キャンディー奥津はJWPでデビューし、その非凡なる才能で台頭したものの、5年間で引退をしてしまった逸材だった・・・私がアルシオンを設立したとき、所属選手候補リストに真っ先に上がり、現役に復帰させようと画策したものだ。奥津はジムでインストラクターをしていて、アルシオン入りには即OKだった。
吉田万里子以外は目立ったプロレス・キャリアの選手が存在しなかったアルシオンにとって、奥津の加入は戦力をより充実させたのだ。旗揚げまもなくのトーナメントARSに優勝。その類まれの無いセンスは群を抜いていた。奥津の発想はいわゆるエンターテイメント・プロレスで、とにかく世間に目を向けていたのだ。それでも常に自分が中心にいたいため、様々なアイディアを提案してきたが体調が芳しくなく次第に精彩を欠いてきたのだ。それでも奥津がいなかったら、アルシオンは好発進出来なかったと思う。