実家を出てから数十年間、あまりお米を食べてこなかった。炭水化物を敵視する世の風潮に染まっていて、夕食は、おかずだけでよい、と思っていたからだ。だが、パスタやピザは好んで食べていた。パスタやピザには具がつきもの。その具に注目しておかずに分類していたのである。だが、これは非合理である。単体で見た場合、米飯の方がパスタやピザよりもカロリーは少ない。炭水化物を敵視するのならパスタやピザも敵視すべきである。夕食のパスタやピザも止めるか、米飯をメニューに加えるかの選択を迫った(私が私に対して)。私は折れた。夕食の米飯が解禁された。
問題は炊く手段である。圧力鍋を使っていること、ご飯をよそった後、鍋底にご飯粒が残ること、お坊さんの修行なら落第であることは既に書いた。そこで、フッ素樹脂加工の炊飯器を新調した。
いいこと酢と並べたのは大きさを表すためである。と言ってもいいこと酢の大きさが分からなければ炊飯器の大きさも分からないだろう。うーんと小さい、ということを言いたかった。そう、これはお一人様用であり、半合~1.5合を炊くためのモノである。早速、半合(ご飯一膳分)炊いてみた。
内鍋にこびりついた飯粒はゼロ。目標達成である。ただ、白い薄膜が残った。お寺では、これでも落第である。だが、ここはお寺ではない。煩悩の住処である。味はどうだ?うーん、やはり圧力鍋で炊いた方が美味しい(違いが分かる人=私)。なぜ、電気とガスで違いが生じるのだろう。いずれも直接米に作用するわけではなく、熱になって米を炊き上げる代物である。電気による熱とガスによる熱に違いはないはずである。温度や時間の微妙な違いがもたらす相違なのだろう。そうは言っても、圧力鍋では、小型であっても半合は上手く炊けない。こと半合で比べた場合、軍配は小型炊飯器に上がる。5000円弱の出費はプータローにとっては一大決心であったが、よい買い物であった。いよいよお一人様生活に磨きがかかる予感である。
因みに、電気による熱とガスによる熱に違いはないはずと書いたが、ドイツ語学校で知己を得たドイツ人女性によると、お風呂に入るときの裸と、それ以外の裸は違うそうである。後者は恥ずかしいが前者は恥ずかしくないそうである。これはドイツ人共通の認識だと解する。なぜなら、ドイツの温泉は素っ裸で混浴だからである。だから、日本人観光客の男女がドイツの温泉に行くときは注意すべきである。裸を見せ合う仲であれば問題ないが、そこまでの仲でないなら脱衣場でたまげて逃げ帰ることになるからである。
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