタリバン勢力の統治下での生活を公にし、その勇気がパキスタンの国中の多くの人に称えられたと記者は言います。

タリバンがスワット渓谷を支配して女学校を閉鎖するように命じた2年後に日記を書き始めた時、彼女はわずか11才でした。

BBCウルドー語にガル・マカイというペンネームで書くことによって、彼女は武装勢力から受けている苦しみを暴露しました。

タリバンがスワットから撤退させられた後、彼女の存在が明かされました。彼女は、その後、勇気に対する国民賞をもらい、国際子供平和賞に推薦されました。

タリバンが撤退して以来、スワットでは単独の勢力による攻撃はありますが、大半は安定していてタリバン時代に避難していた多くの人々が戻ってきました。

    *******************

タリバンは女性や女子教育の封建制・閉鎖性で悪名高いのですが、その逆境の中で11才の頃からBBC のブログで現状を訴えていた少女がいたこと、その子がタリバンに狙われて銃撃されたこと、医師がその子の頭に撃ちこまれた銃弾を手術で除去したことなど、驚くことばかりです。

誰かが声を上げなければ何も解決しません。命をかけて声を上げたユサフザイさんに二度と危害が加えられないことを祈ります。